INTERVIEW
神使轟く、激情の如く。× G-FREAK FACTORY
2023.02.14UPDATE
2023年02月号掲載
神使轟く、激情の如く。:実久里ことの 生牡蠣いもこ 涙染あまね 三笠エヴァ 二日よいこ TiNA
G-FREAK FACTORY:茂木 洋晃(Vo) 原田 季征(Gt) 吉橋 伸之(Ba)
Interviewer:宮﨑 大樹 Photographer:濱谷 幸江
-今日は三笠さん以外にも神激メンバーからの質問が用意されているので、それぞれ聞いていきたいと思います。
ことの:セトリやライヴ構成を考える際に、大切にしていることなど知りたいです。
茂木:なんとなく、ここでこういう画にしたい、みたいなのはいつも考えているかな。
原田:ヴォーカルの視点と楽器隊の視点は違うと思っていて。ヴォーカルだからこそ見えている画みたいなものは大事にしたい。
吉橋:あとは、うちのバンドで言うと核になる曲があるから、そこをライヴのどこに持ってくるかによってライヴの雰囲気ががらりと変わる。この曲をここに持ってくるんだったら、そこまでにどういう流れにしようかとか、そういうのは考えてるかな。
ことの:みなさんで相談して作っていくんですか?
吉橋:基本はふたり(吉橋&茂木)ですね。ベースを俺が考えて、どう? って。
茂木:そうそう。曲順はリーダー(ことの)が考えるの?
ことの:セトリはチームで決めて、うちらはそこのストーリーを考えています。
エヴァ:大事なライヴとかワンマンとかだと、作曲もしてくださっているマニピュレーターさんが組んでくださることが多くて。だから客観的に組めている感じはありますね。
ことの:あとは、たまにメンバー・プロデュース・ライヴがあって、そのときはそのメンバーがセトリを作るんです。例えば、よいこがこういう想いを込めてこういう曲順にしました、とか。
よいこ:メンバーによって、例えばTiNAだったら明るい曲を組み合わせたり、激しい曲が好きなメンバーだったらゴリゴリのセトリになったり、そういうふうになります。
-あまねさんもライヴに関する話が聞きたいそうで。
あまね:ライヴ前後に必ず行っている、欠かせないルーティンなどあればおうかがいしたいです。
茂木:いっぱいある。まず鼻シュッシュをやる。鼻を通すために、"エアー®サロンパス®"を手にプシュってやって、鼻の中に。
神激一同:えぇー!?
茂木:お前らヴォーカルだろ? やってみ? 口でブレスをやってるとどんどん疲れるから、鼻で抜けるようにインプットをするわけ。粘膜は壊れるけど(笑)。
TiNA:意識を鼻に持っていくみたいなことですかね?
茂木:そうかも。でもそれも無意識になる。で、それがなかったら、やべぇライヴできねぇって思う(笑)。
原田:栄養ドリンクとかもでしょ?
茂木:栄養ドリンクはもうやめた。逆にルーティンはある?
あまね:自分は"レッドブル"を必ず......(笑)。カフェインばっかり摂るんですよね。なので"エアー®サロンパス®"に替えてみます(笑)。
-楽器隊としてのルーティンも聞いてみたいです。
吉橋:最近はルーティンをやめるようにしていて。"レッドブル"を飲むとか、ベースの運指をやるとか、そういうのをやると余計緊張するようになっちゃったから。ライヴ前の緊張が一時期おかしいぐらいまで行っちゃったんです。それでやっていることを逆に全部やめて、何もしないようにしてから少し楽になって。
いもこ:それ、ちょっとわかります。1個欠けても不安になっちゃう。
吉橋:そうそう。やることがどんどん増えていくだけになるから。リハが終わったらベースをまったく触らないで本番というのが最近多くなってきた。
原田:真逆ですね。めっちゃ触ってます。あとルーティンとしてはこれ(指回し)ですね。これを必ずやらないと気が済まない。
(※しばらくみんなで指回し)
-他の質問として多かったのは、続けることについてです。
いもこ:自分たちは活動を始めてから5年経ったんですけど、死ぬまで続けたいと本気で思ってやっていて。長く続けるコツがあれば教えていただきたいです。
茂木:逆にやめるコツを教えてもらいたいね。やめて幸せになってるやつもすごくいるもん。やめるチャンスを逃したと言ったほうが正解なのかな。俺たちは25年やってきて、"続けることってすごいですね"と言われるんだけど、25年やってきた実感もないし、続けようと思って続けてきたわけじゃないんだよ。暗礁に乗り上げるような危機はいっぱいあったけど、結果的に今やれているということを噛み締めながらやっていて。昔の"何がなんでも這い上がってやる"みたいなものではない、もうちょっと違う質感の続ける理由みたいなものが出てきたかな。コツではないと思うけど、続けるコツを考える時間はもう過ぎたというか。女の子が6人いたら、例えば結婚や妊娠をしたときのこととか、俺たちよりもリスクが多いと思うんだよね。そのなかで、ふたり欠けてもそのふたりを待ちながら4人で回せるのかとか、すごく現実的な話で。そこさえ決めていたら、あとはもう進んでいくだけでいいじゃない? きっと続くと思う。
いもこ:今のところ予定がありそうな人は誰もいないんですけど(笑)、考えてみると、いつかはあるのかもしれないですね。
吉橋:俺らもメンバーがやめることはありつつだし、ぶっちゃけ俺も1回やめてるし。それで戻ってやっているから、そのままでいいんじゃないかな。正直悩むときもあるだろうけど、普通にやっていればいいと思う。
-前回の座談会(2023年1月号掲載)の話ですけど、神激はハングリー精神や上昇志向が強い反面、音楽をライフワークにするという思考が薄いのかも、という話が出ていましたよね。
茂木:でもハングリー精神は絶対なきゃダメ。俺は今でもハングリー精神があるんだけど、そのハングリー精神が馴染んできて、違和感なく、無理をしていない状態になっているというか。
-それが当たり前になっている状態。
茂木:そうそう。
エヴァ:今はハングリー精神が糧なんです。悔しいとか、もっとやりたい、もっと認められたいという気持ちがやる気に変わっていく段階で。ライフワークにしていこうとこの段階で思ったら、それが果たして今のファンに響くのかな? って思う部分もありますね。まだ5周年なので、本当に何くそ何くそで、将来とか何も考えられない。
茂木:それ以外の何でもないよ。それでいいんだよ。
吉橋:俺らが5周年のときも絶対そうだった。
原田:未だに悔しい思いするもんね。
-5周年の今はこのままでも良さそうですね。このハングリー精神のままで。
原田:いいと思う。
茂木:行っちゃえよ!
-よいこさんは、20代のころにやっておけば良かったということがあるかを聞きたいそうで。
よいこ:最近先輩の方と話すときに、20代で得た知見みたいな、"学生のときに旅行は行っとけよ"みたいな、そういうアドバイスを受けるのにハマっていて。人生を経験してきて、このときはこうすれば良かったと思っていることって、1回考えるべきことだと思うんです。
茂木:偉いね。俺は"黙ってろじじい!"って思ってた(笑)。みんなは生まれながらにしてパソコンとかあったわけでしょ? 俺らのときはテレビが第1媒体で、新聞も週刊誌も愛されていたけど、生まれながらにして携帯とかスマホとかパソコンを持っている世代って、もう全然違う生き物だと思っていて。
原田:何かを知ることへのスピード感がすごいんだよね。例えば俺は、この曲をギターで弾けるようになりたいって思ったら、ツールがないから耳で聴くしかなかった。目標があってそこへ行きたいとなったときに、自分ではがむしゃらに向かっているつもりが、まったく全然違う方向に行っていたりして。で、そこで費やした時間が今になって返ってきている。でも、その目標には未だに辿り着いていないという(苦笑)。今はそんなことを言っている時代じゃないから。
吉橋:それが良かったか悪かったかはたぶん別だと思うし、今の人たちにそれをやれって言うのも違うと思うんです。ひたすらやってもたぶんプラスにはならないし、時間がもったいない。
原田:今の人は今のやり方で向かっていけばいいと思う。
茂木:他に何かある? 20代は何やってたの?
吉橋:20代はバンドしかやってない(笑)。ツアーを回って、テントを張って公園に泊まって。
原田:機材車の中が最終的に釣竿と調味料で(笑)。で、それはツアーをテントで回りなさいってこと(笑)?
吉橋:違う(笑)。それを押しつけるのは全然違うと思うけど、それはそれで良かったし、自分のためにもなってる。
茂木:でも、キャンプはありかも。考えるし、火を囲むからメンバーのグルーヴも出るしさ。
エヴァ:いいですね。神激もジーフリさんリスペクトでキャンプ企画?
ことの:やりたい。火を囲んだトークっていいですね。