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FEATURE

ANGRY FROG REBIRTH

2015.07.23UPDATE

2015年07月号掲載

新機軸を盛り込んだ濃厚なニュー・シングルが到着!

Writer 荒金 良介

今年、ANGRY FROG REBIRTHはバンド結成5周年を迎える。

昨年から今年5月まで、47都道府県を回る全国ツアーを敢行した彼ら。普段はなかなか行けない土地に足を運ぶことで、バンド内に大きな刺激をもたらしたようだ。振り返れば、90年代のインディーズ・バンドはCDが売れなくなった時代とか関係なく、ライヴこそが最大最高のプロモーションと考え、当たり前のように全国ツアーをやっていた。"日本を2周、3周した"という言葉もごく普通に耳にしていた。なので、僕はそれが普通だと感じていたのだが、最近はどうやらそうではないらしい。全国ツアーは各地のファンに直に触れ合えるチャンスでもあるし、何よりバンドの演奏力と結束力を高めるためにも大切なことだと思う。

ただし、ANGRY FROG REBIRTHの場合はさらに複雑なバンド事情を抱えていた。昨年8月にオリジナル・メンバーのMaru(Gt)が脱退、翌月にミヤチ(Gt)がサポートを務め、今年3月に横珍(Dr)が加わり、ようやく現5人編成として固まった。第2期・ANGRY FROG REBIRTHの始まりだ。池田(Vo/Gt)は当時、"イチからバンドを立ち上げたぐらいの気持ちがある"と心境を吐露していた。

そして、彼らから前シングル『LOVE YOU』以来、わずか5ヶ月のスパンで、3rdシングル『60億の翼』が届いた。表題を見てピンと来た人もいるかもしれない。バンド初の日本語タイトルが付けられている。それと密接に関係しているのだろうか、表題曲はTVアニメ"ガッチャマン クラウズ インサイト"のエンティング・テーマに抜擢された。U(Vo)が英語で激情たっぷりの扇動的ヴォーカルを轟かせる一方で、池田は日本語でキャッチーな歌心を響かせ、彼らの十八番と言える対照的なツイン・ヴォーカルの掛け合いは、大きな聴きどころと言えるだろう。激しい音像と真摯なメッセージ性の両極端の要素をうまく落とし込んだ楽曲だ。前半の"いつだって正義は多数決で決められる"という歌詞には悲壮感が漂うものの、後半には"1人1人がヒーローになって 僕らの世界をとりもどそう"と歌詞で力強く呼びかけ、その言葉を援護射撃する"ウォーウォー"のコーラス・ワークも効果的だ。今からライヴハウスで観客が大合唱する絵が浮かんでくる。いや、実際そうなって欲しい。なぜなら、聴き手ひとりひとりに熱く訴えかける曲調になっているから。

Track.2「ベルク・カッツェ」は、ブリブリのギターが火を吹く全編英語詞の激重ナンバー。Uの容赦なき野獣のごとき咆哮に池田のハイトーンが絶妙に絡み合い、抜けのいいドラム・サウンドもバンドの屋台骨をしっかり支えている。中盤過ぎにはLIMP BIZKITのFred Durst(Vo)のようなラップ調の歌メロを挟んでいるあたりは、新しいアプローチと言えるだろう。

それに対し、Track.3「DEADMAN」は全編日本語詞で挑んでいる。初めて聴いたときは、ちょっとこれまでの彼らの楽曲とは違う印象を受けた。オルタナ/グランジ風味のミドル・テンポの曲調で、Uと池田はスクリームを封印した形で見事に歌い上げている。また不穏なサウンドに切ない歌詞が乗り、いろいろとイマジネーションを刺激されてしまう。聴けば聴くほど、次第に引き込まれていく楽曲だ。

全3曲、新たな切り口と違うテイストを盛り込んだニュー・シングルと言えるだろう。現在の5人体制に固まって数ヶ月、今のメンバーの嗜好が楽曲により反映された証なのだろうか。それは直接バンドに聞いてみないとわからない。ただ、サウンド的には第2章の幕開けと言える仕上がりになっていることはたしかだ。今後も夏フェスを含め、全国各地でライヴをやっているので、彼らの熱きパフォーマンスをぜひ体感して欲しい。

 

ANGRY FROG REBIRTH
ニュー・シングル
『60億の翼』
[Live Power Creative]
2015.08.05 ON SALE!!


【初回限定盤】CD+DVD
LPCD-0006-7 ¥1,500(税別)
※"ガッチャマン クラウズ インサイト"描き下ろしイラスト・アナザー・ジャケット封入
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【通常盤】CD
LPCD-0008 ¥1,000(税別)
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CD
1. 60億の翼
2. ベルク・カッツェ
3. DEADMAN
 
DVD(初回限定盤のみ)
5月29日(金)渋谷TSUTAYA O-WEST公演のライヴ映像を収録(詳細未定)

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