LIVE REPORT
G-FREAK FACTORY
2017.06.24 @LIQUIDROOM ebisu
Writer 荒金 良介
G-FREAK FACTORYのニュー・アルバム『FREAKY』レコ発ファイナルは、レーベルメイトであり、盟友の10-FEETを対バンに迎えて行われた。"お前らと心中するつもりで来た!"とTAKUMA(Vo/Gt)が吠えると、序盤から「1sec.」を解き放つ。"ガス欠でも臨む、クタクタにさせて次に渡すから!"と宣言すると、「その向こうへ」を披露。演奏中に"G-FREAK FACTORY大好き!"と無邪気に叫ぶ様にも胸を突かれた。そして、ここで新曲「太陽4号」をプレイ。フォークに通じるあたたかさ、ポエトリー調の語り掛けるヴォーカルが鮮烈に響き、また新たなアンセム・ソング誕生に興奮を抑えられなかった。さらにG-FREAK FACTORYから"未完成のまま叫べ"など、いろんな刺激をもらったことにも触れ、ラストは「RIVER」、「goes on」と畳み掛け、今日の主役にバトンを渡した。
"ツアー23本の集大成!"とHiroaki Moteki(Vo)が言うと、G-FREAK FACTORYは「Unscramble」で本編開始。Toshiyuki Harada(Gt)、Nobuyuki Yoshihashi(Ba)、Seitarou Iesaka(Dr)、サポートの鍵盤奏者を含むメンバー4人が脇を固め、ド頭から激しいドレッド・ロックを叩きつける。ポジティヴなヴァイブに満ちた「奮い立て 合い燃えろ」に入ると、観客と密にコール&レスポンスを図り、10-FEETの「hammer ska」の歌詞を即興で織り込んで会場を沸かせた。「日はまだ高く」ではフロアにジャンプ&大合唱の嵐を巻き起こし、観客をひとつに束ねていく。
ド田舎からのメッセージと告げると、「らしくあれと」をプレイ。力強い歌声と演奏で聴く者のハートを射抜いていた。バンドは今年結成20周年となり、暗黒の時期もあったことを振り返ると、"遅咲きにもほどがあるぞ! でも田舎だからこそ続けられた"とMotekiは感慨深げに語り掛ける。そして、"自分たちのために書いた曲"と前置きすると、「HALF-DONE」を披露。また、今回のツアーで10年ぶりに熊本を訪れたようで、仮設住宅に住むお婆さんと接し、いろいろと思うことがあったそうだ。そんな長めのMCを挟み、次の「Too oLD To KNoW」ではイントロから観客がハンドクラップで応え、会場の一体感はとてつもないレベルに到達する。Motekiが右拳を天に突き上げると、多くの人たちが"ウォー!"と歓喜の雄叫びを上げていた。さらに曲中にフリースタイルを差し込み、声が枯れるほどの熱量で眼前の観客に気持ちをぶつけていく。その姿はまさに全身全霊という言葉がピッタリだった。
「ダディ・ダーリン」に入ると、あからさまに声はカスカスになっていたが、そんなことは些末な問題に過ぎない。楽曲からハミ出したエモーションの濃さにただただ圧倒されるばかり。"平凡ほど美しくて、価値あるものはない"と言うと、本編ラストは「EVEN」でビシッと締めくくった。
そして、アンコールを求める声が鳴り止まぬなか、再びバンドがステージに姿を見せると、"解散の危機を救ってくれたのはTAKUMA"と告白し、この2バンドがいかに強い絆で結ばれているかを痛感させられた。それから7月22日に全国公開される劇場版"お前はまだグンマを知らない"主題歌「風林花山」をここで披露。歌詞が太字のごとく浮かび上がり、より伝えようと欲する感情がダイレクトに伝わってくる名曲だ。「KTKZ TO TAIYO」に移ると、地元群馬を代表するラッパー、NAIKA MCがゲストで登場! 熱い掛け合いを繰り広げ、ローカルの誇りを見せつけるパッションに会場も大盛り上がり。最終曲「SUNNY ISLAND STORY」をやり切ると、"これにて大成功!"と叫ぶMotekiの表情は至福のオーラに溢れていた。
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