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INTERVIEW

アシュラシンドローム × 打首獄門同好会 × オメでたい頭でなにより

2017.11.02UPDATE

アシュラシンドローム × 打首獄門同好会 × オメでたい頭でなにより

アシュラシンドローム:青木 亞一人(Vo)
打首獄門同好会:大澤 敦史(Gt/Vo)
オメでたい頭でなにより:赤飯(Vo)
インタビュアー:吉羽 さおり Photo by 上溝 恭香
撮影協力:高円寺 五弦-IZURU- (https://twitter.com/izuru_kouenji

-そんなバンドに、自分の人生が変えられるとは(笑)。

青木:こんなに関われるとは思ってなかったです。

大澤:ゴメンね、なんか(笑)。

-でも青木さんのキャラクターだからこそ、バンドではこういう表現ができるんだとか、こんな歌を歌うのかというギャップが生まれるのは、いいこともであるのでは(笑)。

青木:僕らの場合サイドフックがあまりに効きすぎてるので(笑)。会長がこういじってくれたから、僕のそういう面も出てきましたけど。うちの親父がかき回してくれるのもあるので。他のバンドには出せないものがあるんじゃないのかなと思ってやっているんですけどね。

大澤:でもさ、かっこいいイメージがないっていうところからなら、歌がプラスにしかならないじゃん。

青木:そうですね。Twitterでエゴサーチとかするじゃないですか。どういう評価をされてるのかとか、今日のライヴはどうだったのかとかで。"青木亞一人君はね、ただの芸人だと思ってたけど、歌わせたらすごいじゃないか"みたいなツイートをたまにポロポロと見るんですよ。嬉しいですねえ。

大澤:それを待ってたっていう。

青木:そういうのがもっと欲しいわけですよ。自分から言ってしまうのはダサいので。言ってくれる方を待ってるんですね、エゴサをしながらずっと。見つけた瞬間すぐに拡散するという。

大澤:これ見よがしにリツイートしてる。

-大澤さんは、もともと誰かをプロデュースするじゃないですが、面白い人を発掘するのも好きだったんですか。

大澤:俺も俺で、面白いと思ったからそこを突いてみただけだったんですよね。良かれと思ってじゃなくて、俺が好き勝手に、ここも面白い、ここも面白いっていう、もっと出してみようっていう。そしたら、お父さんも面白いから。もっと、面白くしていこうっていう。

青木:35歳にもなって、東京に出てきて音楽をやって、自分のやってるバンドにここまで頭を突っ込んでくる親父がどこにいるのかっていうね。

大澤:真似しようって、真似できるバンドはいないでしょう。

青木:これは自信を持っていいますけど、真似はできないです。

-息子としては、自分がやっていることに親がたとえ何か送ってきても、そこは拒否しそうですけど。

青木:いや、最初は拒否してたんですよ、もちろん。何をこんなふざけたダサい歌詞をって思っていたんですけどね。民は喜びましたね、それを。

大澤:つい、Twitterに載せちゃったんだよね。

青木:それが間違いだったんですよね。

大澤:それが大反響で。

-その瞬間から、思わぬ方向に進んでいってしまって。赤飯さんはそういうことで言えば、自分のやりたいことをひとつひとつ形にしていってるように見えますがどうですか。

赤飯:運がいいとしか言いようがないんですよね(笑)。もちろん具体的にあれがしたい、これがしたいという思いを持って動いているんですけど、こういうふうに縁が繋がっていくことで、うちらは成り立っているなと思うので。ほんとそこだけなんですよね。

青木:実力がありますもん、やっぱり。歌が上手いんですよ。上手いですし、特殊な声をいっぱい出せますから。

大澤:なんせ喉の様子がおかしい。なんかカチャって取り外したりできるの? っていう。喉、入れ替えてるの? っていう。

-武器が多いですよね。声のレンジがとにかく広くて、しかもメンバーもスキルが高い。

赤飯:ゆえに軸をきちんとして、自分たちで迷ってしまわないようにというのは気をつけてますね。

-バンド内での曲作りは、3バンドそれぞれどう行っているんですか。

青木:僕は、曲は書くんですよ。歌詞も親父に全部任せっきりにしてるわけではないので、原則として僕が持っていって、信用しているメンバーに投げてアレンジをして。でも僕がこういうキャラクターなので、フロントマンのくせに一番立場が弱いというところはありますかね。

赤飯:一緒一緒。

青木:どうも学がないんですよねぇ、僕は。いろいろなことがバレてしまうという。仲良くやっているんですけど。

-少し付き合っていくとわかるんですかね、青木さんの人となりというか。

大澤:ドラムのカズマ君も、最初は先輩後輩みたいな感じだったけど。

青木:僕の5つ下くらいの奴なんですけどね、後輩キャラなんですよ。年上の奴には、ハイハイって言っているんですけど、最近僕には敬語も使ってくれなくなっちゃいましたね。

大澤:入った当時はね、青木君が珍しく先輩面していて。青木君が人の上に立ててるなと思ってたんだけどね。

青木:ようやく後輩ができたって思ってたんですけどね。

大澤:もう、その均衡は崩れてるかなっていう。

青木:崩れちゃったのよ、もう。他のメンバーには、敬語使ってるんですけどね。俺には使ってもくれなくなっちゃって。たまに怒られるんですよね(笑)。

赤飯:俺もよく怒られる。いついつまでにこれをやってって責任持って任せてるんだから、ちゃんとやらないとダメでしょって。

大澤:真っ当な怒られ方してるね。

赤飯:だから、ぐうの音も出ない(笑)。

-打首の場合って、そういうのはあるんですか。

大澤:うちは、完全に俺が中心という感じで。どっちかというと俺が、もうちょっと頑張ろうって言うというか(笑)。送ったメールくらい見よう、っていう役で。クリエイターであり──

赤飯:司令塔だ。

青木:一番理想な形ですよね。僕もそういう予定だったんですよ(笑)。こんなはずじゃないといつも思ってましたからね。でも年を食って丸くなったんですかね、一切そんな考えがなくなっちゃいましたね。僕は客寄せパンダでいいやと。人前でやーっとやって、わーっと手を振ってるという。

赤飯:適材適所という言葉があるからね。

大澤:君にしかできないんだよ、それは。

青木:そうプラスに考えることにしました。

大澤:客寄せパンダと言うけど、パンダが一番人気なんだぜ。

青木:めっちゃいいこと言うじゃないですか! そうですよ。パンダ列作るもん。今の次から使わせてもらいます。これ取材になってますかね(笑)。

-アシュラシンドロームがどういうバンドかが、わかってきました。また、今回ベースのナオキさんが正式加入をしたということで、新体制にもなりましたね。

青木:4人となりまして、新しいとこでやっていくぞというところですね。

大澤:大きなニュースですよ。長らくアシュラシンドロームを見てますけど、全員正式メンバーだったの、見たことないもん。

青木:一回もなかったですね。

大澤:アシュラシンドロームというバンドの歴史の中ではかなり画期的なことなんですよ。普通のバンドでは、ごく普通のことなんだけど。

青木:そのごく普通が、なぜかできなかったんですよね。結成して札幌にいるころから、メンバーが揃ったことがなかったんですよね。結果的にこっちに出てきたときも、僕ひとりでしたし(笑)。

大澤:意外と理想が高いんですよ。だから、この人やりたがってるからいいんじゃない? って周りが思っても、プレイヤーのレベル的にこの人ではこのバンドは進めないみたいな、わりと厳しいジャッジをするんですよ。そういうことを経て、ようやくお互いが認められるメンバーが頭を揃えることができたという。長かったね、ここまで。

青木:長かったですね、実に。

-今回はどんなところが決め手となったのですか。

青木:もともと彼のことは紹介していただいたときから知っていたんですけど、とにかくちょっと変態――人としてではなく、プレイヤーとして変態だったので。

赤飯:6弦のベースだしね。

青木:6弦だし、とにかく指が気持ち悪いくらい動くし。動画サイトの"弾いてみた"とかもやっているようなプレイヤーで、他のバンドでもやっているのを見たことがあったんですけど、とにかく指が動く。これはすごいなぁと思っていたら、ご紹介いただく機会があって。いざやってみたら、うちの曲もちゃんとやってくれるし、今までにない感じでうちの曲が違うふうにも聞こえたので。これは面白いっていうのがあったんですよね。