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INTERVIEW

lynch.

2017.11.06UPDATE

2017年11月号掲載

lynch.

Member:葉月(Vo) 玲央(Gt) 悠介(Gt) 晁直(Dr)

Interviewer:杉江 由紀

-それから......これはそもそも論になりますが、lynch.が次に向かう地がなにゆえ幕張だったのか、ということも改めて解説していただいてもよろしいでしょうか。

葉月:これまでずっと、lynch.は節目となるワンマンをやるたびに"夢"を定めて、そこに向かって走り続けてきたバンドなんですよ。

-それこそ、夏の日比谷野音も当日になって完売させてみせましたものね。

葉月:そういう基本姿勢があることを前提に、僕らはこれまでいろいろな場面で"いつか必ず武道館でやりたい"という意志表示をしてきたわけなんですが、今回どうして幕張だったのかを言えばそこは現実な問題で、武道館ができないからという一点に尽きます。改装工事に入ることが決まっていて、スケジュール調整がどうしてもできなかったんです。

-なるほど、そういうことでしたか。

葉月:かといって、武道館の改装終了をじっと待っているだけではいつになるのかもわかりませんからね。だったらここは、武道館と同規模の会場で、13周年というこのタイミングでのワンマンをやろう、となったんですよ。その場合、横アリなのか幕張なのかみたいな選択肢もありましたけど、日程として幕張で3月11日でやれることになったので、今回は"武道館が取れませんでした"っていうこともはっきり言ったうえで、それを新たな目標、新たな夢とすることにしたんです。

-つくづく、lynch.というのは誠実かつ正直なバンドですよね。別にそこまでの内情を明かすことなく、お茶を濁すこともできそうなものなのに。

葉月:そこはだって、あれだけ武道館、武道館と言い続けてきたからには絶対に"なんで武道館じゃねーんだよ!"ってなるのはわかっていましたからね(苦笑)。きっちりと本当のことを言っておかないと、次の説明ができなくなってしまうじゃないですか。

玲央:辻褄が合わなくなってしまいますからね。それは、バンドに対しての信頼性に関わってくる問題でもあるんです。

-素敵です。凛とした男気を感じます。

葉月:そこの根本をちゃんとさせておかないと、何をやっても、何を言っても、何を歌っても薄っぺらくて熱のこもっていないものになってしまうだろうし、きっと説得力に欠けてしまって伝わるものも伝わらなくなってしまうと思うんですよ。それは絶対に避けたかったんです。

-続行中の秋冬ツアーを経て、lynch.が次なる夢をいかにして叶えていくことになるのか......。今からとても楽しみでなりません。みなさんは現状、どのようなヴィジョンを描いていらっしゃいますか。

葉月:13周年で"GALLOWS"だなんて、言葉の並びは縁起が悪過ぎますけどね(笑)。でも、このタイミングでのライヴは絶対にやりたかったんですよ。しかも、あれだけ広いところなので演出的にもいろいろなことができそうだし、スケール感のあるアリーナ・クラスのlynch.というものを僕も楽しみたいし、みんなにも楽しんでほしいです。ただ、幕張ってフル・フラットじゃないですか。"後ろからは見えねーじゃねーかよ!"って心配している人もいると思うんですけど、そこはなんとかしておくので大丈夫です。まだ作戦を練っている途中ではありますが、安心して来てください(笑)。

玲央:葉月の言うアリーナならではのスケール感を、効果的に使いこなすというのも重要だと思うんですよ。でも、究極的にはそれだけの空間をライヴハウスにする、っていうところもlynch.としての目指すべきところなんじゃないかと僕は思ってます。むしろ、そこに尽きるかもしれないです。大きい会場だけにいろいろ演出の面でやれることは増えるとはいえ、最も大事なのはそこの根底をどれだけ突き詰められるかだと思いますから。僕らの活動がスタートしたちっちゃいライヴハウスとなんら変わらないレベルで、幕張にも高いエネルギーを充満させたいです。あとは、結成から13年かけて幕張でやることになったバンドがここにいるんだということを、若い世代のバンドたちにも改めて知ってもらえるといいですね。"すぐやめんなよ!"という意味で(笑)。

-実に重みのあるお言葉ですね。

玲央:時間がかかったとしても、夢を手に入れることはできるということを身をもって証明したいですね。そのことが、この先の自分にとっての自信や希望にもなっていってくれればいいなと願ってます。

晁直:幕張のライヴを成功させることによって、lynch.というバンドがシーンの中で"頭ひとつ上に抜けたな"というふうに、多くの人たちに認識してもらえるような存在になれたら嬉しいですね。ただやりました、ではなくプラスアルファを得ていきたいです。

悠介:そのときになってみないとわからないことが多いんでしょうけど、自分が望んでいるような一体感を幕張で感じたいなという欲求はありますね。それは僕たちだけでは叶えられないことでもあるので、今やっているツアーの中で、ライヴにおける純度というものを高めていきながら、みんなと一緒に幕張への熱を高めていきたいです。そして、そこから3月までには少し時間が空いてしまうんですけど、その間は僕自身もそうありたいし、みんなに"飢えていてほしい"んですよ。

-まさに、lynch.とlynch.を愛する人々が幕張公演に向けて共に"BLØOD THIRSTY CREATURE"と化していくわけですね。

悠介:ぜひ、飢えた状態でlynch.を求めに来てほしいです。