INTERVIEW
NIGHTWISH
2013.06.15UPDATE
Member:Tuomas Holo Painen (Key)
Interviewer:荒金 良介
-久々の来日公演を終えて、今の感想から教えてもらえますか?
これで3度目の来日になるんだけど、今回がダントツで良かった。日本は大好きな国で、特にSF的な部分と伝統を重んじてる部分が混在しているから、そこが面白くてね。
-それは街並みのことですか?
そうだね。まあ、それだけじゃなく、テクノロジーも進んでいるから。
-では、今回の来日が特に良かった理由は?
以前の公演が悪かったわけじゃないけど、今回はFloor Jansenが初来日で彼女がワクワクしている感じが伝わってきたし、今はバンド全体のムードもとてもいいんだ。あと、動員数もこれまでになく良かったから満足しているよ。
-昨年10月に2代目女性ヴォーカル、Anette Olzonの脱退を受け、その代理をFloorが務めたわけですけど、一緒にやってみた感触はいかがですか?
コンビネーションは凄くいいね。そういう発言をすると、すぐに“彼女は正式メンバーになるんですか?”と聞かれるんだけど(笑)。現時点では、これ以上なく素晴らしいラインナップだと言える。ただ、彼女が正式に入るかどうかは、今年の後半、来年にならないと、何とも言えなくてね。今はこの関係性を楽しんでいるところだよ。
-もしFloorを正式メンバーに迎えるなら、彼女は今REVAMPというバンドもやっているので、そこから引き抜かないといけませんね?
そうとも限らないよ。というのは、ほかのメンバーも掛け持ちでバンドをやっているからね。スケジュールの調整をうまくいけば、掛け持ちでやれないこともないからね。
-なるほど。それで昨日のライヴ(5月24日、恵比寿LIQUIDROOM)でもGary Mooreのカヴァー「Over The Hills And Far Away」をやったそうですけど、2年前にGaryは他界してしまいました。その知らせを聞いた時はどう感じました?
やっぱりショックだったね。個人的な付き合いがあったわけではないし、会ったこともないんだけど。「Over The Hills~」は本当に凄い曲だし、その曲が収録された『Wild Frontier』は傑作で大好きなアルバムなんだ。彼はいいギタリストであり、いいヴォーカリストだったからね。
-同感です。そもそもGary Mooreの曲をチョイスしたのはTuomasさんですか?
ああ、そうだよ。2001年にカヴァーした音源をリリースしたからね。それからライヴでもやるようになったんだ。Gary本人も僕らがカヴァーしたバージョンを聴いて、気に入ってくれたみたいでね。
-そうなんですね。で、ヘンな質問になりますが、女性ヴォーカルがいるバンド編成は音楽的にも華やかになりますし、他とも差別化できる強力な武器になると思います。その反面、男性の中に女性1人という点でケアも大変じゃないですか?
コミュニケーションという意味では全然問題ないんだけど、例えば8週間ツアー・バスの中で男13人の中に女1人という場面もあるから、そこは配慮が必要だと思うよ。ただ、バンド内のリスペクトや思いやる気持ちは、男女関係なく必要だからね。音楽的には女性ヴォーカルどうこうではなく、自分たちのスタイルを貫いて、トレンドを気にせずにやることが重要だからね。
―昨年脱退したAnette Olzonの件は、質問しても大丈夫ですか?
お互い同意の上で、その件については触れないことになっているんだ。バンド脱退うんぬんの話は、例えば有名人が離婚したときに、そこまで詳しい話まで説明しないと思うんだ。ファンによっては、バンドは理由を説明する義務があるみたいに言う人がいるかもしれないけど、それは違うんじゃないかな。Anetteを含めたバンドのステイトメントは、バンドのホームページにもきちんと掲載したからね。それ以上、僕の方からコメントすることは何もないよ。あと、フィンランドのジャーナリストはオフレコですと言って質問しながら、それを記事にしてしまうことがあるからね。
-あっ、そうなんですね。
それとフィンランドのセンス・オブ・ユーモアは独特でね、あまり理解してもらえないことが多いんだ。毒があるというか、自虐ネタが結構あってね(笑)。
-Tuomasさんもブラック・ジョークは好きですか?
ああ、大好きだよ。世の中の出来事で茶化せないことはない。大事なのはTPOじゃないかな。いつ、どこで、何を言うか、そのタイミングは考えなきゃいけないよ。でも笑いは大事な要素でね。自由な響きがあるからさ。