INTERVIEW
Zephyren代表GEN氏×HER NAME IN BLOOD×TOTALFAT
2018.02.13UPDATE
2018年02月号掲載
HER NAME IN BLOOD:Ikepy(Vo)
TOTALFAT:Jose(Vo/Gt)
Zephyren:GEN(代表)
インタビュアー:米沢 彰 Photo by 濱谷 幸江
-イベントはどうしても替えがきかないですよね。
GEN:高速が渋滞で出演時間に間に合わないって(バンドから)連絡がきてたけど、それでも下道でなんとか来てくれて、ギリギリ間に合ったりして。
Jose:もう、あんな過酷な天候が重ならないでほしいっていうのはありますけど、インパクトとしては大きいですよね。打ち上げも、みんな雪で疲れちゃって飲めない、みたいな(笑)。だからあのときは、あんまりちゃんと打ち上げやってないですよね。帰れる人たちは早めに帰っちゃって、俺は残った組8人くらいで雀荘行って朝まで麻雀やってましたね(笑)。
一同:(笑)
GEN:あの日は、ツイッターも炎上してたから、"じゃあ今度1杯奢るよ、また来年も来てね"って言って。もうやけくそでしたね(笑)。
一同:(笑)
Jose:事件的な面ではその日が印象に残ってますけど、毎年それくらいの時期になると必ず"今年「A.V.E.S.T」出る?"って、会ったバンドと話題になるんですよ。もうバンドマンにとっては日常会話のひとつになってる。これってすごいことだなと思って。ひとつのアパレル・ブランドが、これだけ多くのバンドやお客さんを巻き込んで、ひとつのイベントを続けてるっていう。10-FEETとか、ROTTENGRAFFTYとか、自分たちでも主催イベントをやってるバンドたちも含めたいろんなバンドが、GENさんの"A.V.E.S.T"を自分たちのものとして愛着を持って話題にしてるっていうのは、やっぱりすごいことですよ。
-たしかに。
Jose:僕ら、このところ出てなかったじゃないですか。実は、そういうこれまでの自分たちの決まりごとのようなものから抜け出したいっていう気持ちがあって。事務所も変わったし、ちょっと違うことをしようと思って、ワンマン・ツアーをやったりして。違う景色を見てから戻らないと、その環境に甘えちゃうんじゃないかって気がしたんですよね。なので、GENさんには申し訳ないけど、出演を辞退させてもらって。でも"A.V.E.S.T"に遊びには行ってたんですよ。変な話、僕らが出なければ、他のバンドが出れるチャンスもできますしね。それによって、また新たな仲間も増えるじゃないですか。そういうところも含めて、一度客観的に観ておきたいなっていうのがあって。いろんなバンドが、どういうライヴをやるのかも観たいし。出演しちゃうとなかなか集中して観れないですからね。なので、GENさんは、もちろん毎年声を掛けてくれるんですけど、"当たり前のように出ちゃいけないな"と思ったんです。それで、"やっぱり「A.V.E.S.T」面白いな"っていうのをメンバーと話してて、今年は出たいなって改めて思ったんですよね。離れてても、続けていればチャンスはありますからね。
GEN:"A.V.E.S.T"はね、やっぱり続けていきたいんだよね。このイベントがなかったらZephyrenも始められなかったと思うし、俺だってひとりじゃ何もできないからね。
Jose:僕は、若いころからGENさんにはすごくお世話になっていたので、"恩返しができるようになりたい"ってずっと思ってたんですよ。それで、イベントに呼んでもらったら必ず出てたんですけど、長い付き合いになることで、その結果甘えてしまってるんじゃないかって。だから、ちゃんとGENさんに恩返しするんだったら、そういう時間も必要なんじゃないかなって思ったんです。それで、この間も普通に遊びに行って、めちゃくちゃ楽しかったんですよ。いろんなバンドのライヴも観れたし、楽しくなっちゃって、結局打ち上げに行っちゃったり(笑)。
GEN:わかるよ、そうなんだよね。俺も"A.V.E.S.T"ではちゃんとライヴ観れないからね。"A.V.E.S.T"は忙しすぎて観れないからっていうことで、新しく"In The Family"を始めたし。中堅と若手で組んで、ひとつのハコでちゃんとライヴを観れるとよくわかるから。そこからまた、"A.V.E.S.T"に誘ったりとかもしていきたいし。いろいろ考えてやってるからね。
Jose:HER NAME IN BLOODの復活も"A.V.E.S.T"だったからこそ、みんなが観やすいっていうのもありましたしね。そういうところは、GENさんがちゃんと作ってくれてるなって。毎年主催する側は大変だとは思いますが......。
GEN:しんどいっす(笑)。
一同:(笑)
-出演したときと、普通に遊びに行ったときで"A.V.E.S.T"の見方はどのように変わりましたか?
Jose:出る側ってやっぱり、(いろいろ)背負ってるじゃないですか。仲間のバンドたちもいるし、とにかく"いいライヴがしたい!"っていうだけで。自分たちのライヴまで、そんなにイベント自体を楽しむ余裕がないんですよ。なので、遊びに行ったときは、タイムテーブルを見比べて、できるだけ多くのバンドを観たりとか。お客さんに見つかったりもするんですけど、ライヴ観たいから"ちょっとあっち行ってくる!"とか言って、ちゃんと対応せずに走っていっちゃって、それでみんなも走ってついてくる、みたいな(笑)。そういうのも面白かったですね。
-"A.V.E.S.T"って、万博みたいな感じもありますよね。
GEN:7会場って多すぎる気もするんだけどね。
Jose:でも、いい意味で、ひとつの事件を見てる感覚になりますね。久々に会うバンドとかも来てたりして。
-ある種、同窓会のような感じですよね(笑)。"おぉ、久しぶり!"みたいな。
Ikepy:そうですね。去年の俺らが、まさにそれを言われる立場でしたから(笑)。いろんなバンドに挨拶して。自分らはあんまりライヴ観る余裕はなかったですけど......。だから、今年はもっと純粋に楽しみたいですね(笑)。
-たしかに(笑)。あのときは、"久しぶりだな"と思いつつ、あんまり話し掛けられる雰囲気でもなくて......。
Ikepy:いろんな人に気を遣わせちゃいましたね(笑)。
-そういう張りつめた雰囲気はありましたよね。ところで、先ほど長い付き合いという話も出ましたが、この2バンド、TOTALFATとHER NAME IN BLOODという組み合わせは、これまでも交流があるんでしょうか?
Jose:ないわけではないよね? お互いのツアーに誘ったりとか。
Ikepy:そうですね。
Jose:東京ではほぼないですけどね。
Ikepy:イベントとかフェスは結構ありますけど、東京でハコでってのはほとんどないですね。
Jose:付き合いは長いけど、HER NAME IN BLOODになってからは、対バンの回数って少ないかな。ギターとは飲み屋であったりしますけど(笑)。
-以前からZephyrenのモデルをおふたりともやっているので、そこで一緒になったりもしていますよね。
Ikepy:そうですね。あのときもなんか筋トレ話になって(笑)。
Jose:音楽以外の共通言語があると、盛り上がるんですよ。
-そういうのって面白いですよね。そして今回は、HER NAME IN BLOODとしては新体制になって初のアルバム『POWER』のリリースを4月4日に控えて、これ以上ないぐらいいいタイミングでの"A.V.E.S.T"出演になりますね。
Ikepy:そうですね。また何かと縁がある"A.V.E.S.T"になりそうですよね。新曲とかもやれたらいいなとは思ってます。
-TOTALFATとしては18周年ワンマン(下北沢GARDENにて開催する[TOTALFAT 18th ANNIVERSARY"タイトル未定"])を4月6日に控えていますね。
Jose:ちょうどその時期って、ワンマンに向けての練習をしているころだし、今月も来月も地方に行っちゃうので、このタイミングで東京で1本(ライヴを)できるってのはいいですね。
-そして、TOTALFATって毎年周年企画をやっていますよね。激ロックも毎年何周年ってやってるので、周年を大事にするところにシンパシーを感じていたりしています。
Jose:ありがとうございます! 去年はリクエスト・ライヴ([TOTALFAT 17th Anniversary "FAT CLUB REQUEST LIVE"])っていうのをやったんです。1曲目を20位から始めて、最後に1位の曲をやるっていう、アンコールもなしで、その20曲だけをやるってライヴですね。"この曲入ってんの!?"みたいなのもあって結構大変ではありましたけど(笑)。