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FEATURE

NIGHTWISH

2012.01.06UPDATE

2012年01月号掲載

圧倒的にドラマティックで究極にシアトリカル まさに“一大叙事詩”! コンセプト・アルバムの金字塔『Imaginaerum』完成!!

ライター:ムラオカ

90年代中盤、わずか人口500万人強という小国のフィンランドからCHILDREN OF BODOM、NORTHERなど素晴らしいバンドが続々とデビューしていたが、96年に結成されたシンフォニック・メタル・バンド、NIGHTWISHの名もぜひ激ロック読者に覚えておいてもらいたい。

NIGHTWISHはキーボードのTuomas Holopainenが中心となりギターのEmppu Vuorinen、ヴォーカルのTarja Turunenと共に結成。実は結成当初はアコースティック・トリオとして活動をしていた。その時レコーディングしたデモ音源のタイトルが「Nightwish」で、これをきっかけにバンド名がNIGHTWISHに決まったとのことだ。翌97年、ドラムのJukka Nevalainenが加入後、彼らはアコースティック・バンドからメタル・バンドへとスタイルを変えていく。 同年SPINEFARM RECORDSから1stアルバム『Angels Fall First』 をリリース。翌98年、正式なベーシストとしてSami Vänskäが加入し5人編成となってから2nd『Oceanborn』 をリリースし、本国フィンランドではアルバム・チャート5 位、同収録の「Sacrament of Wilderness」がシングル・チャート1 位を記録と、NIGHTWISHの快進撃が始まる。00年リリースの3rd『Wishmaster』では本国にて1位を獲得。その後、Samiが脱退したことでベースだけでなくヴォーカル・パートもこなすMarco Hietaraが加入し、Marcoのヴォーカルを大々的にフィーチャーした02年リリースの4th『Century Child』も再び本国にて1位、さらには発売2 時間でゴールド・ディスク獲得という記録を打ち立てた。04年リリースの5th『Once』では本国のみならず、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、ギリシャといった国々でもチャート1 位を獲得と、リリースごとに着実にステップアップしていく様を見て、誰もがNIGHTWISHの順風満帆な未来を疑わうものはいなかった。
しかし、『Once』に伴うツアーが終了した2005 年10 月21 日、バンドはヴォーカル、Tarjaに対して公開書簡を突き付け、バンドからの脱退を宣告する。この事件はニュースや新聞で大きく取り上げられ、フィンランドの大統領がコメントを発表するなど大騒動となった。
Tarja脱退後、バンドは一旦活動を休止し、ヴォーカリストのオーディションを行い、過去にミュージカルの主役を務めたり、メロディアス・ハードロック・バンド、ALYSON AVENUE でも活動していた、Anette Olzonを新たなヴォーカリストとして迎え入れた。

カリスマ・ヴォーカリストが抜けた後だけにリスナーの反応が気になるところではあったが、新体制で初のアルバムとなった07年リリースの6th『Dark Passion Play』は周囲の心配をよそに本国だけで10 万枚を超えるセールスを記録、ヨーロッパ各国でチャート1 位という記録を打ちたてNIGHTWISHの健在ぶりを十分にシーンに知らしめた。

そこから新生NIGHTWISHはさらに攻めに転じ、バンド史上初のコンセプト・アルバム『Imaginaerum』の制作に入る。それも『Imaginaerum』は単なるコンセプト・アルバムではなく、アルバム制作と並行して映画制作も行われており、今年公開予定とのことだ。映画でNIGHTWISHの世界が堪能できるということはコアなファンならずとも必見であろう。
アルバムはトータル75分という一貫した壮大なストーリーのコンセプト・アルバムということもあり、過去最高にドラマティックな“一大叙事詩”的作品に仕上がっている。オルゴールの調べに合わせ囁くようにMarcoが歌うプロローグ「Taikatalvi」で作品はスタート。それ以降は強力なフックとドラマ性を兼ね備えた「Storytime」(1stシングル)をはじめとして、珠玉の名曲の数々が続いていく。
AnetteとMarcoのヴォーカリストとしての表現力も格別で、2人の息の合ったコンビネーションも素晴らしい。Tarjaは良くも悪くもオペラティックな声質、歌い方を貫いていたが、新ヴォーカリストであるAnetteはオペラティックな歌唱だけでなく、曲調にフィットした歌唱ができる器用なタイプのヴォーカリストである。レンジの狭いTarjaではチャレンジできなかった今回のような冒険がAnetteであれば可能になったということだろう。

コンセプト・アルバムという点ではQUEENSRYCHEの『Operation: Mindcrime』に匹敵する完成度であり、名作揃いのNIGHTWISHの作品の中でも『Imaginaerum』は群を抜いて素晴らしい。

“傑作”という言葉に相応しい作品の登場だ。

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