DISC REVIEW
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昨年、日本人初となる"PUNKSPRING"のヘッドライナーという偉業を成し遂げ、名実共に日本を代表するパンク・バンドとして、今年結成17周年を迎えたTOTALFATが、さらなるステップへと進化を遂げるニュー・アルバムを完成させた。今作では、ロック畑に限らず、レゲエ界やヒップホップ界のミュージシャンとのコラボにもチャレンジし、それでいて楽曲自体の"らしさ"は全開という突き抜け感。期待を裏切らないファスト&ショートのシンプルなアプローチも健在ながら、ポジティヴな楽曲で踊れるロックという要素、そしてグッと刺さる日本語詞にもより磨きをかけて、ノリだけでなくメッセージの伝わりやすさにも安定感が増した。もはや向かうところ敵なし、これからの彼らの挑戦とは己との闘いなのだ。 山本 真由