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INTERVIEW

AMARANTHE

2018.10.18UPDATE

2018年10月号掲載

AMARANTHE

メンバー:Olof Mörck(Gt/Key)

インタビュアー:山本 真由

昨年、オリジナル・メンバーでバンドの代名詞でもあるトリプル・ヴォーカルの一角を担っていたJake Eが脱退したAMARANTHE。その後、新メンバーとしてNils Molinが加入し、新体制初となるアルバム『Helix』がリリースされる。Jake脱退のニュースはショッキングだったが、アルバムのリリースに先駆け、新曲のミュージック・ビデオが公開されると、Nilsのヴォーカルが、あまりに彼らの楽曲にマッチしていることに驚きと喜びを感じたファンも多いだろう。新体制というだけでなく、音楽性としてもより深く斬り込んだ作品となった今作を完成させたOlof Mörckに、現在のバンドの充実ぶりと楽曲制作への飽くなき探求心について語ってもらった。

-前作『Maximalism』(2016年リリースの4thアルバム)のリリース以降、オリジナル・メンバーのひとりであったJake E(Vo)が脱退するというショッキングなニュースもありましたが、新ヴォーカリストのNils Molinの加入が決まるまでの数ヶ月は、どのように活動していたのでしょうか?

その数ヶ月の間、もうすでにNilsの加入が決まっていたので、発表を待つだけだったんだ。これは、あまりすぐに発表したくなかったからタイミングを見計らった。彼の加入を正式に発表したのが2017年の7月だったんだけど、もうその1年前に"加入することを決めた"って話してくれていたんだ。実はかなり長い間このことについて考えていたし、話し合っていた。Jakeのように家族同様のメンバーがバンドを脱退したから、単に彼の代わりになる人ではなく才能があって、Jakeのクローンではなく独自のスタイルがあって、なおかつ相性がいいヴォーカリストじゃないといけないと思った。NilsだけでなくSMASH INTO PIECESのChris Adam(Chris Adam Hedman Sörbye/Vo)とも話したし、他にも数人にアプローチしたんだ。とりあえずNilsにはライヴにゲスト参加してもらって、トライアルにしてもらったんだけど、彼のヴォーカルがすごく、すごく、すごく良かった。ヨーテボリとスウェーデンのもう1ヶ所でのライヴに参加してもらったんだけど、もうずっとバンドにいたような感覚で相性が申し分なかったんだ。彼とは前から友達だったし、彼が加入したら居心地いいと思って決めたよ。

-Nilsは、AMARANTHEと同じくスウェーデンのメタル・バンド、DYNAZTYのメンバーとしても活躍する大変歌唱力の高いヴォーカリストですが、彼がAMARANTHEの新メンバー候補として挙がった経緯を教えてください。

そう、今でもDYNAZTYのメンバーだけど、彼と知り合ったのは一緒にツアーしたからなんだ。たしか2012年に行ったイギリスでのライヴ(2012年5月22日開催)からだった。あれからすごく仲良しになったというわけではないけど、ずっと連絡を取ったりしていたんだ。

-そんなメンバー・チェンジを経て、5作目となるニュー・アルバム『Helix』がリリースされるわけですが、今作の制作にはいつごろから着手していたのでしょうか? また、制作は順調でしたか?

今年の1月5日から曲作りを始めて、スタジオに入ったのは3月5日からだよ。曲作りに集中して、アルバムのレコーディングでも集中して、春までに終わらせるか、途中でツアーに出てレコーディングを今(秋)からやるかっていうふたつの選択があって。もし今からのレコーディングだったら、アルバムのリリースが2019年になる。だったら、集中して先に全部終えて、万が一何かトラブルがあったり、気に入らない部分があったりしたら、リリースを先に延ばせいいと考えたんだ。実際、Elize(Elize Ryd/Vo)と曲作りに入るとどんどん溢れるように曲ができて、必要以上にマテリアルが揃ってしまった。

-前ヴォーカリストのJakeはソングライティングにも関わり、主に作詞を担当していたようですが、今作でソングライティングのプロセスに変化はありましたか? Nilsも楽曲制作に関わっているのでしょうか?

そのとおりで、これまでJakeはメインで歌詞を書いていたけど、前作ではElizeと俺でかなりの量の歌詞を手掛けたんだ。音楽に関しても、Jakeは曲作りに携わっていたけど、Elizeと俺でも曲作りをしていた。でも3人共同で曲作りをしたことがなかった。Jakeと俺か、Elizeと俺かの作業だった。「Drop Dead Cynical」(2014年リリースの3rdアルバム『Massive Addictive』収録曲)、「The Nexus」(2013年リリースの2ndアルバム表題曲)、「1.000.000 Lightyears」(2011年リリースの1stアルバム『Amaranthe』収録曲)など、AMARANTHEの名曲はElizeと一緒に作ったものなんだ。「Hunger」や「Amaranthine」(『Amaranthe』収録曲)、そして他の名曲はJakeと俺が作っている。今作で、Jakeが去ってもElizeとふたりでAMARANTHEらしい名曲を生み出せることは証明できたし、確信も持てた。それで質問に戻るけど、まだNilsに曲作りに参加してもらうには早いと思って、今回は携わってもらってないんだ。将来的にはもちろんチームとして何か作りたいし、可能性も大だけど、正直言って今回はAMARANTHEのサウンドに忠実でいたかったので、今の段階で入れてしまうのはリスクが大きいと思った。それに新入りの彼も加入していきなりバンドのサウンドを変えたいと思わないはず。この先はもちろん一緒に成長していきたいと考えているよ。

-前作は、"多様性"というのがひとつのテーマにもなっていたようですが、今作も多彩な楽曲が揃ったアルバムになりましたね。今作の制作にあたっては、どのようなテーマや目標があったのでしょうか?

前作は、たしかに多様性に集中していたけれど、今作は完成度の高い作品にしたかった。キーボードやデジタル・サウンドに集中してポップ要素を取り入れようと思ったんだ。そして、より爆発的な活気溢れる音を追求した。"もっとテクニカルなリフ、もっとテクニカルなドラム、もっとスピードのある曲"が目標だったんだよ。もちろん過去にやった音楽を基本にちょっと捻りを効かせたやり方で取り組もうと考えたんだ。

-アルバムのタイトルは"Helix(螺旋)"という物語性のありそうなワードですが、このタイトルを選んだ理由は?

前作と前々作(『Massive Addictive』)のアルバム・タイトルはわりとダイレクトで、見ればすぐに意味がわかるものだった。"どんな意味?"と聞かなくてもいいくらいすぐにわかる。今回はタイトルを見て、その言葉の中にもちょっとしたストーリーが含まれている感じを求めていたんだ。ちょっとしたフィーリングがあるような。この"Helix"のひとつの解釈を紹介するとしたら、DNA分子の螺旋状の構造を意味する。俺たちにとって本当のDNAを発見したかった。つまり、AMARANTHEのサウンドの中核。このアルバムではそれを見つけることに成功しているんだ。1stアルバムから試みてなかったような要素とかも今回はやっているので、『Helix』はAMARANTHEのDNAだって言ってもいいと思う。

-今作も、1stアルバムから一貫してAMARANTHEのアルバムを手掛けているJacob Hansenによるプロデュースですが、彼はバンドにとってどんな存在ですか?

Jacobと初めて一緒に仕事をしたのは俺の別のバンド、NIGHTRAGE(※2007年から2013年まで所属)のときだった。彼は卓越したプロデューサーというだけではなく、ミキシングやプロダクション、エンジニアリングの知識もずば抜けている。さらに、彼は素晴らしいミュージシャンでもあり、ソングライティングの概念もしっかり理解しているんだよ。例えば、デモを聴かせるとすぐに様々なアイディアが浮かんで、制作方法やエンジニアリングについてその場で浮かぶらしいんだ。俺たちがわざわざミーティングをして説明しなくても彼には求めている音もわかっているし、方向性も見えている。これは時間的にも労力的にもエネルギー的にも楽で、本当に助かるし、ここまで理解してくれる人は他にいないと思う。俺たちの今までのミュージシャンとしての歴史にはずっと彼がいたし、家族のような存在なんだ。

-また、今作でもOlofは共同プロデュースというかたちで関わっているのでしょうか? 別バンドのDRAGONLANDや、他のアーティストの作品にプレイヤーやコンポーザーとして参加するなど多忙ななか、AMARANTHEの作品をコンスタントにリリースできる理由はどういうところだと思いますか?

そう、共同プロデュースをしているよ。だけどElizeともその共同プロデュースの役割を共有しているんだ。アルバム完成のヴィジョンを抱き、方向性もわかってないといけないと思うので、これはふたりで一緒にやっている。俺はサウンドのみならず、レコーディングのプロセスまで、すべてに携わりたい。例えばMorten(Morten Løwe Sørensen/Dr)がドラムのレコーディングをしているときや、NilsとHenrik(Henrik Englund Wilhelmsson/Screams)がヴォーカルのレコーディグしているとき、そこにいて監修をしている。キーボードとギターのレコーディングを終えても数ヶ月間、アルバム制作が終わるまでスタジオにはずっといるようにしている。今回はElizeもそうしてくれたので良かったよ。そして、コンスタントにリリースできる理由は、ほとんど寝てないから(笑)。AMARANTHEはすごく多産なバンドだと思う。1stアルバムを2011年にリリースして、今2018年でもう5作目を作り終えた。それは俺たちが好きな仕事のかたちなんだと思う。このバンドは特に自分たちがやっている音楽に夢中だから、本当に苦だと思ったことがないんだ。1年半のツアーを終えたときが、ソングライティングの気分になるときなんだよ。誰も俺たちを急がせたり、押したりしてないんだ。数週間休んでもいいのに、頭の中はもう新しい曲でいっぱいになっている。もう身体がそうなっていて、ツアーが終わったときは無性に曲作りがしたくなるんだ。"やらなきゃいけない"っていうよりも、"やりたい"って気持ちだな。