FEATURE
AMARANTHE
2013.03.13UPDATE
Writer 沖 さやこ
BIOGRAPHY
Elize(Vo)、Jake(Vo)、Olof(Gt/Key)、Andy(Vo)、Morten(Dr)、Johan(Ba)の6人からなるスウェーデン出身のメロディック・デス・メタル・バンド。ElizeとJakeの男女クリーン・ヴォーカルとAndyのデス・ヴォイスをフィーチャーしたトリプル・ヴォーカル・スタイルが特徴。2011年6月に1stフル・アルバム『Amaranthe』をリリース。様々なグループで活躍してきたメンバーが集結したという話題性だけではなく、キャッチーでありながら攻める3人のヴォーカル・ワークと、エレクトロの影響を受けたハイブリッド・メタルという楽曲の完成度の高さで、デビュー・アルバムでありながらスマッシュ・ヒットを記録する。同年7月に原宿ASTRO HALLにて開催された初来日公演は、国内盤リリース前に即ソールド・アウト。LOUD PARK 11にも出演し、ここ日本でも大きな話題を呼んだ。
2011年に彗星の如くシーンに出現した、スウェーデンの新星AMARANTHE。ElizeとJakeの男女クリーン・ヴォーカルとAndyのグロウルというトリプル・ヴォーカルが個性的な6人組だ。そのスタイルは美しい旋律とハーモニーを際立たせ、エレクトロの影響を受けたハイブリッド・メタルという2010年代らしい洗練されたサウンドを確立。デビュー・アルバム『Amaranthe』はヒットを記録し、原宿ASTRO HALLでの初来日公演をソールド・アウトさせるなどここ日本でも非常に期待度の高いバンドだ。そんなAMATRANTHEが待望の2ndフル・アルバムをとうとうリリースする。タイトルは『The Nexus』。
『Amaranthe』をリリースした後、バンドは数多くのツアーやフェスへの出演。数々の経験と2年弱という歳月はAMARANTHEならではの色をより濃く際立たせた。それを証明するのがこの『The Nexus』というアルバムだ。まず1番目と耳を引くトリプル・ヴォーカル。美しいElizeとJakeコーラス・ワークとそこに絡むAndyのスクリームというバランスは1stでも立証済みであるが、今作は3人のヴォーカルがより複雑に絡み合い、以前よりも多角的なアプローチを展開する。そして一際輝くのが紅一点メンバーであるElizeのヴォーカルだ。1stよりもヴォーカルに躍動感があり、1曲の中でも歌い方や声の出し方を変えるなど、遊び心溢れる多様な表現も耳を引く。AMARANTHEならではの繊細でありながらキャッチーなメロディとの結びつきは彼女のヴォーカリゼーションにより以前に増して強固になっていると言っていいだろう。
その表現の振り幅はヴォーカルだけではなく、サウンドにも言える。Track.1「Afterlife」は1stのTrack.1と同じく高速のヘヴィ・メタル・リフで幕を開けるが、その後の展開は1st以上に様々なギミックが効いており、ひとつひとつの楽器の音を辿るだけでも面白い。そしてオケの全てが、3人のヴォーカルを雄大に包み込む。それは、うわもの楽器であるギターとキーボードを操るOlofの手腕が大きな要因となっている。ヴォーカルが鳴る場ではしっかりとメロディを支え、そこからスマートにダイナミックなギター・ソロへと繋ぐ鮮やかさは楽曲の持つパワーをより生々しく映し出す。そんな華やかな音色たちを持ち上げるのが、硬質でヘヴィなMortenとJohanのリズム隊だ。ぶれずに強く刻まれるこの強固な地盤があるからこそ、ヴォーカルとギターとキーボードは美しく舞うことが出来る。『The Nexus』はバンド間の絆を深め、かつ6人全員が更にAMARANTHEの持つ特質を引き出した、まさに進化の結晶体なのだ。
バンドは、3月からフィンランドのメロディック・メタル・レジェンドであるSTRATOVARIUSと共にヨーロッパ・ツアーを回り、夏にはSweden Rock 2013やTuska Open Airなど、いくつかのヨーロッパのフェスティバルに出演することが決定している。5月には渋谷CLUB QUAATTROと梅田CLUB QUATTROにて再来日公演が行われる。音を鳴らせば鳴らすほど高みへ上るAMARANTHEの最新サウンドを体感しよう。
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