INTERVIEW
OUTRAGE
2009.11.11UPDATE
2013年06月号掲載
Member:丹下眞也(Dr)
Interviewer:ムラオカ
【OUTRAGE Biography】
82年に阿部洋介(Gt)、安井義博(Ba)、丹下真也(Dr)、伊藤千豊(Vo)の4人により名古屋で結成、87年ミニ・アルバム『OUTRAGE』でデビュー。86年に伊藤が脱退、橋本直樹が加入しラインナップが固まる。『驚異の18歳バンド現る』と称され'88年アルバム『BLACK CLOUDS』でメジャー・デビュー。90年 3rd『THE GREAT BLUE』の頃からファンの中では"OUTRAGE別格論"が登場。91年4th『THE FINAL DAY』はOUTRAGEの代表的作品となりファイナルの川崎クラブチッタ公演にはKERRANG! を始めとする世界中のプレス、マネージメント、レコード業界関係者が集まった。92年PANTERAの初来日公演のサポートも務める。95年6th『LIFE UNTIL DEAF』においてはスラッシュ・コア、へヴィ・ミュージックなどすべてを内包したサウンドが当時盛り上がりを見せていたコア・シーンからもリスペクトを受ける。97年7th『WHO WE ARE』をリリース後橋本が脱退。バンドは自身のレーベル30min Recordsを立ち上げ、後任ヴォーカルを迎えずに3ピースで活動を続ける。そして07年、デビュー20周年を記念して橋本直樹を迎えたラインナップで期間限定活動をスタート、10月のLOUDPARKでも大絶賛を得た。そして08年橋本直樹の完全復帰がアナウンス、そして4人のラインナップとしては97年『WHO WE ARE』以来の新作『OUTRAGE』のリリースにいたる。
-LOUDPARKお疲れ様でした。
二年ぶりのLOUDPARK出演でしたがいかがでしたか?
正直緊張しましたね。当日よりも近づいていく過程で緊張していくといった感じです。LOUDPARK当日よりも緊張しましたね。LOUDPARKの少し前に四日市の方でシークレット・ライヴをやった位で、それ以外にほとんどやっていなかったですし、直前までニュー・アルバムのレコーディングをやっていたので、ドラムの練習自体ほとんどやっていなかったので緊張しました。お客さんに助けられた感じですね。
-丹下さんだけでなくメンバーみんな緊張されていたんでしょうか?
他のメンバーとはそういうことをあまり話さないので、実際のところは分からないですけど、ギターの洋介(阿部洋介)は緊張したみたいなことを言ってましたね。"失敗しても笑って済ませば良いじゃん"って言ったら、"いやそういう性格じゃないから失敗できない"というようなことを言っていました。
-前回が橋本氏の期間限定ライヴだったので同じLOUDPARK出演でもライヴに臨む気持ちはだいぶ異なっていたのではないでしょうか?
正式加入してアルバムを出しますという前提で出演するのと、今後のことが分からない状況でお祭り感覚で出演するのとでは見ている側の意識が異なったんじゃないですかね。
やっている側としてはビック・フェスということで頑張ろうって言う意気込みとしては変わらなかったのですが。
-今回はお客さんも一歩踏み込んで今後のOUTRAGEも含めて観ていたということでしょうね。
はい。僕たちもOUTRAGEのファンだけでなくそれ以外のファンにもアピールしていきたいなという気持ちはより大きくなりましたね。前回は今後のことが全く見えない状況で出ているので無欲な心境でしたが、今回はニュー・アルバムを聴いて欲しいですし、そういう意味では異なりましたね。
-『OUTRAGE』から先行で「RISE」を演奏しましたが、ステージから見る観客の反応はいかがでしたか?
みんなが知らない曲なのでパッとのれるとは思わないですけど、アルバムの中でも一番キャッチーな曲なのであえてこの曲を選びました。ニュー・アルバムから「RISE」一曲のみの演奏だったかということを良く聞かれるのですが、知らない曲をだらだらと何曲もやるのもあまり効果的ではないだろうと、アルバムの方向性が分かる曲を一曲だけやれば、どういうバンド、どういうアルバムだって言うのがみんなに伝わるだろうということであえて一曲のみの披露にしました。
-橋本氏の関わった作品としては、12年ぶりとなるアルバムである『OUTRAGE』が完成しましたね。出来としては納得のいくものとなりましたか?
正直言えば、自分のことなんで納得行くって事はないですね。納得いってしまったら、終わってしまうと思うんですね。自分のプレイに関してももう少しこうしたら良かったなというのは絶対出てきてしまうんですよね。ただ凄く冷静に聴くことができたアルバムですね。今まではこんなことがなくて、今回レコーディングのときにタイトなスケジュールだったのでスケジュール管理を僕がやろうと思って全作業をチェックしていたんですね。今までですと自分の出番が終わってしまうとあとはそれぞれのメンバーにお任せという感じだったのですが、今作では全作業をずっと見ていたんですが、見ているのが苦じゃないというのは今作が初めてだったんです。いつもですとミックスしているところを見ていても結局自分の粗が見えてきたりとか、曲に100%満足できていなかったりすると作業を見ているのも苦になるのですが、今回自分たちで作った曲を聴いていても、他のバンドの曲を聴いているような感覚で聴けたんですね。今まではこういう感じがあまりなかったんで、自分でもそれが何を表しているか分からないですが、とにかく不思議な感覚でしたね。
-全体のレコーディングはスムーズに進んだのでしょうか?
メンバーみんな時間がなかったので、だらっとした感じにならずに逆に集中してできましたね。
トラブルといえば初日なのですが、もともとトランジットに余裕がなく慌ただしい感じだったのですが、そこでトランジット前の飛行機の到着が遅れていたんですね。それなのに航空会社から何もアナウンスされていなかったので、あわてることなく普通にトランジットに行ったんですね。そうしたら飛行機がすでに飛んでしまっていて乗り遅れてしまったんですよ。結局は荷物も載せかえる時間がないくらいだったんですよ。ですからギターなどの機材も到着しなくて、初日朝からレコーディングする計画だったのですが、機材が届くのが午後になってしまうということで、スタートからして半日遅れになってしまったということくらいですね。それ以外はスムーズに行きましたね。
ただヴォーカルだけは非常にタイトなスケジュールだったので心配ではありましたね。今作には歌入りの曲が9曲あるのですが、9曲を4日で録るということだったのですが、ヴォーカルだけはナマモノなので、一度枯れてしまったらアウトで翌日から録れないじゃないですか。そういう意味ではかなりの緊張感がありましたね。本人はプロデューサーが適切なアドバイスをくれたので楽に歌えたと言っていましたが、外から見ていると心配ではありましたね。