DISC REVIEW
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予言というより、もはや確定事項になるだろうか。今作はlynch.にとって未来に向けての道しるべとなるものであり、やがては彼らを約束の地へと導いてくれることになるに違いない。結成15周年を迎え制作された『ULTIMA』は、現時点での究極であるという意味でこの言葉を冠したというその逸話に相応しい完成度を誇る。幻想的な導入部から力強さを感じさせる曲展開へとシフトしてゆくタイトル曲から始まり、リード・チューン「XERO」では圧倒的な顧客満足度を獲得しながら、躍動感に溢れた「BARRIER」、凶暴性が痛快にドライヴする「MACHINE」なども交えつつ、深遠なる「ASTER」と感慨を醸し出す「EUREKA」で締めくくられる全12曲。ここには一点の曇りもない。 杉江 由紀