INTERVIEW
ANGRY FROG REBIRTH
2014.06.10UPDATE
2014年06月号掲載
Member:池田 直樹 (Vo/Gt) U(Vo) Maru (Gt) roku (Ba)
Interviewer:荒金 良介
-前作のTOWER RECORDS限定シングル『EMILY』の反響はどうでした?
池田:出したときは賛否両論で、"今までと違う""ラウドじゃなくてポップだ"という感想をもらって。でもあのシングルで新しいお客さんが興味を示して、ライヴにいっぱい来てくれたんですよ。だから、自分たち的には広がったなと。出した意味はありましたね。
-これまで届かなかった層に伝わったと?
池田:ANGRY FROG REBIRTHはシャウトがあるから聴かないという人にも"今回の曲はすごく好きです"と言ってもらえたのは良かったです。
-なるほど。それで早速ですが、今作を聴いて、エラそうな言い方になるかもしれませんが、結成からこれまでの集大成的な作品であり、またここから新しいバンドの歴史が始まるような傑作ですね。
池田:ありがとうございます!僕的にも今までと違う手応えはありますね。新しいことにチャレンジして、それをクリアしてる実感もありました。ある意味1曲1曲新しい殻を破れたなと。『Dance in the dark』以降に曲を作り始めて、普通なら20、30曲作った中から厳選した10曲を入れるつもりだったけど。今回は作った曲を全部入れたんですよ。ボツ曲は1曲もないんですよね。
-打率10割ですか!
池田:はははは、そうなんですよね。
U:今回はメンバー全員で話し合ったり、細部までこだわりました。池田さんが全部フレーズを作るけど、そのフレーズは今までの自分の中になかったものだし、新しい引き出しを開けられた感じです。
maru:ほんとに凄いものができたなと。1曲1曲時間をかけて、それをまとめて聴いたときに、すげえかっこいいアルバムができたなと。
池田:追求できたよね?時間もたっぷりかけられたし。
roku:「TORUS」のサビはその場でガラッと変わったんですよ。ほんとはUくんのパートじゃなかったんですよね。一晩で違う曲になったもんね。
池田:自分たちの中で越えられるんじゃないかと思って。最初は俺が歌ってたのに、サビはUが歌うことになりましたからね。
-今回は初のフル・アルバムですが、最初に作品の全体像は考えました?
池田:いや、特に。曲に集中しようと思ったし、何かに沿って曲を作ることは浅はかな気がして。
-では、さきほど言っていた追求できた部分というと?
池田:前半5曲は英語詞にして、そこはサウンドや従来通り洋楽のかっこ良さを出そうと。同時に新しいこともやりたいから、自分が聴いてきた音楽を混ぜながら、1曲1曲トーンの違うものを作りたくて。で、6曲目以降はほぼ日本語詞にして、ダイレクトなメッセージをどれだけ伝えられるかなと。だから、サウンドを追求したもの、メッセージを追求したもの、その2つを1つのアルバムに収めることにこだわりました。特に日本語詞の「夜歌」はバックにコロ助(アニメ"キテレツ大百科")みたいな声を重ねているんですよ。「はじめてのチュウ」みたいな声というか。
-エフェクトをかけたヴォーカル・パートのことですね。
池田:今ならみんなオートチューンでやるじゃないですか。僕らは、敢えて温故知新で早送りや逆再生を作品の中に入れているので、俺らもそのやり方でやりたくて。あと、「U&I」はサビの部分はドラムにエフェクトをものすごくかけてるんですよ。大好きなミスチルは、アコースティックの楽器にいろんなサウンド・エフェクトをかけてるんですよね。ちょっとわかりにくいかもしれないけど、そういう部分にも自分たちなりの実験やこだわりを入れました。今まで自分が聴いてきた大先輩たちがやってきたことを、今は簡単に処理できてしまうけど、もし当時のやり方を再現できたら、音に温かみが出るんじゃないかと思って。