DISC REVIEW
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結成15周年を迎える打首のアルバムのタイトルは"そろそろ中堅"。武道館公演から約1年、中堅はここからが本当の勝負だ。今作は、今一度褌を締めてかかる激しいサウンドで、クリエイティヴなロック精神とユーモアを凝縮したアルバムであり、サウンド的な懐の深さやアレンジ力の高さを改めて堪能できる作品。打首には珍しく観客に呼び掛けるメタリックなショート・チューン「こどものねごと」で始まり、歌詞が"パ"のみで展開する「パ」はSYSTEM OF A DOWNを彷彿させる中毒性の高さだ。「Shake it up'n' go ~シャキッと!コーンのうた~」はアメリカン・ロックのギターやビートがカラッとした熱風を吹かせる。生理現象との戦いを描くドラマチックな「我が内戦」や大澤敦史(Gt/Vo)の地元を紹介するレゲエ&ハードコア「HAMAMATSU」は歌唱にも注目......と、この3人なればこその日常をエンターテイメントにする変換能力の高さを見せつける作品。 吉羽 さおり