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INTERVIEW

TOTALFAT × 激ロック × バイトル

2017.04.12UPDATE

2017年04月号掲載

TOTALFAT × 激ロック × バイトル

Member:Shun(Vo/Ba) Jose(Vo/Gt) Kuboty(Gt/Cho) Bunta(Dr/Cho)

Interviewer:杉江 由紀

やるなら、とことんまで真剣に突き詰める。その姿勢こそ、TOTALFATにとってずっと変わらぬものなのだろう。今春で17周年を迎える彼らが、かつてアルバイトをしながらバンド活動を行っていたころのエピソード。そこから感じられるのは、約2年ぶり8枚目の最新アルバム『FAT』の随所からも溢れる"やらねばならないことに対する真摯なスタンス"そのもの。中途半端を許さない彼らの姿は、やはりどこまでもロックだ。

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-バンド活動をしていくにあたっては、スタジオ代しかり、機材費しかり、何かとお金がかかってしまうのが実情です。みなさんの場合は、かつてそのような状況を乗り切るためにどのようなアルバイトをしていた経験があるのでしょうか?

Shun:今でもすごく思い出として残っているのは、Kubotyの前にいたギタリストでYasushiという奴がいたんですけど、彼の実家が営んでいる工場での"バリ取り"という朝までの夜勤仕事ですね。機械でプレスされたシリコンの部品に付着している、周りのバリをひたすらカッターナイフで切り取っていく仕事なんですよ。それを、当時のメンバーだったYasushiとふたりでひたすら夜通しやりながら、"次のライヴではどんなことをしようか"とか、"今度はこんな曲を作りたいね"なんていう話を、よくしていたんです。

-夜勤のアルバイトを選んだのは、やはり時間のやりくりの面からですか?

Shun:そうなんですよ。当時はまだ大学生で、昼間は学校がありましたからね。まずは学校に行って、スタジオに入って、バイトはそれからだったんで、夜の9時とか10時スタートで朝までっていうパターンが多くなっちゃってました。そして朝からまた学校、と。

-相当ハードですね。寝る時間がないではありませんか!

Shun:だから、よく学校で寝てました(笑)。大学だと授業の合間に90分とか空き時間が出ることもよくあるんで、そういう隙にロビーのソファーで寝てたんです。でも、当時は別にそれをハードだとは思っていなかったんですよ。そういうライフ・スタイルそのものが、"バンドをやってる!"という実感に繋がっていたというか。結局、バイトの間も作業自体は単純で地味だったけど、それだけにずっと仲間と音楽のことを話しながら仕事が楽しくできていたし、めちゃくちゃ充実しているなという感覚が強かったですね。

Bunta:それに、Shunさんはもともと単純作業が得意だもんね!

Shun:俺、そういうときって意外とマシンになれるんですよ。昔、Buntaとも郵便物の結束作業っていうバイトをやっていたことがあるんですけど、それも夜勤で朝までひたすら機械と化して結束し続けてましたもん(笑)。

Bunta:夜9時から朝8時半まで、ずっとだからなぁ(苦笑)。

Shun:話し相手がいるときとか、話していられるような状況であれば楽しく話しながらやるんですけど、そうじゃなくて作業に集中するしかないときは感情のスイッチをオフにして、無の状態で身体だけを淡々と動かしていくことができるんですよ。たぶん、そういうときの俺は能面みたいな固まった顔をしていたと思います(笑)。

-もはや、ロックとは真逆のテンション感ですね。悟りでも開けそう(笑)。

Shun:たしかに、ある意味ちょっとした修業という側面はあったかもしれませんね。無の境地で、でも作業は正確にやっていましたから。自分をコントロールするという術を、あのバイトを通してひとつ身につけたとも言えるのかな。それとはまったく違うテンション感のバイトとしては、パチンコのホールっていうのもあったんですけどね。

-玉運びや接客ですか?

Shun:それ以外に、アナウンスもやってました。"えー。本日はぁ、数ある競合店の中からぁ、当店をご指名/ご来店いただきぃ、誠にありがとうございまぁす!!"みたいな感じで(笑)。

-このニュアンスを活字でお伝えするのは大変難しいですが、こちらはコメント動画の方でみなさまにお伝えしたいところです(笑)。Shunさんはさすがにヴォーカリストなだけあって、アナウンスの発声まで完璧で驚きます。

Shun:というか、そこで鍛練されたところもあるかもしれない。パチンコ屋さんって、ライヴハウスと違ってちゃんとした音響もないし、玉の流れる音とか雑音も多いじゃないですか。声の出し方によって、声の通る/通らないが相当違うんで、うるさいところでも通りやすい声の出し方はあそこで習得したと言っていいですね(笑)。

-そんなShunさんとも一緒に働いていたことがあるというBuntaさんにとっては、どんなアルバイトが特に思い出深いのでしょう?

Bunta:僕の場合は、わりと多ジャンルでしたね。Shunさんと一緒の郵便物結束でしょ、プールの監視員、スナックのボーイ、マック、ファミマ、銀のさら、釜寅、イタ飯屋さん、あとはティッシュ配りなんかもやりました。一時は、3つのバイトを掛け持ちしていたこともあったんですよ。

Jose:一緒に舞台設営のバイトをやったこともあるよね。

Shun:THE ALFEEのライヴだったっけ?

Bunta:そうそう! 俺、ドラマーなんでどうしても気になっちゃったから、仕事の途中でササッとドラム台の方に近寄っていって、"どんなセットになっているんだろう?"って覗いたりしちゃいましたもん(笑)。

Jose:俺も、ギターのテックさんに"自分もギターをやっているんです!"と声を掛けて機材を見せてもらったり、ちょっとだけギターを触らせてもらったりできたんですよ。

-大先輩バンドの舞台設営で、勉強までさせてもらえたわけですね。

Shun:バンドとはあんまり関係ないけど、オーケストラの音響設営は僕もやったことあります。PA卓を運ぶときは、特に緊張しましたね。だって、アレって数千万円もするものなんですよ。だから、現場監督みたいな人に"オマエら、これを落としたら大変なことになるから気をつけろよ!"ってすごい勢いで言われたりしました。

Bunta:いろんなバイトをやると、いろんな経験ができるよね。俺の場合は、特にスナックのボーイをやっていたときにそれがいろいろありましたね。お酒を提供する大人のためのお店なだけに、男女たちが繰り広げている恋愛模様とか(笑)、様々な人間ドラマを、ボーイとしての視点からずっと垣間見ていました。

-相手は酔客ですから、時にはからまれたりすることもあったのでは?

Bunta:多少はそういうこともありましたけど、そのぶんいろんな意味での"人との接し方"に関してはすごく鍛えられましたね。結局、何をするにしてもその基本には人間関係ってまず発生してくるじゃないですか。そのいろいろなパターンをホストとして直接接客するとかじゃなく、あくまでもボーイという少し"退いた立場"からじっくり見ることができたのが、なかなか貴重な体験だったと思います。人や状況を見て自分なりに対応するという判断力や、気配りのあり方なんかを身につけることができました。