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LIVE REPORT

lynch.

2014.12.27 @新木場STUDIO COAST

Writer 荒金 良介

2014年12月27日は、lynch.にとって記念すべき日である。開演が17時半スタートということもあり、遅くとも20時前には終わるだろうと予想していた。しかし、"アンコールやるなと言われたけどやる。しかも2曲、急いでやるから!"と葉月(Vo)が早口で捲し立てた際には思わず破顔一笑。まさかのWアンコールに入り、全行程が終了したのは21時前。約3時間半に及ぶ長尺ライヴはようやく幕を閉じた。

2004年に名古屋で結成されたlynch.は、同年12月27日に初ライヴを行った。それからちょうど10年後に彼らは新木場STUDIO COASTのステージに立つ。それが"THE 10TH BIRTHDAY 『2004-2014』at STUDIO COAST"と銘打たれた今日のバースデイ・ライヴ。歩んできた道程を振り返ながら、大きな区切りを胸に刻み、また新たな旅路に出る。バンド側の心情は、まだ道半ばといったところかもしれない。けれど、10年間を走馬灯のごとく駆け抜けるlynch.の勇姿は惚れ惚れするほどカッコよかった! もっと言うと、通常のレコ発ツアーでは重い十字架を背負うようなシリアスなムードを感じる場面も少なからずある。ガムシャラに前に突き進むのも悪くはない。でも来た道を振り返り、時には周りの景色を堪能する余裕も必要だろう。そういう意味でも今日は程よく肩の力が抜けながらも、気合いと魂のこもったパフォーマンスを見せてくれた。

17時37分、青い照明と共に美しい鍵盤の音色が鮮烈な印象を与える「LAST NITE」で静かに幕を開ける。ステージを覆う白幕が下り、"来いよ、新木場行くぞー!"と高らかに宣言すると、「I'm sick, b'cuz luv u.」に突入する。激しく明滅する照明に興奮しつつも、一気呵成に畳み掛けるヘヴィな音像に仰け反った。背面スクリーンにはカラフルな幾何学模様が浮かび上がり、「-273.15℃」では数本のパイロがド派手に打ち上がる。もう、序盤から耳目を刺激する演出効果に興奮は収まらない。"10年は感慨深いけど、今日は長いので俺ももたないから、10年は置いといて、今を楽しむ。全力で来いよ!"と葉月はさらに焚き付け、"2,000人の声を聴かせてくれ"と煽り、会場をひとつに束ねる。中盤辺りには「BALLAD」、「MAZE」、「an illusion」、そして、「forgiven」、「prominence」、「from the end」とミドル・テンポの歌ものを繋ぎ合わせ、妖艶なメロディ・ラインで奥深い世界に誘う。マッチョなラウド性もlynch.の真骨頂だが、ストーリー性豊かなシアトリカルな曲調においても優れた楽曲センスを発揮。続いて壮大なスケール感で聴く者を引き込む「PHOENIX」をプレイすると、後半はアッパーかつカオティックな演奏で会場を荒々しく掻き回す。「GALLOWS」で天井から鼓膜をつんざく爆竹音が響き、フロアの温度はさらに急上昇!「VANISH」、「MIRRORS」など破壊力抜群の楽曲を次々に投下していく。それから"俺とお前らの絆を歌う"と説明したあとに「Adore」を披露し、本編を締め括った。

アンコールに応えると、葉月は思いの丈を吐き出すように長めのMCをする。メンバーもしっかり介入した10周年記念ベスト・アルバムを3月11日に発表。この日付にも意味合いがちゃんとあり、"これを機に前を向く日にしてもらえたら"と付け加えていた。また、5月にはバンド初の東名阪に渡るホール・ツアーも決行。これまで椅子がある場所ではやりたくないと拒んできたが、次のフェーズへ進むために覚悟を決めたらしい。その先にはさらなる目標が待っている。"武道館行くぞ、絶対行くから!"と自らに言い聞かせるように葉月は2,000人の観客の前で力強く宣言した。それから2回のアンコールで7曲追加し、計37曲を完全走破。無事10歳の誕生日を迎え、歓喜と闘志が図らずも剥き出しになったいいライヴだった。

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