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INTERVIEW

lynch.

2017.11.06UPDATE

2017年11月号掲載

lynch.

Member:葉月(Vo) 玲央(Gt) 悠介(Gt) 晁直(Dr)

Interviewer:杉江 由紀

渇望し希求し続けてきたlynch.が、ここに来ていよいよ次なる夢への照準を定め、さらなる臨戦体制へと突入したようだ。現在は、12月まで続く"TOUR'17「THE BLØODTHIRSTY CREATURES」"を敢行中の彼ら。11月8日に発表するニュー・シングルは、まさに貪欲なlynch.のことを比喩したかのような"BLØOD THIRSTY CREATURE"というタイトルになっている。来年3月11日に幕張メッセ国際展示場にて開催されることが決定した、彼らにとっての大切な節目となるライヴ"lynch.13th ANNIVERSARY-Xlll GALLOWS-"を前に、lynch.がここで世に放つ作品は、彼らの内に流れる血と、彼らの内で燃えたぎる魂が、そのまま具現化したものであると言っていい。

-先日のEX THEATER ROPPONGI公演(10月20日に開催)を皮切りに、12月まで続く"TOUR'17「THE BLØODTHIRSTY CREATURES」"が始まりました。まずは、初日を終えた段階でみなさんが感じていらっしゃる手応えについて、率直なところを教えてください。

玲央:前回のツアー(※"TOUR'17「THE SINNER STRIKES BACK」")が短期間に多くの本数を詰め込んだものだったので、あのときはライヴをやることが日常のようになっていたんですけど、それから2ヶ月近くワンマンをやっていなかったせいか、今回の初日を迎えるにあたっては、なんだかちょっと久しぶりに感じてしまったところがありました(笑)。そのぶん、ステージに立てたことが嬉しかった反面、"まだもっとやれたかな"と思ったりもしてしまいました。

-観ていた側からすれば、"初日にしてここまで仕上げてくるか......!"と感じるような完成度のライヴだったのですけれど、やはりそこはさすがのlynch.ですね。ストイックで自らに厳しいあたりは、本当に相変わらずです。

玲央:ただ、そういったことは毎回のツアーが始まるたびに感じることですからね。そこはまた、ここから続いていくツアーの中で、どんどん磨いていきたいと思っています。あと、もうひとつ。今回のライヴではまだリリース前だったにも関わらず、会場に来てくれたみんなが、今度のシングル(『BLØOD THIRSTY CREATURE』)に入る新曲たちを、先行配信した音源や、YouTubeに上げたMVなんかでしっかりと予習してくれていたことが、とても嬉しかったです。そして、この楽曲たちはリリースと前後して、より爆発的な力を発揮していくであろうと信じているので、この先に対しても大きな期待を持っています。

悠介:たしかに、新曲たちをどう成長させていくかというのは僕の中でも、バンドの中でも今かなり大事な課題となっているところがありますね。あとは、かなり個人的なことにはなるんですが、実を言うとあの六本木のときは左足を捻挫していたんですよ(苦笑)。まぁ、ほぼ治りかけではあったものの、やっぱり普段とまったく同じように動くというわけにはいかなくて。でも、そこは逆にいつもと違うなら違うなりの見せ方もあるんじゃないか? と考え方を前向きにシフトできたので、それもひとつのいい経験になりました。自分の中では、夏に日比谷野音でやったとき(8月11日の"TOUR'17「THE SINNER STRIKES BACK"ツアー・ファイナル公演)に、あの広い空間を活かし切れていなかったな、ということを、あとになって映像で確認したときに自覚したところがありましたしね。そういう意味でいくと、ここからのライヴはすべて来年3月11日の幕張(幕張メッセ国際展示場で開催する"lynch.13th ANNIVERSARY-Xlll GALLOWS-")に繋がっていくものだと思っているので、もっと目には見えないようなオーラだとか、自分にしか出せない空気感を、色濃くステージの上で出していけたらいいな、と今まさに感じています。

玲央:......え? っていうか、捻挫してたの!? 同じステージに立っていたのに、そんなこと微塵も感じなかった(笑)。

-メンバーにも悟られなかったとは、プロ魂、プロ根性の成せる技ですね。一方、晁直さんとしては、初日のライヴに対してはどのような印象を?

晁直:ある意味では、いつもどおりの初日だなと感じたライヴでした。ただ、冷静に考えるとEX THEATER(ROPPONGI)のキャパというのは、今までだったら、ツアーのファイナルでやるような会場でもありましたからね。その事実から、今lynch.が立っている場所、立ち位置というものを改めて認識しましたね。自分のバンドのことながら、"いきなり初日から、こんなに大きいところでやれるようになったんだな"と感じたんですよ。でもまぁ、現状ではまだ僕らもお客さんたちの方も、新曲に関してはどこか様子見な部分があるので、そこはちゃんと、このツアーを通して掴んでいければいいなと思ってます。

-フロントマンである葉月君からすると、あのツアー初日を終えたうえで今ここから目指していこうとしているのはどんなところなのでしょうね。

葉月:まず今回のツアーの場合、夏のツアーがあって、野音があって、そしてあの初日という流れが僕的にはなかなか良かったんですよ。大きいところでやるっていう感覚を、そのまま野音から持ち越しながら臨めたという意味で。だから、EX THEATERは"普通に良かった"っていう言い方をするとちょっと変かもしれないですけど、落ち着いてリラックスしながらやれました。むしろ、リラックスしすぎたとも言えますけどね。MCがノープラン過ぎたり、本当なら1曲目で「MOON」(2015年リリースのフル・アルバム『D.A.R.K. -In the name of evil-』収録曲)をやったあとにみんながチューニングをして、僕が場を繋ぐために声を発さなきゃいけない場面があったのに、お客さんたちの大きい歓声を聞きながら"うわー、すげーなぁ!"とか思っていたら、ついそれを忘れてしまいまして。結果、晁直さんがブチ切れてました(苦笑)。

-だとしても、ライヴとしては完全に成立しておりましたのでね。ちなみに、新曲たちを初披露してみてはいかがでしたか。

葉月:ツアー前にMVを公開していたせいもあるんでしょうけど、「CREATURE」(『BLØOD THIRSTY CREATURE』収録曲)が始まった途端、lynch.にしては珍しく歓声が沸き上がったので、"おぉ!"ってちょっとびっくりしました。lynch.のお客さんたちって少し冷めているというか(笑)、そこまで盲目的に何に対してもすぐキャー! って言うようなタイプではないだけにね。なんか、ヒット・チューンでもやったときみたいな反応でした。

-あの大歓声は、今回のシングル『BLØOD THIRSTY CREATURE』に対して、それだけの多大なる期待が熱く寄せられている証かと。そして、今作はなんでも、夏に行われた日比谷野音公演が終わった直後から制作に入ったそうで。

葉月:そうです、原曲そのものを野音が終わった段階で作り始めました。