DISC REVIEW
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アルバム『BREED OF THE SUN』リリース後、圧倒的なライヴ・パフォーマンスを武器に日本中をくまなくツアーすることでファンが急増中のROACHが1年という短期スパンでミニ・アルバムを完成させてきた。前作で魅せてくれた沖縄独特のエモーショナルなメロディと、US産のブレイクダウンやグロウルといったROACH独特のスタイルは変わっていないが、今作ではメタルコア要素が大幅に増量し、機能性も一気に向上している。イントロからなだれ込むTrack.2「No Reason in the Pit」は2STEPや左回りを誘う軽快なリズムにキャッチーなメロディが全開、実に爽快だ。Track.3の「MY FRIENDS FOREVER」も素晴らしい。メタルコアの機能性を最大限に生かした展開はフロアを一瞬にして巨大なモッシュピットに変える景色を容易に想像できるアッパーなトラック。キャッチーなTrack.5「DNA Never Die!!」に涙腺が緩みまくる激エモーショナルなTrack.6「Don't hate but love」などすべての曲が輝いている。時代の空気感を敏感に取り入れながらも、自分たちのオリジナリティを全く失っていない。言うのは簡単だが実際にそれを成し遂げたところが素晴らしい。この作品とその後のツアーで彼等がFALILV、coldrain、crossfaith、SiMを超える存在になれるか、ぜひ注目していきたい。 ムラオカ