INTERVIEW
アシュラシンドローム × 打首獄門同好会 × オメでたい頭でなにより
2017.11.02UPDATE
アシュラシンドローム:青木 亞一人(Vo)
打首獄門同好会:大澤 敦史(Gt/Vo)
オメでたい頭でなにより:赤飯(Vo)
インタビュアー:吉羽 さおり Photo by 上溝 恭香
撮影協力:高円寺 五弦-IZURU- (https://twitter.com/izuru_kouenji)
-音楽性的には、3組ともまた全然違った感じですよね?
赤飯:それがですね、ルーツの話になっちゃうんですけど、ルーツの共通点としてSYSTEM OF A DOWNが存在してるんですよ。ちょうどこの店で飲んでいたときだったんですけど、YouTubeでSYSTEM OF A DOWNが流れてきて、"これこれこれ!"ってテンションが上がって。みんなのルーツがそこにもあったのが、判明して。
大澤:意外とあったね、共通項が。
赤飯:90年代のミクスチャー、ラウドはみんな通ってきていて。そこ発信で細分化していった感じかな。みんな混ぜてるものが違うのかな。
青木:行き着くところがちょっと違うだけで、そんなに変わりはないと思うんですよ。ルーツとかそういう話をすると。
赤飯:会長は? 他に何を混ぜたかっていうと。
大澤:俺は、早いうちから洋楽キッズだったからな。
青木:会長は結構ね、メタルとかハード・ロックとかで。
赤飯:僕も、LIMP BIZKITとかKOЯNとか。
青木:俺もそうだ。なんせ俺はイキってたころはラウドだったから(笑)。
-結構、飲むと音楽の話をするんですか。
赤飯:ミュージシャンみたいに話してたな、あのときは。何枚目のアルバムがどうとか。
青木:普段自分たちからそういう話をするかっていうと、そうでもないんだけど。
赤飯:クダ巻いてるだけだからね。
-なるほど。
大澤:曲を聴いて、フック、引っかかるところがあるなと思うと、根元がそこで。そのバンドのこういうフレーズが好きなんだとか、やっぱそうくるよなっていう気持ち良さが、ところどころで一緒だったりするんですよ。
青木:そういう意味では、全然離れているわけじゃないんですよね。
-赤飯さんは、打首とはどういう関係性なんですか。
赤飯:僕らは結成して1年くらいとかなんですけど、結成前に、我々はいったいどういうバンドになりたいのか、どういうことを歌っていくのかとかを真面目に話し合っていたんです。メンバーに追い詰められて、血を吐くくらいにずっとカリカリ、カリカリなっていたんですけど。
青木:そんなことになってたのかい。
赤飯:オメでたのヒエラルキーでは一番下なので、僕が。"どうなりたいんですか!"みたいなところで、胸ぐら掴まれるようなことが──気持ちの面でですけどありまして。その話し合いの中で、打首さんは必ず登場していたんです。打首さんはエンタメ性であったり、生活密着型ラウドだったりということで、共感を得やすい音楽だと思うんですよね。ラウドの間口を広げた功績者だと思っているんですよ。お茶の間とラウドって、絶対結びつかないのに、ナチュラルに結びつけちゃったんですよね。これがすごいなと思って。僕も、ラウドに育ててもらったのがあるから、ラウドの間口を広げたいし。どういうふうにしていったら、自分たちなりのラウドを提案できるのかという部分で、打首さんには死ぬほど影響を受けているんです。
-そうだったんですね。
赤飯:先にいろんな食べ物の曲をやっちゃったら勝てるんじゃねとか。使える食べ物、全部先にやっちゃわない? っていうのもあったり(笑)。
大澤:食べ物争奪戦になる。
赤飯:でも途中で、これは無理だとなって。
大澤:でもオメでたが、「wosushi ~ウォールオブ寿司~」(2016年にリリースした1st EP『オメでたい頭でなによりです!』収録曲)を出したときは、正気か!? と思ったけどな(笑)。
青木:同じ土俵に上がりやがったみたいな感じになるもんね。
赤飯:寿司を出してやったぞ! と思ってたら、すぐに打首の「島国DNA」(2016年リリースのシングル表題曲)のMVが上がって。みんなで頭を抱えましたからね。
大澤:かぶったと。でもこっちとしてはね、シブガキ隊の「スシ食いねェ!」という見えないてっぺんがあるから(笑)。寿司は出せないと思っていたんですよ。寿司ってこう、アンタッチャブルな感じがあって。オメでたが寿司を出したときに、"あっ、寿司の歌、歌った!"っていう。
青木:ORANGE RANGEも歌ってましたよね。
大澤:ORANGE RANGEも「SUSHI食べたい feat.ソイソース」、なんかやってて。"寿司にいったー!"っていう。俺たちの中では寿司といえばまず「スシ食いねェ!」があったので。
-そこは、触れないと。
大澤:と言っても俺たちも、筋肉少女帯が1回いった"日本の米"にいっちゃってますけど(笑)。
赤飯:はははは(笑)。
-大澤さんは、オメでたい頭でなによりというバンドをどう見ているんですか。
大澤:まだ関係的には1年経ってないんですよね。昨年末の"骸骨祭り2016"で初めて会って。たまたま付き合いの長い人がスタッフでついていたんですよ。それで紹介してくださいって言って、ステージを観たら、水鉄砲でなんかをまいてるから、なんだろうこのバンドはと思って。そういう出会いでしたね。
赤飯:いまは水鉄砲は封印しましたけどね。日和っちゃって(笑)。
-3バンドともに、話を聞くと正攻法ではないというか、ちゃんと自分たちの"何か"を掴んでやっているというのがありますね。
大澤:まぁ、青木君の場合は、突発的に降りかかったところもあるけどね。急にお父さんから歌詞が届いちゃったという。
青木:封書で歌詞が届いて、そこから何かが変わっていきましたね。そこまではそれこそ、さっきラウドという話をしましたけど、ずっとゴリゴリかっこいいことだけやっていこうと思っていたのに、一気に歯車が狂ってしまって。
大澤:どこかのバンド(※打首)には、急に呼び出されてカメラの前でカレー食わされたりね、カブに乗せられたりするし。
-打首のネット番組"10獄放送局"では、ほぼレギュラーのような状態で、バンドマンというよりは芸人のようなキャラクターになっていましたね。
青木:ある一時からですよ、僕がコロンと変わったのは!
大澤:青木君の意志とは一切関係のないところでキャラができてるよね。
青木:今となってはもう、理解してますけども。当時はなかなか、受け入れるのに時間がかかりましたからね。
赤飯:葛藤があった? なりたい自分と、暴かれた自分で。
青木:いやね、いつか取り戻せると思ってたのよ。俺のかっこいい側面とかも出していけば、わかってくれるだろと思っていたら、未だに俺のことをお笑い芸人だと思っている人がいるんだなっていう。
大澤:いるね。
青木:いっぱいいるの、世の中には。声を大にして言いたいね、それは違うよと(笑)。
大澤:歌を1回、聴いてほしいと。
青木:今は、スマホとかいろいろあるんだからさ、ピッと押せば聴けるわけじゃない。聴いてくれればいいじゃない。聴いたあとに言ってくれるのはいいのにね。
大澤:再生したところで、♪バーン、バババン、バーン(※「ごはんといっしょ青ばん」)って流れてくるけど。
青木:あれは、間違ってしまったかもしれないですね。でもそれは、大澤会長の影響ですよ。影響は受けてます、僕も。札幌に打首みたいなバンドなんていなかったですから。最初に観たときは、今みたいにモニターに歌詞を出す前の打首だったんですけど。それにしても、歌詞の感じとか、なんでこの人たちライヴで"うまい棒"配ってるんだろうとか、いろいろな疑問がありつつも、でもかっこいいものはかっこいいなと思ったし。東京に出てきて一番衝撃でしたね、打首が。