INTERVIEW
lynch. × 激ロック × バイトル
2018.03.12UPDATE
2018年03月号掲載
Member:葉月(Vo) 玲央(Gt) 悠介(Gt) 晁直(Dr)
Interviewer:吉羽 さおり Photo by 上溝恭香
-貴重なお話をありがとうございます。ではここから、ドリームバイトの今井さんにバトンタッチします。
今井:よろしくお願いします。lynch.は3月11日には幕張メッセで13周年の大きなライヴ"-Xlll GALLOWS- [THE FIVE BLACKESTCROWS]"を控えていますが(※取材日は2月中旬)、私は個人的に、バンドは5年ごとに鬼門があるんじゃないかと感じているんです。例えば、バンド側でやりたいことが変わったり、曲が変わってくることもあるし、それでファンが最初のころとは違うと離れてしまったりするとか。あとは、私の好きなバンドが5年ごとくらいに解散したり、メンバーが脱退してしまったりということもありました。lynch.は13年間活動をしてきて、作曲やアレンジの意見を出しているときに、以前とは違うこと、変わっていることなどはありますか。
葉月:難しいですね。僕らに関しては、5年というのはあまりないですね。でも、僕はいろんなバンドのファンなんですよ。LUNA SEAとか黒夢とかも、キッズのころから熱狂的に好きだったので、ファンの気持ちはわりとわかるんです。今までダークでハードだったバンドが、急にポップになっちゃったりして、こんなのやってほしくないっていう気持ちになることもいっぱいあったから。lynch.のファンにそういうふうに思ってほしくないなっていうのは、あるんです。つまらなくなったな、とかね。だから常に、"今度はこうなったか"、"いいな、すげぇな"って思ってほしいという気持ちありきでやっているので、変わるにしても、もっとより喜んでもらうために変わるというかね。だからlynch.って、今自分がこれが好きだからこれをやろうっていう感じではないんです。例えば今、ヒップホップが好きだからlynch.に取り入れてみようとかじゃないんですよ。それは違うと思うしね。僕の中で、lynch.でやりたいことは、よりファンが熱狂するものであり、熱狂しているファンとその楽曲を演奏して楽しんでいるバンドが、そして周りで見ている人が、"最近lynch.すごいよね"って気になっちゃうくらいの熱を放出できるようなことなんです。だから、変わっていくといえば、変わっていくけど、失望させるような変化をしないようには気をつけているつもりですね。やっぱりありますか、このバンドつまらなくなったなとか?
今井:私は、ひとつのバンドに執着するタイプなので、変化があったとしても"変わったって文句を言ってる人はなんなんだろう"って思って、追い掛け続けるので。でもやっぱり、ひとつのバンドを追っていると、どうしても、ずっと同じだと飽きてしまうというか。どんなに好きでも、そういうことはあると思うので、毎回新しさを見せてくれるバンドに惹かれます。
葉月:なるほど。そこも、難しいところでね。期待を裏切っちゃいけないけど、刺激みたいなものは、更新し続けなきゃいけないので。そこですよね。これやっときゃ大丈夫だろうっていうのは、絶対にダメだし。
今井:はい。3月11日の幕張メッセでのライヴは、早い段階でセットリストを決めていたという話をうかがっています。今は制作の期間中でもあると思うんですが、新しい曲を作っている間に、またセットリストを変えようとか、新しいアイディアが出てきたりすることはあるんですか。
葉月:僕は今のところはないですね。なぜセットリストを早く決めているかというと、そのセットリストを見て、スタッフが演出面であるとか、ステージの組み方のプランを考えるんです。この曲順だったら、こういう演出がかっこいいだろうとか。時間をかけて考えられるように、早く出しているんです。だから今から、この曲入れたいから、やっぱりこれにしようっていうと、そのプランが壊れてしまうんですよね。なので、余程のことがないと変えられないんです。その覚悟のつもりで、"大丈夫かな、これで後悔しないかな"と頑張って決めていて。変えたいメンバーも実はいるかもしれないですけどね(笑)。
今井:今回のセットリストはみなさんで決めたんですか。
葉月:一応僕が考えて、みんなに送ってますね。"変えたいところはありますか"っていう感じで、意見があれば変えて。毎回そんな感じかな。楽器の持ち替えとかの問題があって、"この曲とこの曲は繋げてできないよ"とかを僕が気づかないまま作っているときがあるので。
今井:ありがとうございます。次は個人的な質問になってしまうんですが、私は今学生で、この春から名古屋の会社に就職をするんです。新しいことを始めるにあたっての不安の解消法として、みなさんはどんなことをしていますか。
葉月:いい質問じゃないですか。
悠介:まずはそれに慣れるために、時間をかけることじゃないですかね。僕はlynch.に加入するとき、人付き合いがそんなにうまくないので、馴染めるかなっていう不安はあったんですよね。でも結局は、時間が解決してくれるんですよ。誰とでもフランクに付き合えるような人であれば、そんなに時間はかからないと思うんですけど。あとは、働く場所で自分自身がしっかりと能力を生かせれば、評価してもらえるし、それで"あの人はちゃんとできる人だな"って見てもらえれば、自ずと人も集まってくるだろうし。そういうところかなと思いますね。
玲央:たぶん、この4人の中では、僕が一番社交性があると周りからは言われているんですけど。僕が普段から心掛けているのは、初めましての相手に対して、少しでもイヤな気持ちを持っていると、相手にも絶対に伝わると思うんです。だから、初めましてのときは、僕は基本的に相手のことを好きだと思うようにしていますね。風貌や喋り方とか、その一瞬で苦手だなと思わずに、相手のいいところを探して付き合えれば、うまくやっていけるんじゃないかな。自分に好意を持っている人間に対して、否定的な人はそうそういないと思うんですよね。そうやって人間関係を作っていけばいいのかな。さっきのバイトの話じゃないですけど、接客をやっているといろんな人がいるので。そうするようにしてから、ストレスがなくなったんですよね。意外といい人が多いなっていう。だから、新しい環境、職場に行ったときに、そうやって付き合ってみるのはいいんじゃないかなという、年長者のアドバイスです(笑)。