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INTERVIEW

OUTRAGE

2021.10.23UPDATE

2021年10月号掲載

OUTRAGE

メンバー:阿部 洋介(Gt) 安井 義博(Ba)

インタビュアー:荒金 良介

名古屋に拠点を置くOUTRAGEの大傑作と言える4thアルバム『THE FINAL DAY』が今年発売30周年を迎える。それを記念して、オリジナル盤を当時のプロデューサー兼エンジニアだったex-ACCEPTのStefan Kaufmannが全曲リミックスを手掛け、2021年版として更新。さらに地元名古屋の交響楽団によるフル・オーケストラ・バージョン、そして、2008年に行った完全再現ライヴの模様を初映像化した2CD+DVDの豪華ボックスがここに到着。今回は阿部洋介&安井義博のふたりに話を訊いた。

-今年、『THE FINAL DAY』(1991年リリース)が発売30周年を迎えます。改めて同作に対する印象に変化は生じましたか?

阿部:30年間、何かし続けてきたわけではないから。あぁ、30年経ったんだなと。特に感慨深さもなくて(笑)。

安井:30年経った実感というより、"あっ、そうなんだ"って。極端な言い方をすると今まで作った内の1枚なので、特別な気持ちはないんです。

阿部:今回のきっかけとしては新しい企画を盛り込んで、いろんなことをやれるのはいいことだなと思ったんです。

-どの作品も我が子のようにかわいいとは思いますが、『THE FINAL DAY』が今なお多くの人に愛され続けている理由については?

阿部:よくそういう話を耳にするけど、"全部いいぞ、このやろー!"とはずっと思ってた(笑)。ただ、ここにきて、このアルバムはいいなって客観的に見れるようになりました。

-えっ、ここ最近ですか?

阿部:そう。俺たちやったぜ! という気持ちはないけど、自分なりになるほどねと思う。演奏の質感がムチムチしていて心地いい。ノリや楽器の音とか......曲はたまたまできたものだから、演奏のモチモチ感がね。

-先ほどムチムチと表現してましたが(笑)。

阿部:ムチムチでもモチモチでもいいんだけど、ノリにノッてる、調子にノッているなと思います。で、このアルバムはクリックを使ってなくて、それがデカい。丹下(眞也/Dr)さんはクリック嫌いなんで、Stefan Kaufmann(ex-ACCEPT/Dr)が"クリックなんて使わなくていい"と言ったんですよ。それもこのモチモチ感の原因かなと感じます。その前やあとの作品はほぼクリックを使ってますからね。クリックはドラムの問題だけど、ドラムがノッてれば、ギターもベースもノるからね。

-結果、ライヴに近い臨場感を作品に落とし込めたと。

阿部:うん。あと、Stefanはムード作りの天才で、それに乗せられて発揮できた感じかな。"ハッピーにロックを演奏するんだ!"と常々口にしてましたから。レコーディング中も朝からビールを飲んでたから......よく覚えていないんだけど(笑)。

安井:......この組み合わせ(阿部&安井でのインタビュー)はあまりないよね? 調子狂う。

阿部:はははは(笑)、俺は調子出るよ。

安井:まぁ、アルバムを改めて聴くことはないからね。今聴くとしたら、久しぶりにライヴで曲をやるときにYouTubeで聴くぐらいなんですよ。ただ、今回改めて聴いて、曲がキャッチーだなと思いました。みなさんがいいと言うのは、そういうところもあるのかなって。特別に意気込んだわけじゃないけど、メロディ、アレンジ、プロデュースすべてが上手くいったんじゃないかな。

-『THE FINAL DAY』のタイミングで楽曲もコンパクトになりましたよね。

阿部:パンク色が若干強まったかもしれない。

安井:『THE GREAT BLUE』(1990年リリースの3rdアルバム)をもっと突き詰めたのがこれって感じかな。反省じゃないけど、より良くしようと。

-とはいえ、『THE GREAT BLUE』と比較しても、別物と言える作品になりましたよね。

安井:それぞれが勝手に作りたいものを作ったというか。

阿部:マイブームを反映させるだけなんで。例えば、SOUNDGARDEN、MINISTRY、LARDとか、あの時代の色が出ているんじゃないかな。

安井:SOUNDGARDENだと初期の2枚(『Ultramega OK』、『Louder Than Love』)、NIRVANAは『Bleach』、あと常日頃、そういう要素を取り入れようとチャレンジしていたのはG.B.H.、THE EXPLOITEDとかのハードコア・パンクで、それがうまくミックスされているんじゃないかな。バンドのイメージもあり、気づかない人も多いかもしれないけど、わかる人が聴けばわかると思う。

-以前からハードコア・パンクの要素を取り入れようとトライはしていたんですか?

安井:だんだん入れる余裕が出てきたのかな。最初に入れようと思ったのが『THE GREAT BLUE』で、それ以前はザクザクのスラッシュ・メタルでしたからね。

阿部:で、脱スラしたんだよね(笑)。

-あぁ、『THE FINAL DAY』で脱スラッシュ・メタル化したと。

安井:正統派になったという印象を持つ人もいるかもしれないけど。俺的にはメタル・バンドというブランドを残しつつ、違うものを取り入れるトライが楽しかった。たまに友達から"よっちゃん(安井)、これあれの影響でしょ?"と言われて、"わかったんだ!"みたいなやりとりをすることがあるんですよ。自分たちのことをある意味、ミクスチャーだと考えてるんで。ミクスチャーって世の中的にはメタルとラップというイメージだと思う。でも、ジャズの世界もそうだけど、自分たちも多種多様な音楽が混ざっているから。

-今作は再びStefan Kaufmannに全曲リミックスをお願いしていますよね?

阿部:基本的にはおまかせしたんだけど、最初の方向性が決まるまでは何度かやりとりしました。

安井:リミックス、リマスターする意味があるものにしたくて。わりと現代的なものに近づいたと思うんだけど......LED ZEPPELINの音が今っぽくなったら違和感あると思うけど、今回そういうのはなくて自然に、新しい音に変わった感じかな。あと面白いと思ったのは、当時はアナログ・テープで録って、それをデジタルにしているんだよね。今アナログで録ったら、ものすごくお金がかかると思うから。リミックスはうまくいったんじゃないかと。

-ドラムがかなり変わった印象を受けました。生々しさが際立ってますよね。

阿部:うん、だいぶ変わったと思う。

安井:客観的に聴いても、30年前の作品とは思えない。それは当時アナログで録ったことも大きいと思う。あと、ロックンロールのノリでやって、自由な気分で演奏したから。初めて海外に行って、酒を飲みたきゃ飲めばいいやって、そういう環境でやれたことも大きいと思う。

阿部:"どのアルバムが一番か?"と聞かれたら答えられないけど、どのレコーディングが楽しかったかと言われたら、このアルバムですね。

-感情の高ぶりも作品に投影されていると。

阿部:そうですね。認めたくはなかったけど、今は認めます(笑)。やっぱり楽しかったから。

安井:初めての外国で1ヶ月行って、タダで酒も飲めたからね。

-振り返ると、91年はMETALLICAの『Metallica』、GUNS N' ROSESの『Use Your Illusion』(I & II)、SKID ROWの『Slave To The Grind』、SOUNDGARDENの『Badmotorfinger』、NIRVANAの『Nevermind』など数多くの名盤がリリースされましたが、それらと肩を並べても、『THE FINAL DAY』は遜色のないメタル史に残る名盤だと思います。

安井:みんなそう言ってくれるけどね。

阿部:恐縮です。