INTERVIEW
アシュラシンドローム
2017.05.03UPDATE
2017年05月号掲載
Member:青木 亞一人(Vo) NAGA(Gt) カズマ(Dr)
Interviewer:沖 さやこ
-本当、JP青木さん然り、息子の亞一人さん然り、青木家は濃いですねー......。この手の化学反応はなかなか起こらないです。
NAGA:これすごいっすよね。バンドの音楽性とか、すべてをなぎ倒していくでしょう!? 誰に何を言っても響かないんですよ(笑)。
-いやいや。音楽は真っ当じゃないですか。
青木:曲でふざけているつもりはないので。
NAGA:すごく悪い言い方をすれば、曲は普通だし、普通に曲をやっている(笑)。
カズマ:彼(青木)のご家庭のこととか、打首のYouTube番組でいじられまくっている亞一人さんを見て僕らを知ってくれるお客さんが多いので、初見の人が多いサーキットとかのあとでお客さんの反応を見ると、"思いのほか普通だった"というものが多くて(笑)。ものすごいギャグギャグしたコミック・バンドをやっていると思われがちなんですよ。"ロック・バンドだったんですね"とよく言われます(笑)。
青木:親父の歌詞の曲でも、絶対に曲はふざけてないですし。そこはブレてないよね。
カズマ:若干"Blizzard"的な60代に刺さる歌謡感はあるけどね(笑)。
-親子で歌詞を共作したりはなさらないんですか? 例えば、JP青木さんが書いた歌詞に、青木さんが手を加えるとか。
青木:それは親父の良さを殺してしまうと思うんですよ。だから全部そのまま手直しなし。無理くりメロディをつけて。
NAGA:でもだんだん、彼が親父の歌詞に引っ張られて、どうも親父風の歌詞になっていってるんですよね......(笑)。
カズマ:たしかに(笑)。あれなんなの? 確実に昔よりも親父さんの影響はあるよ。
青木:それはまずいな......。1回親父にぶち負かされて、詞における自分の価値観がわからなくなった時期があったんですよ。
NAGA:ちょっとそういうところに陥っちゃった時期もあったし、今回も親父からの影響はちょこちょこ見て取れるよね。うん。
青木:僕は実は、そこまで歌詞を重要視してこなかったんですよ。且つこういうことがあって、自分がわからなくなってきて......(笑)。大変です。
カズマ:迷走がすぎるよ(笑)。
-(笑)では、今回の作詞に関してはどうでしょう?
NAGA:結構テーマを与えることは多いですね。"こういうやつ欲しいな! 青木君どうだい? 書けるかい?"って。「絶対彼氏以上」はとある人物を主人公にして亞一人君に書いてもらいました。ただ"ポチ"というタイトルの歌詞が来たときは、早速の親父臭に"おぉ~(笑)"と思いましたねぇ。
カズマ:俺も"ポチ"には最初"マジか"と思いましたね(笑)。でも、今回は親父さんの件抜きで作っているものだから、亞一人さんから生まれてくるものをそのまま使った方がいいなと思ってあえて口出しはせず、俺がここに寄っていけばいいんだと自分を納得させました。
青木:「行け!ポチ。」は個人的にはイチオシなんですよ。メロディも歌謡的で、しっかりと歌い上げる感じの曲だと思います。「BabyDeadStar」(Track.4)や「WORLD'S END」(Track.5)は真剣にかっこいいことをしていた時代の曲で。いい曲だからいまのメンバーでアレンジをし直して。ちゃんと盤に残したかったんですよね。
NAGA:レコーディング大変だったよね。意外とメロディが難しくて。
青木:レコーディングするにあたって音程を調整したんですけど、それでもやっぱり結構難しくて。あと、TM NETWORKファンとしてはやっぱり最後に半音上げたり転調したりしたいじゃないですか(笑)。難しかったけど、いい曲だと思います。
NAGA:録り終えたあとも、"ライヴでさらに良く聴こえる方法はないだろうか"とアレンジをいろいろ考えてますね。