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LIVE REPORT

"LOUD PARK"

2023.03.26 @幕張メッセ

Writer : 米沢 彰 ©LOUD PARK All Rights Reserved.


Jason Richardson & Luke Holland

朝10時台というメタラーにとっては夜明け前に匹敵するキツい時間帯ながら、Phantom Excaliver、BRIDEARの2組がO.A.として会場を盛り上げ、限定復活となった"LOUD PARK"の幕が上がる。人類史上最も難しい楽曲の部類に入るであろう「Tendinitis」で口火を切ったJason Richardson & Luke Holland。ド頭からアクセル全開で、同期を駆使しながらとはいえ、このステージをわずかふたりでやってのけるのだから恐ろしい。リア・ピックアップを使いながら、リフのように速弾きを連発するスタイルのJasonのサウンドはどうしてもLukeのキックに埋もれがちになってしまうが、そこは本人のパフォーマンスとPAの修正により後半にかけて音もはっきりとしてきて、エグいレベルのパフォーマンスが浮き彫りになっていった。


H.E.R.O.

"ULTIMATE Stage"へと舞台は移り、H.E.R.O.のChristoffer Stjerneが発するハイトーンが幕張メッセ内に響き渡る。ミドル・テンポを主体とした曲の作りがフェスにとても向いていて、オーディエンスもゆったりと身体を揺らし、気持ち良く楽しんでいるのが伝わってくる。バンドがあえて煽らずとも最前から後ろまで手拍子が広がり、とても自然な流れで一体感が生み出されていく。次にフェスで来るときはもっと後ろの時間帯で観ることになるかもしれない。バンドとしての器の大きさを感じさせるステージだった。


OUTRAGE

続いては本編唯一の日本勢、OUTRAGE。スタートから100パーセント以上のパフォーマンスを振り絞り、冒頭から全開全力のアグレッションで"BIG ROCK Stage"のヴォルテージを一気に上げていく。バンドのテンションに当てられたように、フロアにはサークル・ピットも出現。"朝イチで観たトゲトゲ頭"(Kacchang/Phantom Excaliver/Vo)もサークルにいた気がするけど、そこは見なかったことにして......。丹下眞也の圧倒的にパワフルなドラム・ワーク、安井義博の地面ごと震わせるようなベース、ワウを駆使してエモーショナルに弾き切る阿部洋介のギターに、熱いヴォーカル・ワークでオーディエンスを沸かせる橋本直樹。バラード曲「Summer rain」でエモさに振り切ったあとは「MY FINAL DAY」、「MEGALOMANIA」と往年の名曲で締めくくった。


BLEED FROM WITHIN

無茶苦茶タイトなプレイを繰り広げ、極限まで絞り上げたアスリートみたいな精度のサウンドをぶつけてくるBLEED FROM WITHINを観ながら"ライヴではっきりと見えてくる良さってあるよね"と改めて考える。その原動力は、Ali Richardsonの正確でパワフル且つリズム感に溢れたドラム・ワークだろう。"また日本に戻ってこれて良かった"と、2019年の初来日以来の再訪を感慨深く語る彼らから、改めて大型フェスが再開できたことの尊さを再確認させられる。


AMARANTHE

続いてElize Rydが切り裂くようなハイトーン・ヴォイスで"LOUD PARK!"と叫びAMARANTHEのステージがスタート。Henrik "GG6" Englund Wilhelmsson(Vo)の脱退を受けて、今回の来日をサポートしたのはLOST SOCIETYのSamy Elbanna。Elize、Nils Molinというラスボス級のふたりの絶対的なヴォーカル・ワークにSamyのスクリームが切り込んでくる編成は本当にズルい。終始圧巻のスケールで魅了し続けた。