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LIVE REPORT

ROACH / ヒステリックパニック / ANGRY FROG REBIRTH

2015.06.23 @下北沢LIVEHOLIC

Writer 荒金 良介

"LIVEHOLIC presents GRAND OPENING SERIES vol.14"と題した下北沢LIVEHOLICのこけら落とし公演シリーズも終盤戦を迎え、今日はヘヴィな音好きにはたまらないメンツが顔を揃えた。

トップバッターを務めたのは、今年5人体制でガッチリ固まったANGRY FROG REBIRTH。「2step syndrome」で火蓋を切ると、いきなりフロアはジャンプ&ダンスと観客は暴れ出す始末だ。会場のキャパも狭く、満員御礼の過密さも手伝い、隣にいた女性が後ろ髪を結うと、それが僕の顔を直撃するほどで思わず苦笑いが零れた。それから「Funky」、「ペケポン」とノリのいい明るい楽曲を投下し、スカのリズムでも会場を激しく揺らす。「SUMMER DAY」においては、ギュウギュウの場内を一度座らせてジャンプさせる場面もあった。そして、U(Vo)が"ツーステップ!"と焚き付ける「SUNDAY SILENCE」、イントロから自然にクラップが起きた「LOVE YOU」をプレイする攻撃モードで畳み掛けた。後半はUと池田(Vo/Gt)のふたりの歌メロが光るバラード調の「U&I」でしっとり聴かせ、メリハリのあるライヴで魅了する。"俺は子供だったころに戻りたいんよ! ここは俺たちの場所じゃなくて、お前たちの場所!"と力強く池田が言うと、最後に名曲「EMILY」を放つ。多くの観客が歌詞を歌い上げる様にグッと来てしまった。

2番手は名古屋発の5人組、ヒステリックパニックの登場だ。"もうちょっと前に来て! LIVEHOLICをぶっ壊す!"ととも(Vo)が挑発的なMCで煽ると、「うそつき。」で始まった。初っ端からヘドバンの嵐を吹かせ、会場もヒートアップするばかり。RED HOT CHILI PEPPERSの「Around The World」の激重カバーもかっこよく、グイグイ引き込まれていく。その後、もうすぐ出るメジャー1stアルバム『オトナとオモチャ』収録のリード曲「ライジングさん」をここで披露した。肉体に訴えるビート感、Tack朗(Gt/Vo)のハイトーンも冴え渡り、新曲とは思えない盛り上がりを記録する。"むち打ちになるくらい頭振れ!"と再びともが煽り、「GOSSIPS」、「AM27:00」と続けてプレイ。もう、会場はカオスな盛り上がりで、何度も身体を吹き飛ばされてしまった。"死んでるような人が生きてることを感じられるのがライヴ......こういう場所が増えて喜ばしい"とともは告げ、「TeaR」、「人生ゲーム」で締めくくった。途中、ライヴハウスの床が抜けるんじゃないかと心配になるほど、観客を阿鼻叫喚の渦に落とし込んだヒスパニ。恐るべし!といえる度肝を抜くパフォーマンスだった。

そして、今日のトリを飾ったのはROACHだ。21時17分、"沖縄のROACHが、新しいライヴハウスに歴史を刻むぜ!"とtaama(Vo)が宣言すると、「No Reason in the Pit」で豪快に幕開け。さらに「MAKE HERE HELL」でメンバーの動きも激しくなると、観客が一緒に歌い、騒ぎ、フロアは異様に活気づいていく。3曲目にtaamaの失恋をモチーフにした「リーリヤ-never again-」を放つ。優しい歌メロと漆黒のヘヴィネスの対比は素晴らしく、同期も効果的で音源以上のダイナミズムを運んでくる。中盤には大陸的なメロディが印象的なバラード調の「HOPES」を挟み、途中で沖縄の慰霊の日(6月23日)にもMCで触れるあたりにも、何か心に残して帰って欲しいというROACH側からの願いが秘められていたのではないか。そのあとにプレイした「LINE-小さな島の国境線-」がより一層胸に刺さったのはいうまでもない。終盤は「GET MORE!!」、「HIGH FIVE!!」とアッパーな楽曲を連発し、フロアはフライパンで熱く炒められたゴマ粒のごとく跳ね回る観客で溢れていた。終演を迎え、外に出ると、土砂降りの雨が降っていた。けれど、今日の3アクトのライヴを目の当たりにして、大満足で家路に着いた。

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