初の全米１位を獲得した『脳殺』20周年記念スペシャル・エディション・リリース！

2014.03.18UPDATE

2014年03月号掲載

PANTERA

Writer 荒金良介

PANTERAのメジャー3rdアルバム『Far Beyond Driven（脳殺）』が20周年記念スペシャル・エディションとして発売されることになった。1994年に発表された今作は、バンド史上初の全米1位を獲得し、名声と人気を決定付けた1枚と言える。

1981年にテキサス州ダラスでDimebag Darrell（Gt）、その兄のVinnie Paul（Dr）で結成されたPANTERA。1982年にRex Brown（Ba）が加入し、1983年に『Metal Magic』でデビューを飾る。1987年にニューオリンズ出身のPhilip Anselmo（Vo）がフロントマンの座に付き、1988年に『Power Metal』発表以降、2003年の解散まで不動の4人で活動を続けた。だが、解散した翌年の2004年に悲劇が起きる。DAMAGEPLANのステージ・パフォーマンス中にDimebag Darrellを逆恨みしたファンに銃で撃たれて死亡、多くのファンを失意のどん底に落とし込んだ。

この『Far Beyond Driven（脳殺）』は最高傑作の誉れ高き前作『Vulger Display Of Power（俗悪）』の後にリリースされたもので、当時リアルタイムで聴いたときはすぐに消化できないほどの衝撃を食らった。音はより尖鋭化され、ヘヴィなグルーヴ感はさらに重心を低くし、まるで胸板と足腰を一回りも二回りも鍛え上げたボディ・ビルダー並みの激越サウンドへと変貌を遂げていた。脂が乗りまくったマッチョなグルーヴという点では、前作『Vulger Display Of Power（俗悪）』に引けを取らないPANTERA汁が吹き零れている。今回はラスト曲のBLACK SABBATHのカヴァー「Planet Caravan」まで全編リマスターが施され、クリアかつ生々しい音像を堪能できる。そして、ディスク2は1994年に開催された『Monsters Of Rock』に彼らが出演した40分に及ぶライヴを完全収録したもので、これがまた凄まじい熱量でぶっ飛ばされること間違いナシ！冒頭の「Use My Third Arm」からフル・スロットルで畳み掛ける演奏、常軌を逸した野獣ヴォーカルといい、バンドの抑えきれない衝動が大爆発している。指使いまで見えてくる肉感的なプレイ、粘着質かつ鞭のごとくしなるグルーヴ、拳でガンガン殴られてるような攻撃的な音像、また、亡きDimebag Darrellの呪術的めいた殺気立つギター・リフ＆ソロには鳥肌モノの感動に包まれることだろう。突き抜けた音源とライヴは20年の風雪にも耐えうる。いや、今なお戦慄すら覚える作品だ。

『Far Beyond Driven（脳殺）』
～20周年記念スペシャル・エディション～
2014.3.26 ON SALE!!
WPCR-15641/2　￥2,838（本体）＋税

■豪華デジパック仕様
■ボーナス・ディスクには94年のMonsters Of Rock出演時のライヴ音源を収録

【Disc 1】
01. Strength Beyond Strength
02. Becoming
03. 5 Minutes Alone
04. I'm Broken
05. Good Friends And A Bottle Of Pills
06. Hard Lines, Sunken Cheeks
07. Slaughtered
08. 25 Years
09. Shedding Skin
10. Use My Third Arm
11. Throes Of Rejection
12. Planet Caravan

【Disc 2】
01. Use My Third Arm（Live From Donington '94）
02. Walk（Live From Donington '94）
03. Strength Beyond Strength（Live From Donington '94）
04. Domination/Hollow（Live From Donington '94）
05. Slaughtered（Live From Donington '94）
06. Fucking Hostile（Live From Donington '94）
07. This Love（Live From Donington '94）
08. Mouth For War（Live From Donington '94）
09. Cowboys From Hell（Live From Donington '94）