INTERVIEW
ROACH
2016.06.08UPDATE
2016年06月号掲載
Member:taama(Vo) くぼっち(Gt) 勝也(Ba) Daisuke(Dr)
Interviewer:荒金 良介
-前作『ROACH』(2015年リリースのアルバム)のレコ発ツアーを回って、感触はどうでした?
taama:アルバムはいいものができたし、大好きなんですけど。ツアーに関してはフラストレーションが溜まってしまって。前回のアルバム制作は、自分の中でライヴとは別モノだと割り切ってやっていて、ツアーでその差を埋めていくイメージだったんですが、単純にそれが埋まるツアーではなかった。それを感じて、今回の『THE TIME IS NOW』の制作に向かいました。
くぼっち:ツアーの序盤はもっと激しい曲が欲しいと思いましたね。
-勝也さんは?
勝也:ツアー途中で、バンドがやりたいことと、曲との間にギャップを感じました。それはふたりと同じですね。
Daisuke:前作は会場の後ろまで届けることを意識して、ミドル・テンポの曲を増やしたんですけど、それを意識しすぎてぬるく感じたせいか、激しい曲が欲しくなりました。今作の表題曲「THE TIME IS NOW」(Track.1)は"今のライヴに必要な曲"というイメージで、わりと早めにできました。
-ツアーではメンバー全員が同じことを感じていたと。
taama:そうっすね。MTG下手なバンドなので、ツアー中は目の前のこと以外さほど話さないから、みんなそう思っていたことを今知りました(笑)。
-ファイナル公演を観たときは、昔の曲と前作の曲の間にそんなに温度差を感じず、いつもどおりの熱いライヴだなと思いましたが。
taama:残念ながら理想の熱量には届いてません。でも、前作は"今"に向かうためにも必要な仕事をしてくれた最高な作品になったと思います。それも含めて、今回の表題曲は自分の未来を切り拓くのに必要な曲になったと思います。
-もともとROACHは激しい曲をやっていたバンドで、その活動の中で前作のような広がりのある曲ができたわけじゃないですか。
taama:アルバムはいい仕上がりになったけど、ツアーを回ったときに満足できなかったんです。バランスをとってもいいことなんてないから振り切った方がいいですね。
-本当に自分たちがやりたいことがくっきり見えてきた?
taama:見えたかどうかはわからないですけど、考え方はシンプルになりました。完成した曲と、求める熱量に差があって、それをライヴで埋めていく感じだったけど、埋まらないことは十分にわかったし、最初から最後まで爆発し続けて、何もかもライヴのために向かうだけ。"何のためにバンドやってるの?"って聞かれたら、"ライヴ!!"って即答できるくらい、頭の中は今クリアです。
-ライヴをやるために曲を作るという気持ちは、最初のころにはなかった発想ですか?
taama:いや、それしかないことはわかっていたのに、余計なことを考えて気づいたら濁ってた。今はシンプルに、もとに戻って振り切れてます。
-「THE TIME IS NOW」はまさにライヴに特化した曲ですね。これはいつごろにできた曲ですか?
くぼっち:去年の年末ぐらいですかね。ファイナル・シリーズ(※2016年1月より開催した『ROACH』のリリース・ツアー"FINAL SERIES~2MAN SHOW~")に入る前ぐらいに骨組みはありました。
taama:それからまた時間はかかりましたけど、骨組みの段階でイメージは共有できていた気がします。昔はみんなで共有するのに、もっと時間がかかっていたけど、この曲はすぐライヴをイメージできてました。
勝也:俺の中では骨組みと完成形を比べても、そんなに大きな違いはないですね。
Daisuke:俺もドラムは(骨組みから)まったく変えてないです。
-表題曲はこれ以上ないくらいヘヴィな仕上がりですね。
taama:ヘヴィかどうかわからないけど、感情や熱さが届けばいいなと。過去も肯定したまま、次に行けている気がしますね。今のうちにライヴに来ないと、過去の曲は聴けなくなるよってくらい、これからもっとすごい曲を作ろうと思っているから。