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INTERVIEW

OUTRAGE

2022.04.14UPDATE

2022年04月号掲載

OUTRAGE

メンバー:NAOKI(Vo)

インタビュアー:荒金 良介

名古屋の秘密兵器、OUTRAGEが今年デビュー35周年を迎える。その大きな節目に、ついにドキュメンタリー映画"鋼音色の空の彼方へ"が公開される! それに付随する形で、35周年アニバーサリー盤『SQUARE, TRIANGLE, CIRCLE & FUTURE』もリリース。メンバー自らセレクトした楽曲が収められ、映画内でも流れる新曲「Psycho flowers」、「Summer Rain」も追加した豪華盤だ。さらにDVDもついており、過去の秘蔵ライヴをたっぷり収録。OUTRAGEを知っている人も、これから聴いてみたい! という入門者にも必聴、必見の作品だ。今回はNAOKIに話を訊いた。


映画と現実がグルグルとループする感じが面白い


-まず今年デビュー35周年を迎えますね。

30周年のときは(NAOKIが)8年ほど不在の時期があったので、俺は22周年だなと思っていたんです。でも今回の35周年は自分が不在の8年間を含めて、OUTRAGEの活動として捉えられるようになったというか。

-そういうふうに気持ちが変化した理由は?

不在の8年間を長く感じていたけれど、もっと短い時間に感じられたのかな。20周年でOUTRAGEに参加したときに、あの8年間はまた歌うための準備期間だったなと考えられるようになったから。あのまま続けていたら、喉を潰していたかもしれないし。いろんな巡り合わせを考えると、あの8年間がなければ、今も歌えていなかったんだなと。

-そして、映画("鋼音色の空の彼方へ")がもうすぐ公開されます。2回観ましたが、1回目よりも2回目のほうがセリフの意味をより深く理解できるなど、とても楽しめました。橋本(NAOKI)さんはどんな感想を抱きましたか?

ちょっとコミカルな要素もあり、面白い映画だなと思いました。僕はOUTRAGEのシンガーだけど、観ている間にそれさえも忘れちゃって。途中で"あっ、俺たちを題材にやっているんだな"と。そう思ったときに俺たちのことを全然知らない人にも観てほしいし、あとあとにOUTRAGEというバンドの存在を知ったときに"実在するバンドなんだ"、"ある程度、本当のストーリーなんだ"って感じてもらえたらいいなと思います。友達にも"映画やるんだって?"と聞かれて、いや、俺たちの映画というよりモチーフ的にOUTRAGEが使われて、映画の中で映画を撮っていて......と説明すると、そのへんで"もういい!"と言われるんですけどね(笑)。映画と現実がグルグルとループする感じが面白いなと思います。

-ガチなメタル好きを納得させつつ、メタルとは無縁の人も楽しめるエンターテイメント性がありますよね。

俳優さんの中にヘヴィ・メタルに興味が湧いた人もいて、朝倉(みどり)さん役の女優の人(近藤久美子)も、普段からデニムやバンドTシャツを着て、ハードな音楽を聴くようになったみたいで(笑)。そういう話を聞くと、面白いですよね。"デトロイト・ロック・シティ"、"カメラを止めるな!"とか、ああいうコメディの要素もあるから、娯楽映画だなと。

-とはいえ、OUTRAGEのエピソードも盛り込まれているわけで。橋本さんの前身バンド、NIGHTMAREの名前も出てきます。この頃はどんな音楽性だったんですか?

MÖTLEY CRÜE的な音楽が全盛だったけど、NIGHTMAREはDEEP PURPLEとか、ジャパメタみたいな音楽性でした。で、僕もOUTRAGEは大好きで、彼らがライヴをやると観に行っていたし。対バンするときはまたあの面白いやつらと絡めるなと。みんなオーラがあったし、個性的でしたからね。16~17歳だったけど、ロック・スターっぽいなと思いましたよ。

-ヴォーカルとして誘われたときはどう思いました?

めちゃくちゃ嬉しかったし、ふたつ返事で"やるよ!"って。こいつらとやれば、メジャー・デビューできるし、有名になれるかもみたいな。可能性しか感じなかったです。趣味で音楽をやって終わるんじゃなく、俺は矢沢(永吉)さんみたいにバンドで成り上がりたい気持ちもあったから。

-橋本さんはOUTRAGE加入当初、前任の伊藤(千豊)さんのヴォーカル・スタイルを意識しました?

OUTRAGEのメンバー3人(阿部洋介(Gt)、安井義博(Ba)、丹下眞也(Dr)がMETALLICA大好きで。激しいけど、メロディを感じさせる歌がいいと言われて、そこは彼らが望むことを再現したかったから、James Hetfield(Vo/Gt)には大きな影響を受けました。だから、日本のMETALLICAと言われていたのは間違っていないし......でも僕の中で影響が色濃かったのはPaul Di'Anno(ex-IRON MAIDEN/Vo)とDavid Coverdale(WHITESNAKE/ex-DEEP PURPLE/Vo)ですね。

-つまり、当時はIRON MAIDENとWHITESNAKEを熱心に聴いていたと?

その通りです(笑)。声の出し方はそのふたりしか師匠がいなかったので、どうしてもその色が出ちゃうみたいな。あと、当時声をガラガラにしていたのはRATTのStephen Pearcy(Vo)がレコーディングに入る前に、ロックっぽい声を作るために喉を潰すと読んだんですよ。

-それを実践したんですか?

レコーディングでハードに歌って、声が枯れるのを待って、それから録音してました(笑)。ミニ・アルバム(1987年の『Outrage』)を出した頃は声がガラガラでも、喉が若いからこもらないんです。『BLIND TO REALITY』(1989年リリースの2ndアルバム)までは大丈夫でしたね。

-興味深いです。映画の話に戻しますが、PANTERAの来日公演のサポートをOUTRAGEが務めたのも大きなトピックで。居酒屋で"酒ボンバー"をやっている映像も出てきますよね。

"酒ボンバー"は一緒にやった(笑)! PANTERAのメンバーと"つぼ八"に飲みに行って、誰かが杯を生ビールのジョッキに沈めて......あれをやると、めちゃくちゃ酔っぱらうんですよ。あと、今回は脚本を手掛けてくれた成子(貴也)さんと打ち合わせを数回やったから、メンバーひとりひとりの特徴をよく掴んでいるなと。洋介の役もそっくりだし、4人の個性や性格が出ているなと思いました。

-個人的に橋本さん役の方(岡 陽介)は、本人に一番近い雰囲気が漂っているなと思いました。

あぁ、そうですか。試写会が終わったあと、よっちゃん(安井)もそう言ってた。映画の途中で彼がNAOKIにしか見えなかったと。

-橋本さんはどこかクールな佇まいで、自分の世界観があるイメージで。

僕はね、ただ自分に自信がなくて、恥ずかしがり屋なだけなんですよ。最近は誰とでも話せるようになりましたけどね。

-では、橋本さんが映画の中で自分っぽいなと感じた場面は?

これは反省しなきゃと思ったんだけど、朝倉さんに彼がたしなめられる場面があったでしょ? 俺が俺がって言うから。そういえば、俺はそういうものの言い方をするなと(笑)。あなた中心に世界は回っているわけじゃないのよって言われる、あそこはグサッと刺さりましたね。

-橋本さんが脱退するシーンではステージ上でマイクを叩きつけて、ステージを去るシーンもありました。

本当に脱退する前にマイクを叩きつけて帰りましたからね。

-ええ、実際にそのライヴも目撃しているので、めちゃくちゃリアルだなと(笑)。

あぁ、本当にごめんなさい。お客さんに悪態をついて、"お前らクソだ!"と言ったこともありますからね。それはお客さんに言うべきではなかったなと思っています。ロックンローラーだから、衝動で生きていいんだと勘違いしてましたね。実はあのときを振り返って、自分の未熟さに押しつぶされそうになったことが何度もあったから。リユニオン以降ですけどね。

-映画では3ピース時代のOUTRAGEも描かれています。その頃、橋本さんは......。

ライヴも観ていないし、音にも一切触れなかったですね。FMラジオも8年間、一度もつけなかったです。歌うこともできなかったし、カラオケさえも拒絶した時期があったから。

-映画の中では橋本さん役の方が"納得いくまでやっておけば良かった"、"メンバーを大事にしよう"というセリフも出てきます。

CLUB CITTA'川崎(※NAOKIが期間限定復帰したデビュー20周年記念ライヴ)でライヴをやったときに、1ステージを歌い切ることができて、自分でもびっくりしたんですよ。で、"もう少し続けない?"と言われて......やり残したことにケリをつけたくて戻ったんです。

-やり残したこととは?

アルバムを作っている最中に脱退したんで、とりあえずアルバムを1枚作りたいなと。あと、メンバーを大事にしようというのは......自分が120パーセント曝け出して、それでうまくいけばいいし、うまくいかなければ、そこまでだなという気持ちで脱退前まではやっていたから。脱退したあと、何も気を使わずに自分を曝け出して、それでも合う相手なんていないよなって。お互いの話を聞いて、接点を見つけて、クリエイティヴに物事を考えないといけない。自分と完全に合う人なんて、自分しかいないよなって。そんなこともっと若い頃に気づけよって話なんですけどね。それからメンバーやスタッフを大切にしようと。