DISC REVIEW
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もの悲しげなピアノ、遠くで響くカラスの鳴き声、意味深なイントロダクションで幕を開けるメジャー3枚目のフル・アルバム。前作『EXODUS-EP』はヘヴィかつダークな音像を突き詰めた会心作だったが、今作はその領域に止まらない凄まじい出来映えだ。闇感をさらに突き詰め、日本語詞の割合が増えたことも大きいが、ブリブリな音で前のめりに攻めつつも、生々しい感情がストレートに訴えてくるメロディアスな側面も存分にアピール。インタビューでも本人たちが語る通り"代表作"的な1枚と言えるほどlynch. らしさが全編に敷き詰められている。特に血が滴るような題材からセクシャルものまで射程に入れた日本語詞の振り切れ具合、それに比例した肉弾的なサウンドも破壊力抜群である。何度も繰り返して聴くことをお薦めする。 荒金 良介