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INTERVIEW

アシュラシンドローム

2017.05.03UPDATE

2017年05月号掲載

アシュラシンドローム

Member:青木 亞一人(Vo) NAGA(Gt) カズマ(Dr)

Interviewer:沖 さやこ

ヴォーカルの父親JP青木が勝手に作詞を始めるとか、大ヒット食品を売り出しているとか、ヴォーカルは打首獄門同好会のYouTube番組の準レギュラーとか、RIZEのKenKenやCOWCOWの善しも彼らの存在を面白がっているとか......バンドが予期せぬところからどんどん話題が広がっているアシュラシンドローム。おまけに新譜のタイトル"次回予告 俺たちが売れたのは、全部お前たちのせいだ。"とはどういうことなのか。コミック・バンドなのか? 食品とは? JP青木とは? その疑問を解決するため、メンバー3人に話を訊く。

-アシュラシンドロームを結成した約1年後に青木さんが札幌から上京するも、青木さん以外のメンバーが脱退し、青木さんおひとりに。そこにNAGAさんが加入したことで、アシュラシンドロームは本格始動なさったんですよね。

青木:彼(NAGA)は昔やってたバンドの先輩にあたる方で、中野新橋でばったり落ち合って飲みに行って。アシュラシンドロームが動けていなかったので、ちょっと遊びでバンドをやってみるかという話から、あれよあれよとアシュラシンドロームとして動いていくことになりました。

NAGA:だから言ってしまえば全部僕のおかげなんですよね。

一同:あははは(笑)!

NAGA:その当時の亞一人君、かわいそうだったんですよ。ほんとに。あまりにも憐れすぎたので"アシュラシンドロームが動けなくなっているならそっちを手伝ってあげるよ"と最初は手伝いのつもりでやっていたんです。すべては慈悲の心です。

カズマ:僕は去年の夏に亞一人さんから誘われて加入しました。もともとメインでやっていたバンドが解散してしまったので時間もあったし、単純にアシュラシンドロームで活動するのは面白そうだなと思ったし。

-青木さんは打首獄門同好会の大澤敦史さんとも親交が深く、YouTube番組"10獄放送局"に準レギュラー出演なさっていたり、『まだまだ新米』(打首獄門同好会が2015年にリリースしたミニ・アルバム)のジャケ写にも写り込んでいたりとコラボレーションも多いようで。

NAGA:亞一人君が東京に出てきてすぐくらいに大澤君と仲良くなって、僕も顔見知りだったので結構前から打首とは交流があって。

カズマ:僕が最初にアシュラのライヴを観たのは、亞一人さんがひとりになる前で、それが打首のレコ発のゲストに出ていたときだったんです。そのあとから亞一人さんはあれよあれよと会長(大澤)にいじられるようになりました(笑)。

-あと、アシュラシンドロームを語るうえで、青木さんのお父様であるJP青木さんの存在が欠かせないようですが......。資料にある、"2013年に2枚のデモ音源をリリースしたあとに、JP青木が勝手に作詞を担当するようになる"とは?

青木:親父から急に封書が届いて、その中に"Blizzard(吹雪)"というものっすごいダサい歌詞が書かれた便箋が1枚入ってたんですよ。それで親父に電話したら、"お前のバンドは曲はかっこいいけれど、歌詞が俺ら世代にはまったく伝わらない。だから俺に書かせろ"と言われまして。それでTwitterに"こんなものが親父から届きました"とネタでアップしたら、当時の俺らでは考えられないほどリツイートされていって......。いろんな人たちから"これは曲にするべきですよ!"と言われてしまって、曲を作らざるを得ない状況になってしまったんですよね。

-ではお父様もさぞお喜びになったでしょう。

青木:結構いい雰囲気のものを作ったんですけど、親父からは開口一番"俺の提示した曲調と違うし、俺の思っているところにシンバルが入っていない"と言われてしまって(笑)。バンドやったことのない奴になんでそんなことを言われないといけないんだ! と思いつつ、"ああそうかい"と......。それを面白がる人が増えてきて、ちょっとずつライヴの動員が増えてきたんです。それを親父に報告したら"そうかい、そうかい! 実はまだまだ歌詞を溜め込んでるんだよ!"と3日後くらいに40作品くらいをファイリングしたものが送られてきまして(笑)。

-あはははは(笑)。

青木:"Big thunder(雷)"とか、ふざけているような、でもふざけていない歌詞が満載で。その親父の書いた歌詞を使った4曲入りのライヴ会場限定音源『JP青木』(2013年リリース)を出したら、あっという間に捌けちゃって。

NAGA:そうやって前々作の『親父越え 息子編』(2015年リリース)、前作の『親父越え 親父編』(2016年リリース)を作っていきましたね。本当に彼の家は家族愛がすごくて......。食品を持ち出したのも、歌詞の行きすぎた感じですよね。

-食品とはアシュラシンドロームの大ヒット・アイテム"青ばん"のことですね。青木さんのご実家で作られている青なんばんのしょうゆ漬けだそうですが......。

青木:これもまず、急に親父から"青ばん"と書かれた瓶詰めの食品が届いたんですよ。"物販を買ってくれたお客様にサービスとしてつけて差し上げろ"と言われ......。それで食べてみたら、腹立つことにくそうまかったんですよ(笑)。ご飯と本当に合うんですよね。だから商品にしたんです。最初は常連のお客さんも気味悪がってたんですけど、"記念品くらいのつもりで買ってみる"と言って買ってくれて......そしたら次の日Twitterで"青ばんうめぇ~!"というツイートを見かけて(笑)。それでどんどんお客さんに広がっていって、スーパーの感覚で物販で青ばんを買っていくという。

-そこからどんどん青ばんがブレイクしていくんですね。

青木:青ばんの勢いがどんどん止まらなくなっていきまして。RIZEのKenKenや、COWCOWの善しさんみたいな前線で活躍する方々にもちょっとお声を掛けていただいたり、紹介していただいたりしているのは、奇しくも青ばんのおかげという。打首獄門同好会の"岩下の新生姜"とおかず対決ツーマンをしたときに青ばんが勝って、岩下の新生姜ミュージアムで青ばんが販売されるという――いち実家が企業に打ち勝った瞬間ですよね(笑)。