MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

アシュラシンドローム × 打首獄門同好会 × オメでたい頭でなにより

2017.11.02UPDATE

アシュラシンドローム × 打首獄門同好会 × オメでたい頭でなにより

アシュラシンドローム:青木 亞一人(Vo)
打首獄門同好会:大澤 敦史(Gt/Vo)
オメでたい頭でなにより:赤飯(Vo)
インタビュアー:吉羽 さおり Photo by 上溝 恭香
撮影協力:高円寺 五弦-IZURU- (https://twitter.com/izuru_kouenji

-その4人となって満を持して、11月8日にニュー・シングル『男が女を唄うとき』をリリースします。

青木:はい、今回は僕の書いた歌詞じゃないんですけど。

赤飯:誰の歌詞?

青木:うちの親父ですね。一時、うちの親父を前面に出しすぎちゃったので。昔から応援してくれているファンの方は、そろそろ俺の歌詞の歌を聴きたいという意見もちらほら出てきたころだったんです。たしかにそうだなと思ってしばらく親父の曲はなかったんですけど。親父は懲りずにどんどん送ってきますので、歌詞を。その中でいいなと思ったのが、11月8日に出す『男が女を唄うとき』という曲だったんです。しばらく親父の歌詞は出してなかったので。いい頃合いかなと思って。

-そこからどんなふうに作り上げていった曲ですか。

青木:これは、しっかり親子で出したケミストリーと言いますか。おそらくそういう経験はしてないであろう、ドロドロした男と女の関係を描いた歌詞だったんですけど、それを見て、自ずとパッと曲が書けたんです。昭和歌謡みたいなイメージがどんどん出てきて。それにロックンロールや、自分らの持ってるニュアンスを乗せたら面白くなるんじゃないかという感じで作っていったら、今回の作品になって。聴きやすいし、疾走感もあって。メロディもいいぞということで、これでいこうと。

-サウンド的にもいろんなオマージュが入っていたりと、キャッチーさが増してますね。

青木:うちのギターの趣味で、映画"パルプ・フィクション"の曲(Dick Daleの)「Misirlou」のオマージュを入れてみたりとか、いろいろやってますね。今回のシングルは、親父の歌詞でいくからって電話したら、"そろそろ俺の出番だと思ってた"って言ってましたけど。

大澤:さすがですね。

青木:何様なのかと(笑)。

-それにしてもどんどん歌詞が書けるんですね、お父さんは。

青木:すごいんですよ。ここに関しては俺なんかよりも全然歌詞の才能はあります。僕は曲を書くのがすごく好きなんですよ。適当なリズムから、ギターを弾いて曲を作るのは昔から好きで、ポンポンできるタイプで。でも歌詞っていうところは、書けなかったタイプなんです。そこを捻り出して今までやってきたんですけど、親父という存在が出てきてもっと書けなくなったんですよね(笑)。

-そうだったんですね。

青木:どうしていいか、いよいよわからなくなって。かといって影響を受けた、例えば打首みたいな歌詞を書いても、人の真似になってしまうと思って、いろいろ試したんですけど。結局迷ってしまって。未だに親父には勝ててねぇなっていうところはあるんですが(笑)。

-打首は、今のような生活密着型の歌詞はどう作り上げていったものだったんですか。

大澤:うちはもう、ヴォーカルになったのもヴォーカルが見つからないから始めようという、すごく浅いところから始まって。必然的に歌詞を書かなきゃいけなくなったんです。土台を作る段階で、自分の意識が完全にギタリストだったんですよね。だから、ぶっちゃけ歌詞はなんでもよかったんです。どうでもいいから、ああなっちゃったという。肩肘張ることなく、でもいろいろ試してみて一番やりやすいのは、お客さんもウケてるしここかなっていうのが、だんだんと絞り込まれてきたのが、今のスタイルなんですよね。だから今となっては、生活そのまま自然体というスタンスをあえて出してるように見えてますけど、当時は、ありのままを書くしかなかったんですよ。

-オメでたはどうですか。

赤飯:僕が最初に全部作っていて、最初はそれこそ何も考えず、ちゃんと作詞をしたこともそれまであまりなかったですし。なので、例えばメロディを聴いたらこれにしか聞こえないからこの言葉から広げようっていうのもありましたし、このフレーズがこの言葉だから、これをテーマにやるっていう曲もありましたし。そうしてやっていった結果、うちの場合は、これじゃダメだってなったんですよ(笑)。それでメンバーの手がどんどん入るようになって。クレジットがこのままだと、赤飯から、オメでたい頭でなによりになりそうです(笑)。

大澤:オメでたい頭でなによりはまだね、1年くらいだから、可能性としてどうなるかわからないよね。

赤飯:そうです。最初の土台は僕が持っていくんですけどね。100持っていったものが、最終的に何パーセント残るかなみたいな。

大澤:この人の歌詞が自分のルーツですっていうのはある?

赤飯:僕は、オーケン(大槻ケンヂ)さんが好きなんですよ。物語的な歌詞だったり、ぶっ飛んだことを書いていたりとか、なんでロックにそんな歌詞を入れちゃうのとか、曲と歌詞のギャップみたいなところってオーケンさんがルーツなんですよ。詩集なんかも読んでましたから。

-ラウド・シーンにおいて、それぞれのバンドはどう捉えられていると思いますか。

青木:うちは際どいですね。多分、コミック・バンドと思ってらっしゃる方もいるかもしれませんし、ライヴ冒頭から、"うちは食品販売業者だ"なんて言って出て行ったりもしますしね。ただ、うちはコミカルな要素は演奏中にはないので。コミック・バンドじゃなかったというのは、あとから気づいてくれるんですけど。ただライヴを観てくれてない方は、"10獄放送局"とかのおかげで、まだおそらく勘違いしてる方はいるかもしれないなと。

大澤:そうか。お笑い芸人がバンドをやってると思ってライヴに来て、第一声が"食品販売業者だ"っていうので、面白エンターテインメントが始まると思ったら、まともなライヴをするっていう(笑)。

赤飯:はははは(笑)。

青木:エゴサーチでも多いんですよ。こうだったと思ってたけど、そうじゃなかったっていう奴は。

-それは、どちらかというと残念だったというニュアンスですか。

青木:いやそれは、俺の中ではプラスとして受け取ってますね。

大澤:意外にもかっこよかったという。

青木:それが聞きたかったぞっていう。

大澤:でも"食品販売業者だ"って言っちゃうんだ。

青木:今はちょっとずつフェードアウトしていってるのはあるんですけど。ただ、物販で"青ばん"を売りさばいている事実はございますので、一生消えはしないんでしょうね。僕のことをカリスマ的に見てくれる人なんて、いないんじゃないかな、もう(笑)。たまに、 "ヴォーカルいいね"なんていうシンプルでストレートな言葉を聞くと、ぐっときますね。

大澤:意外とミュージシャン界隈では、アシュラシンドロームの認められ方っていうのは確たるものなんだけどね。バンド界隈では、アシュラシンドロームは演奏も歌も、ライヴもいいよと。ただ、まだ浸透してないんだね(笑)。

青木:こんなにしねぇかなっていうくらい、しないんですよね。

大澤:ある意味、玄人受けなんですね。玄人受けするバンドは、波が立つのがゆっくりだから。

青木:これはもっと大きなところでやらせてもらわないとだな。


打首とオメでたに力を借りて、間違いなく楽しい1日にはなりますから。乞うご期待ですね


-だからこその今回の企画ですよ。まずシングルのMVが公開されて、11月8日にシングル・リリースときて、いい流れのなかでのイベントですから、ここから盛り上げていきましょう。

青木:そうですね。打首とオメでたに力を貸していただきまして。

大澤:で、我々は何をすればいいんですか。

青木:だから、ライヴをしていただければ......。

大澤:あ、ライヴをするだけでいいんですね。

青木:そうでしょ? そりゃ我々ですから、できることはありますよ。でも僕をどうこうしようなんてことは、一切考えていただかなくていいですので。お前(赤飯)も、余計なことしなくていいからな?

赤飯:ふーん。

大澤:余計なことって、例えば?

青木:例えばって今言っちゃったらダメじゃないですか。絶対、拍車をかけるようで怖いもの。

大澤:ほうほう。

赤飯:もう、悪い顔してる(笑)。

青木:この3バンドでやらせていただくということで、間違いなく楽しい1日にはなりますから。乞うご期待ですね。