INTERVIEW
OUTRAGE
2022.04.14UPDATE
2022年04月号掲載
Member:NAOKI(Vo)
Interviewer:荒金 良介
-そして、今回は映画のサントラ的な位置づけでCD+DVD作品(『SQUARE, TRIANGLE, CIRCLE & FUTURE』)も発表されます。映画内でも流れた新曲2曲についてもうかがえればと思います。
「Summer Rain」は映画のために丹ちゃん(丹下)と洋介が書き下ろして、「Psycho Circus」という曲は――
-「Psycho flowers」ですよね?
「Psycho Circus」はKISSの曲だな(笑)。
-新曲2曲はどちらも従来のOUTRAGEとはまた違う空気を持つ曲調です。「Psycho flowers」は誰が曲を作ったんですか?
これが僕なんですよ。
-えっ! 橋本さんが曲を作るのは初ですよね?
そうですね。脱退後に曲を作り出して、自分でも個性的な曲だなと思って、評価できなかったけど。それから書きためていたものをいくつかくっつけて、3、4曲出したのかな。そのうちの1曲である「Psycho flowers」は今までにない感じだし、面白いからやる? となったんです。
-「Psycho flowers」はメタルというより、直球勝負のロックという印象を受けました。
4人で、ジャム・セッションでやっていることを想像したんです。この曲は中に入り込まないと演奏できない感じにしたくて。シンプルに聴こえるんだけど、4つの音を聴いてないと、曲を追いかけられない。4人の顔を見合わせないと、演奏できない空気が欲しくて。できあがった曲を聴いたら、METALLICAの1stアルバム(『Kill 'Em All』)か! って。あと、MEGADETHの1stアルバムもめちゃ好きで。
-『Killing Is My Business... And Business Is Good!』ですね。
そう! Dave Mustaine(Vo/Gt)のリフの動きが大好きで。僕なりにMEGADETHが好きだなと思うパートを入れて、やっぱり『Killing Is My Business... And Business Is Good!』は好きだなと。
-『Raging Out』(2017年リリースの13thアルバム)も初期衝動を意識した作風でしたが、それとはまた違いますよね?
うん。あの作品はOUTRAGEというバンドの歌であることをベーシックに考えたから。「Psycho flowers」はそこを無視して、自分の気持ち良さを前提に、振り切れるところまで振り切ろうと思ったんです。
-この曲ではOUTRAGEの枠組みをあまり意識しないで、歌っているんだろうなと思いました。「Summer Rain」に関してはいかがですか?
丹ちゃんと洋介の共作で、歌メロも丹ちゃんが歌ったものをマネたり、自然と湧き上がったものを歌ったりして。で、サビで"Summer Rain"という言葉が出てきたんですよ。録るときも振り切って、衝動のまま全力で歌ってみようと。
-「Summer Rain」は橋本さんの歌声の旨味が詰まっているなと思いました。男臭く、野太い声のまま振り切ってます。「RIVER」(1991年リリースの4thアルバム『THE FINAL DAY』収録曲)、「Mother (coming home)」(『Raging Out-Deluxe Edition-』収録曲)とはまた違うテイストですよね。
そうなっているなら、本望ですね。
-カバー作ですが、『GENESIS I』(2015年リリース)に通じるものを感じました。あのときもOUTRAGEにとらわれずに、歌い上げた楽曲が多かったですよね?
その作品を何度も聴いたんですよ。おっしゃる通り、何にもとらわれてない自分がいたから。
-『GENESIS I』でやったことが、ここにきてOUTRAGEの楽曲として昇華されたのかなと。では、DVDのほうは御覧になりました?
ちらっと。恥ずかしくて観られないですもん。だからおまかせで。
-映像は粗めですが、当時の熱量が伝わってきて、橋本さんはめちゃくちゃヘドバンしながら歌ってました。
そういう時代ですからね。本当に恥ずかしいんです。手持ちぶさたでどうしていいかわからなくて、照れ隠しもあるんですよ。
-「Blind To Reality」はずっと下を向いて歌っていました。
勘違いしたJames Hetfieldと、前を恥ずかしくて見られないのがミックスすると、ああいう形になるんです(笑)。
-「My Final Day」では橋本さんは角刈り頭で、上半身裸に白い短パン姿でした。
若い頃は身が軽いね。それはPhilip Anselmo(DOWN/ex-PANTERA etc.)の影響がだいぶあるんじゃないかな。RED HOT CHILI PEPPERS、SOUNDGARDENとかオルタナティヴの影響もあるし。時代背景が出てますよね。
-あと、今年4月24日にフル・オーケストラとの共演ライヴ("35th Anniversary Special Live OUTRAGE & Outrageous Philharmonic Orchestra")も控えてますよね?
バンドでリハしても、いつもと同じ感じになっちゃうけど、オーケストラとは1、2回リハできるか、できないかだから。それまでにオーケストラ・バージョンの『THE FINAL DAY』を聴き込んで(2021年リリースのアルバム『RE:prise ~ The Final Day 30th Anniversary』収録)、ノリを頭に叩き込まなきゃいけないなと。
-今年は映画も公開されますし、改めてどんな年にしたいと思ってます?
僕もソロを始めているし、OUTRAGEを続けるためにもソロは必要なんですよ。自分でソロをやりながら、自分を知っていくというか、そこで発見もありますからね。ようやく1周した感じもあるから、これからは今までになくいい風が吹いているな、という年にしたいです。