DISC REVIEW
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昨年、アンクリーン・ヴォーカルを担当する新メンバー Mikael Sehlinの加入が発表され、新体制で制作されたAMARANTHEの7thアルバム。しかし、新体制で表面上大きく変わるものはなく、そもそもAMARANTHEというバンド自体がデビュー当時から革新的だったので、変に方向性を変えたり、メンバー・チェンジによるリフレッシュを図らなくても、実直にバンドの個性を磨き続けるだけで作品が輝くのだ。今作では、SFっぽいダイナミックなシンセ・サウンドなど、全体的によりシアトリカルにシンフォニックにパワー・アップした楽曲にワクワクするようなギミックが満載。アッパーな楽曲、パワフルなミドル・テンポのナンバーなど、クリーン・ヴォーカルも曲ごとに雰囲気を変え表情豊かに表現され、より没入感のある世界観を作り出している。また、混声ヴォーカルと同じくAMARANTHEサウンドの要であるOlof Mörck(Gt/Key)を中心としたバンド・アンサンブルは、激しさと華やかさにより磨きをかけた印象だ。日本盤ボーナス・トラックは、スウェーデンの国民的デュオ ROXETTEのカバーや、お洒落なアコースティック版、豪華なオーケストラ・アレンジなど5曲を収録。新鮮なアレンジに驚く内容なので、ぜひこちらもチェックしてほしい。 山本 真由