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LIVE REPORT

オメでたい頭でなにより

2021.01.30 @Zepp Tokyo

Writer 吉羽 さおり Photo by ゆうと。

1月30日、オメでたい頭でなによりのワンマン・ライヴ"オメでたい頭でなにより Zeppワンマン ~笑うしかできない全席デリケートゾーンライブ~"が大阪公演に続き東京 ZeppTokyoで開催された。そのライヴは、高らかに"俺らの居場所にようこそ!"と歌い上げる「ザ・レジスタンス」で幕を開け、会場を歓喜の熱気で包んだ。コロナ禍で昨年予定していたツアーが中止となり、東京での有観客のライヴは約1年ぶりとなる。配信ライヴの回を重ねてきたが、ライヴハウスで観客と対峙するエネルギーには代え難いものがある。ちなみに今回のライヴ・タイトルにある"デリケートゾーン"は、オメでたい頭でなによりが結成時から設けていた、騒がず安全にライヴを観ることができるスペースのこと。徹底した感染症対策のもとでライヴが行われている現在は、いわばフロアすべてがこの"デリケートゾーン"だ。これまでのライヴのように一緒に歌ったり叫んだり、もみくちゃになって楽しむことはできない状況だが、しかしそこはオメでたい頭でなにより。ならば、新しい遊び方で楽しもうというスピリットが随所に盛り込まれた。音楽に、ラウド・ミュージックに最大限の愛と敬意をはらい、同時にこの5人でしかできないこと、作り得ない笑顔や、バカバカしくも最後には感動を呼んでいる空間を作り上げてきたオメでたい頭でなによりらしいライヴである。メジャー・デビュー曲「鯛獲る」などのライヴ・キラーチューンでのっけから観客のコブシを上げさせると、"ただいま......っていうかみんなお帰り!"と赤飯(Vo)が声を上げ、フロアから大きな拍手が湧き上がる。コロナ禍の現在、歓声などがあげられないぶん観客は拍手でリアクションをとっていくわけだが、掛け合いの微妙な間合いができてしまうのも事実。今回そこに投入されたのが入場時に配られた"爆笑ボタン"。ガジェット感満載だがみんなで鳴らすとなかなかに騒々しく、一体感も味わえるこのアイテムでMC対策もバッチリだ。

序盤で今回のライヴの楽しみ方もわかってきたところで、ここからはライヴ・バンドとしてのタフな姿を見せつける。昨年4月にリリースした2ndアルバム『オメでたい頭でなにより2』から「哀紫電一閃」、ぽにきんぐだむ(Gt/Vo)と赤飯のラップで自由自在に、且つラディカルに叫ぶヘヴィなミクスチャー「God luck -運神-」、そしてアルバムの1曲目を飾る「頑張っていきまっしょい」へと続く。「頑張っていきまっしょい」はまさにコロナが猛威を振るい始めライヴ、ツアーが立ち行かないなかで作られた曲だが、赤飯はこの"頑張る"という言葉について"日本人のこの頑張るという言葉は、うまくいくといいですねという祈りの言葉だと捉えている"と語る。そして"今年1年、肩の力をダルダルに抜いていろんなことをやっていこうと思う。肩の力、あえてダルダルでいきましょう"と語り掛けた。しかし2ndアルバムではサウンド面がさらに重厚感を増し、またアンサンブルやアイディアの柔軟な広がりとスケール感も増していて、熱量の高さは半端じゃない曲が並ぶ。こればかりは、今はめいっぱいコブシを掲げるしかできないのがもどかしい。

また一転して赤飯の女性アイドル・ヴォイスとシャウトの圧倒的温度差とメンバー全員でのダンスが楽しめる「推しごとメモリアル」でかわいい姿を見せたあとは、今年1月に配信リリースした「推しどこメモリアル」で、"日本ローラーダンス協会公認ラウドロックバンド"ならではのローラーダンスまで魅せる。聞けば、フロント4人それぞれのお立ち台から、今回ステージ前方に横長のお立ち台が設えてあったのは、このローラーダンスを魅せるためだけだったというから徹底している。バンドも、ライヴを作り上げるチームもまた、それ本当にやっちゃうんだ? という発想を腕によりをかけて形にしている。この本気の取り組みが、観ている者の心を動かすのだろう。

ミト充(Dr)のアグレッシヴなドラムからmao(Ba)のスラップ・ベースへ、そして324(Gt)とぽにきんぐだむの華麗なギターで、きらびやかで和的なタペストリーを編み上げる「今いくね」から「踊る世間もええじゃないか」に突入し、そして「ダルマさんは転ばないっ」と後半戦は踊り騒ぐ曲を連投。いつもは大きく身体を揺らし、ブレイクダウンで一斉に止まる「ダルマさんは転ばないっ」は今回、爆笑ボタンを使って遊ぶ。ライヴならではの一体感を味わったあとは、ラストに「スーパー銭湯~オメの湯~」、「オメでたい頭でなにより」を据えて、改めてここ(ライヴハウス)が自分たちの居場所であり、みんなで共有するこの場所と時間とを祝福する曲で、ぐっと気持ちをひとつにした。赤飯は、いつも通りとはいかないが今日は今日でいいと言い、またアホみたいに騒げる日がくるはずと願いを込めて、"離れていても、君らがどこにいても、爆笑ボタンのスイッチを押し続けるから。また一緒に、騒げる日がくるといい"、"また会おうぜ"とその力強いヴォーカルを響かせた。

アンコールではまずこのライヴを実現してくれたスタッフへの感謝を述べ、「ピーマン」、そして昨年末に配信リリースした昭和生まれの方は懐かし恥ずかしのコミック・ソングのカバーである「金太の大冒険」を披露。意味深なゴールドのミラーボールがまたたき、ディスコティックなパンク・チューンで盛り上げたあとは、"この曲で終わるわけねぇだろ!"と「えんがちょ!」で幕を閉じた。"起死回生"、"無駄な過去は1つもない"、"過去がなけりゃ今はない"と歌うこの曲は、冒頭の「ザ・レジスタンス」から紡がれた今回のライヴのストーリーを鮮烈に彩り、この1年のバンドや観客が抱いてきたもどかしさや、くすぶった気持ちをポジティヴに昇華する晴れやかさがあった。こんな今だからこそ、バンドのバイオにある"楽しく、幸せに騒げる、底抜けに自由でオメでたいバンド"という彼らのコンセプトの意味を、肩肘張らずに味わわせる、実に爽快な一夜になった。

[Setlist]
1. ザ・レジスタンス
2. 日出ズル場所
3. 鯛獲る
4. 哀紫電一閃
5. God luck -運神-
6. 頑張っていきまっしょい
7. 推しごとメモリアル
8. 推しどこメモリアル
9. 今いくね
10. 踊る世間もええじゃないか
11. ダルマさんは転ばないっ
12. スーパー銭湯~オメの湯~
13. オメでたい頭でなにより
En1. ピーマン
En2. 金太の大冒険
En3. えんがちょ!

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