INTERVIEW
オメでたい頭でなにより
2018.12.27UPDATE
2019年01月号掲載
Member:赤飯(Vo) ぽにきんぐだむ(Gt/Vo) 324(Gt) mao(Ba) ミト充(Dr)
Interviewer:吉羽 さおり
オメでたい頭でなによりが、初のフル・アルバム『オメでたい頭でなにより1』をリリース。これまでの作品でも随所で、オメでたいことや日本の文化などを歌にし、古今東西の音楽的要素を盛り込んだ、ツウ好みでいてキャッチーなラウドロックやミクスチャー・サウンドを生み出してきた5人。突拍子もないアイディアを形にするパワーは今作でも健在だが、さらにオメでたい頭でなによりでしか表現し得ない、振り切った1ダースの曲が並んでいて、畏れ入る。メンバーは"ある家族のプレイリストのようだ"と言ったが、子供から大人までが好きなもの、最高なものを詰め込んだアルバムだ。
-まとめ盤『オメコレクション』(2018年1月リリース)のリリースに始まり、2018年は2作のシングル(2018年4月リリースのメジャー・デビュー・シングル『鯛獲る』、2018年10月リリースのメジャー2ndシングル『日出ズル場所』)も発表して駆け抜けてきて、満を持しての1stフル・アルバムが完成しました。今回は特に、オメでたい頭でなによりというバンドの持つ幅を聴かせる作品ですね。
324:幅しかない。
赤飯:今回、自分たちとしては名作、名盤というよりは、奇作、怪作というふうに言ってます。
-それは、幅が"広がってしまった"ということですか?
赤飯:今まで1曲の中でミクスチャー感を演出するっていうものが、今回はアルバム1枚でミクスチャーになっているみたいな感じですね。
324:アルバムは曲数が多いじゃないですか。今までは、多くても7、8曲の作品や、シングル形態だったんですよ。そのパッケージの中でやれることは、限られていたんですよね。じゃあ、アルバムを作るぞってなったときに、"何やりたい? やりたいことやろうや"となって。で、やったらこうなったという感じですね。結果的に、アルバムだからこそやりたいことがやれたのかなと。
-アルバムをパワフルに幕開けるのが「ザ・レジスタンス」という熱い1曲となっていて、この曲は堀江晶太(PENGUIN RESEARCH/Ba)さんと共作です。どういった経緯で彼に曲をお願いしたんですか?
324:もともとは、堀江君とは高校のころから10年以上の付き合いで。昔、一緒にバンドをやっていたこともあったんです。そのバンドがなくなったあとは、それぞれ仕事で一緒になったり、お互いの作品でギターを弾いたりという仲だったんですけど。この数年で、ふたりとも新たにバンドを始めて。メンバーそれぞれも堀江君とは付き合いがあるし、このバンドを始めるタイミングで相談したりもしてたんですよね。で、いい具合にお互いのバンドが成長していってるタイミングで、また一緒にやってみようやっていうところから始まったんです。この曲は、彼が上げてくれたデモに俺が肉づけしたり、赤飯が作詞したりという感じになってます。
-どういう曲がいいかなど、バンド側からオーダーはありましたか?
324:オメでたい頭でなによりっていうバンドに対して、彼が作家として楽曲提供をする、彼が思うオメでたい頭でなにより像ということくらいですね。
赤飯:それを形にしてほしいということで。それで上がってきたのが、こういう校歌というか軍歌のようなもので。ここにどんな歌詞をハメていくかは、アルバムの制作の最後の方まで時間がかかりましたね。この曲もそうですけど、全体的に僕の作詞に対するスタンスみたいなものが変わったのかなという気がしています。
-そうですね。この「ザ・レジスタンス」は特に高揚感のあるアンセムとなっていて、よりストレートに心を震わせる思いを綴った表現を担っています。
赤飯:今までもファンに対して現状の気持ちをストレートに歌うことはやってきたんです。例えば「We will luck you」なんかは、どストレートなものなんですけど、もっとその先に行きたいなと思っていて。
mao:まぁでも、なかなか歌詞が上がってこなかったね。
ぽにきんぐだむ:レコーディングの前日に上がってくるくらいで、間に合うのかっていう。
赤飯:みんなに迷惑はかけてしまったけど......。
ぽにきんぐだむ:結果的には、すげぇいいのがきたから。
赤飯:今までオマージュや言葉遊びを軸にやってきたんですけど。なんていうか、表現の仕方としてもっと練るべきやっていうのがあったものの、うまくできなかったんですよね。今回は少し思い描いていた理想に触れることができた感覚があります。「ザ・レジスタンス」は物語みたいにもなっているし。時間の流れも1曲の中で表現できて、この先のことまで描けていると思うので。って、めっちゃ真面目なこと言ってるな(笑)。
-いえいえ。その自分の心境の変化がちゃんと歌にもなっていますね。そういう心境の変化、スタンスの変化があってアルバムの制作に向かっていったんですか?
赤飯:全然です、途中からです。