INTERVIEW
ANGRY FROG REBIRTH
2014.06.10UPDATE
2014年06月号掲載
Member:池田 直樹 (Vo/Gt) U(Vo) Maru (Gt) roku (Ba)
Interviewer:荒金 良介
-話がディープになっちゃいました。
池田:開けちゃいけない扉を開けそうになって、思わず閉じちゃいましたよ(笑)。
-今回のアートワークも意味深で、棺桶の上でカエルが寝てるじゃないですか。これまで必ず登場していた金髪に赤い服を着た少女がいなくなったのは、なぜですか?
池田:あれは涅槃(ねはん)なんですよ。釈迦が寝てるときにこの世の動物が集まってくるんですけど。あの赤い服が着た少女は不思議の国のアリス的な感じで、迷い込んできた女の子が妖怪の中を歩いて旅をしている話で。でもそこに出てくる妖怪はもともと人間で恨みや怨念を持ってて、女の子に言い寄ってくるわけですよ。それを女の子がかわしながら、自分の道を進もうとする。でも女の子がなぜそこに迷い込んだかと言うと、その女の子も自殺している......これネタバラシになっちゃうんですけど(笑)。
-初めて話すことですか?
池田:初めてです。今回の時間軸は昔で、今まで女の子がいた世界は妖怪が主導権を握ってて、その象徴としてカエルが釈迦的な感じでまとめ役をしてたんですよ。そのカエルが亡くなったので、みんなが集まってきたわけですよ。そこで今度は誰がトップに立つのか......。その場所に誰よりも早く駆けつけたのが人間の少年で、それが描きたかったんですよ。
-ジャケの中央で頭を抱えた少年のことですね。
池田:世界はめちゃくちゃになるけど、その少年がトップに立つんですよ。今回は僕ら自身も新しい世界に飛び込んだから、それと掛けてあのジャケにしました。勇気を持って、新しい世界に踏み出そうと。
-そのアイデアはいつからあったんですか?
池田:それは昔からありました。次も考えてます。10枚完結で終わらせようかなと。
-ええっ、そんなに壮大なストーリーが!
池田:さっき開けかけた扉を少し開けると、幼少期に生きてることに疑問を持った時期があって。そのときに思ったのは、とりあえず20歳まで生きようと。今30歳になるけど、15歳ぐらいのときにほんとに生きてて良かったなあと思って。嬉しい、楽しいという感情は麻薬で、次回はその倍を取らないと満足できなくなるんですよ。みんな片方だけを求めるから話がおかしくなるわけで。辛い、悲しい、怖い、死、というのはなくてもいけない要素なんです。そのリアリティが少しでもあれば、生活の中で辛いことがあっても、それを楽しめるんじゃないかと。僕が作る音楽もそうなんですけど、ハッピーな曲もあれば、そうじゃない曲もある。そのバランスは大事にしたいんですよね。だから、陰のテイストも入れてるんですよ。
-そういう意味でも暴れられる曲もあれば、メッセージ性の強い曲もあり、バランスの取れた作品になりましたね。
池田:そうですね。
-いろいろツッコんですいません。
池田:ありがとうございます。いろいろツッコんでもらえて良かったです。