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INTERVIEW

打首獄門同好会

2020.11.25UPDATE

打首獄門同好会

Member:大澤 敦史(Gt/Vo) 河本 あす香(Dr) junko(Ba)

Interviewer:吉羽 さおり

打首獄門同好会のミニ・アルバム『2020』が完成した。タイトルからも窺えるように、この2020年という1年の出来事、その日常で感じたささやかだが大きな変化や感情の起伏を、打首らしくラウドに、ユーモアも交え、さらにソリッドで攻撃的にと形にした作品だ。外出自粛要請が出て以降、大澤がSNSに上げていたまさに"生活密着型"な曲たちもバンド・バージョンにアップデートされ、また各所で話題にもなった「新型コロナウイルスが憎い」もこの年末へと向かう最新版に磨き上げられた。まだ着地点はなく、生々しさが迸っているのも、今の実感がリアルに詰まったからだろう。その今作へと至る流れや思いを、3人に訊いた。

-外出自粛要請が出て以降、Twitterにアップされてきた曲が今回の『2020』には完全バージョンとなって多く収録されていますが、あの春の時点はとにかく曲を書かざるをえないくらいの感覚だったんですか。

大澤:そうですね。Twitterに上げていたものだと3月から5月くらいだったんですけど、あの頃は緊急事態宣言もあって家から出られなかったので。あれくらいしか音楽活動ができなかったんですよね。だからその頃は、"1分ソングクリエイター"と名乗って、ああいうことばっかりやっていました。

-その時期は、特に何かリリースに向けての制作というわけではなかったんですか。

大澤:リリースの予定はあったんだけど、そのときはいったん流れてしまったんです。今回のアルバムに入っている「筋肉マイフレンド」や「サクガサク」は、本当はもっと早くリリースする予定だった曲で。それが、どうなるかわからなくなってしまったんですよね。

-そうだったんですね。あす香さんとjunkoさんはその期間どんなふうに過ごしていましたか。

河本:引きこもっていましたね。とにかく外に出ちゃいけないっていうから、買い物くらいしか家から出なかったですね。

junko:私はもともと、外に行かないことが信じられない人生を送っているので、死ぬんじゃないかなって思っていて。

大澤:junkoさんが、一番心配だったよね。

junko:とにかく、毎日ちゃんと6時には起きて、ちゃんと自主トレをして、ちゃんと屋上から夕陽を見るという、ルーティーンを考えて死なないようにしていました。

-あの期間もずっと身体を鍛えていたんですね。

junko:そうですね。朝昼晩とメニューを考えてやっていました。とにかく何もしてないことがダメなので。

大澤:一番、大丈夫かな? って思っていましたからね(笑)。生きているかな、大丈夫かなって。

-こういう事態は初めての経験でしたしね。

junko:みんなそうだったと思うんですけど、人生初ですからね。特にこんなに外に出ないでいるということが、自分の身体にどう悪影響を及ぼすか最初は怖いくらいの感じだったので。

大澤:よく乗り越えました。

-それこそ、「筋肉マイフレンド」じゃないですが、外に出られないとなると身体を鍛えるとかそういう方向に自ずと向きますよね。

大澤:向きましたね。今回「足の筋肉の衰えヤバイ」とかも歌っていますけど。当時はスポーツジムもクラスターが出て休業状態だったから、本当に何もできなかったんですよね。じゃあ家でできるのはなんだ? って。トレーニング紹介なんかもTwitterに上げていましたね(笑)。この人(河本)はゲームの"リングフィット アドベンチャー""Fit Boxing"に目覚めて。

河本:ちょうど昨年の冬くらいからずっと続けていたんですよ。

大澤:それが功を奏しましたね。俺もトレーニング用のチューブを買ったり、いろいろしていて。

-「筋肉マイフレンド」は2月29日に行ったZepp Tokyoでの無観客配信ライヴでも披露されましたが、以前から作られていた曲だったんですね。

大澤:そうなんです。今年1月からのツアーでお披露目していて。だから、先んじて筋肉には目覚めていたんです。junkoさんに至っては2018年くらいからキック・ボクシングを始めていて。俺は2019年からジムに入会して──その夏には北海道を自転車で横断するとかいうよくわからない企画もあったので(YouTube番組"10獄放送局"企画で、"RISING SUN ROCK FESTIVAL 2019 in EZO"会場を目指し、アシュラシンドロームの青木亞一人/Voと北海道を自転車で横断した)。ちょうど筋肉に対する備えが万全になったところで──

河本:(笑)

大澤:三者三様できていたんですよ。

-もう、この曲にするしかないだろうと。サウンド的なところでは、ラップ調ありブレイクダウンありと遊びがふんだんに入ったヘヴィな曲で、めちゃくちゃマッチョな音にもなっていますね。

大澤:とりあえず筋肉の名前を叫びたいし、とりあえずトレーニング名を叫びたいと。で、どうしようといろいろ考えた結果、たぶん必然だったんですね。ブレイクダウンで"だいきょーきーん(大胸筋)!"って叫んで、トレーニング名においては文字数が多いものばかりで、テンポよくまくし立てないと収まらないと思って。必然的にこういう曲調になりました。

-そういう早い段階で作った曲が、こうしたコロナ禍にもぴったりとハマる曲にもなってしまっているというのはなんとも......。

大澤:ちょうど逆境に抗うみたいな歌詞にもなっているんですよね。それが後づけで妙にマッチしてしまって。

-"筋肉は裏切らない"っていうストレートなフレーズもまた響くんですよね。

大澤:本当にそうなんですよ。このコロナ禍で前に進めているなと実感が湧くのが、筋トレしたら筋肉がつくっていうくらいしかなかったんです。他には何もプラスを生み出せないという状況でしたけど、筋肉は鍛えたら大きくなるんですよ!

河本:これ、何の取材?

大澤:(笑)でも、そういう前進している感があることは大事だなと思いましたね。筋トレしている人ってやたらポジティヴな人が多いじゃないですか。

-たしかにそうですね。

大澤:その理由がわかった気がします。絶対、成果出るんだものっていう。筋トレをして背筋が伸びるようになったというだけで、インドアで過ごしてきたこの1年となんとなく折り合いがつきますよね。まぁ、大丈夫だろうっていう。