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LIVE REPORT

TOTALFAT "FOR WHOM THE FAT RETURNS" Tour

2009.11.23 @新宿LOFT

Writer 山本 真由

 11月23日、新宿LOFT。その日はさすがソールド・アウトの公演とあって、550人を超えるオーディエンスによってギュウギュウに埋め尽くされていた。
 この日は本来ならば、イギリスから女性ヴォーカルのパンク・バンドTATが加わり、インターナショナルなイヴェントとなる筈であったが、TATがメンバーの体調不良により来日をキャンセル。その代りにCATCH ALL RECORDSのルーキー、Mr.JiNGLESが参戦、奇しくも現在の日本のパンクロック・シーンを象徴するようなイヴェントとなった。


 まずトップ・バッターはMr.JiNGLES。のっけからハイテンションで装飾の少ないドタバタなパンク・サウンドが、オーディエンスを煽る。
 演奏やヴォーカルには少々粗さが感じられたが、ドラムは安定感があり、何よりそのユーモアに満ちたサウンドはTHE TOY DOLLSやTHE DICKIESを彷彿とさせる「パーティー感」をしっかり持っていた。完全燃焼な彼らのステージは、ライヴハウス全体を一つにすることに成功したに違いない。


  続いてNothing's Carved In Stone。ELLEGARDENの生形真一(Gt)とストレイテナーの日向秀和(Ba)が中心となって結成したバンドだ。
今回のライヴで初めて彼らのサウンドに触れたのだが、演奏力の確かなことは勿論、楽曲の完成度に驚かされた。 FOO FIGHTERS等のUSオルタナティブ・ロックの影響も感じさせるダイナミックな楽曲に、日本人らしい歌心が合わさった、これはもうパンクではないだろう、ロックンロールだ。オーディエンスは、Mr.JiNGLESのノリとは一転、一曲一曲を噛みしめるように聴き入っていた。


  そして本日のメイン・アクト、TOTALFATの登場!!
まだかまだかとセット・チェンジにうずうずしていた会場には一気にざわめきが響く。 一曲目は前作アルバムの一曲目「Da Na Na」。西海岸パンク直系のキラー・チューンだ。するともう、あっちからこっちからクラウド・サーフが発生、前方は完全にもみくちゃなモッシュピットになった。
 続いて、今年リリースされた最新アルバム『FOR WHOM THE ROCK ROLLS』より「Highway Part.2」、ここからは新作中心のセット・リストになる。新曲は、彼らの得意とするところのSUM41やSIMPLE PLANのようなモロ「2000年代パンク・サウンド」の流れは汲みつつ、ダンス・ロックの要素も取り入れ、"今"なサウンドになっていてキッズのハートをがっちりキャッチしている。
 超満員のLOFTの後ろの方まで(大人見でなく)ノリノリで踊るキッズたちを虜にしているのは、彼らのパワフルなパフォーマンスそのものだけでなく、細かいところに様々なルーツを感じさせる楽曲の豊かさにあるだろう。
「I'm Not」のメタリックなギター・リフやメンバーの統一感の無い容姿(笑)をみてわかるとおり、元々NOFXのコピー・バンドとして結成されたTOTALFATだが、彼らの音楽性は西海岸メロディック・パンクを基本としながらも、ルーツにあるものはそれだけではない。
 彼らは(筆者とは同世代の)いわゆる「ハイスタ以降」のR25世代。日本に洋楽パンクとは一線を隔した独特のメロディック・パンク・シーンが定着している中、そのシーンと自らの音楽性(英歌詞・洋楽志向)を繋ぐ、大きく言えば「日本と世界のパンク・シーンの架け橋となる」ことが、今後の彼らのミッションになってゆくのではないか。

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