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INTERVIEW

G-FREAK FACTORY × The BONEZ "山人音楽祭 2024" 対談

2024.08.08UPDATE

2024年08月号掲載

G-FREAK FACTORY × The BONEZ "山人音楽祭 2024" 対談

G-FREAK FACTORY:茂木 洋晃(Vo)
The BONEZ:JESSE(Vo/Gt)
Interviewer:フジジュン

-"山人音楽祭"も"男鹿フェス"に負けず、ライヴハウスや地元の人たちの愛や理解に支えられながら長く続いてきて。2020年はコロナで中止になりましたが、2021年、2022年と高崎芸術劇場に会場を変えて、規制のあるなかでも開催できたのは、地元の人たちの理解があったからこそでしたよね。

茂木:もちろんそう。今やクラスターなんて死語になっちゃいましたけど、あの頃、地元でクラスターなんてワードを背負ったら、自分だけじゃなくて周りや家族、仲間まで全員が忌み嫌われることになるし。ローカルでやるってことは、何かあったらその場を追われる可能性があるっていうのも、そのときにすごく感じて。地元を追われちまう可能性があるって、相当ヤバいなっていうのは近づくに連れて感じたけど、それでも結果、やったやつじゃないと成功はしないから。可能性があるならやろうと思ったし、今になったらやって良かったって言えるけど、相当なギャンブルだったと思いますよ。ただ、それを超えたからフェス自体に体力も付いただろうし。今年ももっと入れ込んだフェスになったらいいなと思います。

JESSE:もし何か起きたとしても、俺たちのファンっていうか、サポーターって言うほうが正しいのか、みんなで守り合える気がするというか。俺らがファンを守るって勘違いしてるんだけど、俺らがファンに守られてることに気付かされることも意外と多くて。

茂木:いや、ホントその通り。

JESSE:"こいつらを守んねぇと"って思ってるけど、"勘違いすんなよ。俺ら自分らで守れるし、意外とお前らのことも守ってんだよ"ってファンに思われてて。コロナ後、もっとファンと近く、強くなれた気がしてるんだよね。

茂木:"男鹿フェス"のMCでJESSEが"俺たちは1段高いところにいるだけで"って言ってたけど、本当その通りでさ。ライヴって"どんだけ信じ合えるか?"みたいな時間なわけじゃん。人って疑おうと思ったら、いくらでも疑えるし。"疑いながら生きていこう"みたいな時代なわけじゃん? だからライヴとかって、本当にいい時間なんだよね。ちゃんと信じ合わないと成立しないから。

JESSE:だからコロナのおかげで、人間が失いかけた熱いものを求めてる、いい時代にバンドできてると思います。生ヌルくないよね、何も。

茂木:うん、もっとシビアになったよな。でも、"やっと来たか、この時代が"って毎回思うんだけど、なかなか手には入れられないんだよね。そこも面白ぇんだけど。

JESSE:この辺にあるんだけど、常に取れないんだよね。

茂木:で、後から来たやつがバーッと取ってっちゃう。それもまた面白いんだよ(笑)。

-コロナ禍を経験して、当たり前にあったものを一度は失って。お客さんもフェスであったり、ライヴハウスであったり、自分たちの大好きな場所がそこにあることが当たり前じゃないと思ったはずで。それがコロナ明けの熱狂に繋がっているし、再び取り戻した居場所を守り続けるという意志や覚悟を持って参加しているところもあると思います。

JESSE:コロナのときってディスタンスがあって、ライヴハウスにパイプ椅子並べられて、マスクして表情も見えなくて。みんな好きな人のライヴを観に行ったとき、一曲一曲に個人的な思い出があって、それを思い出して感情を爆発させたいんだけど、チケットを買ってライヴに来てるのに、その感情を抑えて我慢しなきゃいけない。そんなことしてたら、好きなバンドも嫌いになっちゃいそうだなと思ったんですよ。そうしたとき、"俺、一瞬でも「つまんない」ってよぎったら、バンドやめちゃうかもしれない"って恐怖があって。コロナのとき、ツアーをしないバンドとするバンドに分かれたけど、俺は"ファンが動きたくても動けないなら、俺らがステージ上で×500くらいやればいいんじゃねぇか?"と思って。

茂木:違う方法を手に入れればいいだけで。勉強になったよね、あれはあれで。"ただじゃ起きねぇぞ!"って気持ちもあったし。コロナ前とコロナ禍中とアフターコロナでみんなの価値観が変わったって言うけど、俺も変わってっから。2019年の頃の気持ちではないな。やっぱりどこか全然違う。

JESSE:そうそう。俺なんて2019年に事件があって、2020年にコロナが来たじゃん? 事件で自粛してたとき"みんな超先行っちゃうんだろうな"って思ってたんだけど、コロナでみんなが自粛に入ったから、なんとか追いつかねぇとなっていうか。

茂木:みんな急ブレーキ掛かっちゃったから(笑)。お客さんもしっかり曲を聴いてくれるようになったな、前より。

JESSE:そうだね、ただ暴れるだけじゃなくて。

茂木:メッセージもしっかり聴いてくれるし。言ったらバンドなんて、どこまで行っても人気商売だから。選ばれてナンボだけど、悲しいことに俺たちはお客さんを選べないんで。来たやつは全員仲間だと思って、"1回観たらもう離さねぇぞ!"って気持ちでぶっ込みたいし。そうやってやり続けてることが年輪になればいいと思うし、この歳になると程良いエモさを纏ってると思うんだよね。これがあと30年くらいやっちゃうと"イタい"になるかもしれないから、イタくならないように、ギリギリで前進していけたらいいなと思うし。"山人音楽祭"は異種格闘技みたいなフェスにしたいなって、いつも考えてて。

-あらゆるジャンルや世代が集まって、初めての人にも観てもらう機会があって。1度観たからには、もう離さないっていう。

JESSE:そうか。客を選べないってヤバいね、その考えはなかった。

茂木:基本、どんな人でもウェルカムだよ? フロアに立ってくれてる人が全く音楽に興味ない人だろうが、おじいさんおばあさんだろうが、犬だろうが観てくれたら嬉しいわけでさ。それを俺らからは選べないっていうのは絶対的なルールで、"だったら選べないやつまで魅了してやるから。分かってくれてるやつは一旦黙っててくれ"って(笑)。

JESSE:間違いない(笑)。今聞いてて、俺の興奮ポイントってそこかも? と思った。

茂木:きっとそうなんだよ。"顔見えてるから分かってる、お前は仲間だ! お前とは分かり合ってるし、何言っても大丈夫"って。

JESSE:もちろんそいつらも大事だけど、そうじゃないやつらも魅了したいよね。

茂木:させたい! その気持ちは尽きないよ、ずっと。

-そういう意味でも"フェスに来るのが初めて"という地元の人も多いであろう"山人音楽祭"なんて絶好の場ですよね。

JESSE:俺だって"山人音楽祭"は初参加ですからね。ポジティブ・ヴァイブス流しますよ!

-では、最後にそれぞれ"山人音楽祭"への意気込みを聞かせてください。

JESSE:俺はもう27年もRIZEをやってて、The BONEZも11年目になったにもかかわらず、自分で主催のフェスがどんだけ面倒臭いかを知ってて、手を出せずにいるんですけど。"そんな面倒臭いことをやる理由ってなんなんだろう?"ってずっと探してて、それぞれ地元ってところがあって、その地元に火をつけたいって気持ちから、ちっちゃなロウソクの火だったのが徐々に消えない火になっていって。あと何回続けられるか分からないけど、この火が消えない限りはずっと続けていきたいって気持ちがあるからだろうと思ってるんで、群馬での消したくない火を、俺がもうちょっと強くできればいいなと。そのためには声をなくしに行くんで、打ち上げで喋り倒したくなるような日になればいいなと思っています。

茂木:そうだね。"男鹿フェス"ほどのことはできねぇけど、いっぱい話してぇな。俺は"山人音楽祭"をやる上での大きなモチベーションの1つが、G-FREAK FACTORYというバンドを地元でやってきたこと、やってこれたことの正解の1つをどうやって作るかってことで。今もそのためだったら、なんだってできるなと思ってるんですが。東京に一点集中だった音楽メディアみたいなものがずっと続いて、"東京に行かないと何も始まらないな"と思ってたんだけど、アメリカに行くとローカリズムや選民意識をみんな持ってて、自分の生まれた土地を誰よりも大事にするし、そういう自分に誇りを持っていて。アメリカに行って、日本人というコンプレックスも持ったし、同じように群馬の人たちが持ってるコンプレックスもあるけど、それを全部プライドに変えられたらいいなってところから始めて、ここまで活動してきたことを、バンド生涯をかけて正解にしていくことで、この土地にまたバンドが生まれて。そいつらがまた強いものを作っていってくれると信じてるし、そういうサイクルの中のギアの1つとして自分がいたいなっていうのが群馬に対して思うことなんで。JESSEは"フェスがどんだけ面倒臭いか"って言ったけど、それに関しては俺、全然面倒臭くないからやれちゃうし、確かに大変なことは超多いけど、ライヴが終わるといつも涙が溢れてきて。安堵感と"やれたんだ"って喜びと、"ここはこうだったな"って悔しさと、全部含めた涙が自然と出ちゃうのよ。そうすると"誰よりも燃えてやろう"ってまた思えるし、そんな場所にこうやって素敵な仲間が出てくれるのは本当にありがたい話で。みんなとんでもねぇライヴをするだろうから、クロージング・アクトでそれを超えていくっていうハードルも自分で課して、全てを乗り越えて行ける2日間であったらいいなと思っています。

EVENT INFORMATION
"山人音楽祭 2024"

9月21日(土)、22日(日)群馬 日本トーター グリーンドーム前橋
OPEN 9:30 / START 11:00

■9月21日(土)出演者
アイカワヒトミ / 打首獄門同好会 / Age Factory / ENTH /
おとぼけビ~バ~ / ザ・クロマニヨンズ / 佐藤タイジ / サンボマスター / G-FREAK FACTORY /
SIX LOUNGE / 上州弾語組合 / Dragon Ash / HAWAIIAN6 / FOMARE / プッシュプルポット /
The BONEZ / MAN WITH A MISSION / MOROHA / ゆってぃ&バリ3TV / 山人MCバトル

■9月22日(日)出演者
KUZIRA / G-FREAK FACTORY / SHADOWS / SHANK / 上州弾語組合 /
四星球 / SCAFULL KING / 高木ブー / DJダイノジ / TETORA / 10-FEET /
NakamuraEmi / HUSKING BEE / バックドロップシンデレラ / ハルカミライ /
THE FOREVER YOUNG / ザ・ボヤキングス / ライブゾーン(TOSHI-LOW&茂木洋晃) /
LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS / ROTTENGRAFFTY

[チケット]
2日券 ¥17,000 / 1日券 ¥8,800(税込)
■一般発売中
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