INTERVIEW
HEY-SMITH × 激ロック × バイトル
2019.01.10UPDATE
2019年01月号掲載
Member:猪狩 秀平(Gt/Vo) 満(Sax)
Interviewer:吉羽 さおり Photo by 石崎祥子
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"AIR JAM 2018"はあの"千葉マリンスタジアム"やからっていう感情も大きかった(満)
金子:次の質問です。2017年、Hi-STANDARDの"THE GIFT TOUR 2017"や、2018年9月の"AIR JAM 2018"に呼ばれたときの気持ち、実際に出演したときの気持ちはどんな感じでしたか。
猪狩:夢にも見てないようなことというか。こうなったらいいなっていう想像すらできない、もっと向こうの話だと思ってたからな。ハイスタ(Hi-STANDARD)が復活するということ自体が、まず考えになかったから、一緒にライヴをするのは絶対無理やなと思ってたし。最初に"AIR JAM 2016"のオファーが来たときは、"マジ!?"っていうか、"ほんまに?"って感じでしたね。嬉しいという感情すら湧かないくらい驚きやった。
満:"現実なのか?"っていう感覚はあったな。
猪狩:2016年のときはちょうどレコーディングをしていて、みんなで話していたときに難波さん(難波章浩/Vo/Ba)から着信があって。"これ、「AIR JAM」やるでとかいう話だったらどうする?"みたいなこと言いながら、スタジオの外に出て電話を取ったら、それが"AIR JAM"出演のオファーやったから。"AIR JAM"をやるとかの話じゃなくて、出演オファーで。俺もう自分が怖なってきて(笑)。
金子:メンバーから直接出演のオファーがあるんですね。
猪狩:それをやってくれるから嬉しいんですよ。レーベルや事務所の大人が大人に話をして決まるとかじゃなくて。ハイスタはそれをやらないし、そういうことをやってきてないから、俺らもそのスタイルやし。思い出した。2018年のときは、"ポルノ超特急"の前日に健さん(横山 健/Vo/Gt)から電話がかかってきたんです。そのとき、お酒を飲んでいて、一緒にいた子が俺の横で吐いてしまって。"マジでどうしよう"って思ってるときで......。
満:はははは(笑)。
猪狩:"で、今話せる?"って(笑)。そこでオファーを貰いました。地獄と天国を一気に味わった。
満:ゲロどうでもよくなるな。
猪狩:全部を許せましたね。
満:"AIR JAM 2018"は、ほんまに興奮したよな。終わったあとに、"ライヴどうやった?"とか言うんですけど、ただただ興奮したね、で終わっちゃったんですよ。
猪狩:次の日ぐらいでは余韻が冷めなかった。2日後には、ほんまに"AIR JAM"が好きな人としか飲みたくなくて、レーベルの森さんとか、HOTSQUALLのチフネさん(チフネシンゴ/Gt/Vo)とか、Dizzy Sunfistのあやぺた(Vo/Gt)とかと飲みに行って、ハイスタのデビューのころからの話をして(笑)。それでも足りなくて、翌日には出演者に電話して、04 Limited Sazabysとか、2016年に出たCrossfaithとかとまた飲んで。"AIR JAM 2018"を自分のものにするのに、何日もかかった。最近、ようやく落ち着いたかな。でも、この間"AIR JAM 2018"の放送を観ただけで、またきたけどな。
金子:自分は"AIR JAM 2018"の直前に、9月7日に柏PALOOZAで行われたHEY-SMITHの"新曲お披露目ツアー2 ~初めて行くライブハウス編~"にも行ったので、短期間で小さなライヴハウスでのライヴとZOZOマリンスタジアムでのライヴを観て、なんだかわけわからなくなって。
猪狩:PALOOZAって500人くらいでしょ? そこから3万人のスタジアムで。それが2日後くらいのことだから、意味不明やんね。たぶん、俺も君とまったく同じやな(笑)。
満:素晴らしかったよな。"AIR JAM 2018"はあの"千葉マリンスタジアム(現ZOZOマリンスタジアム)"やからっていう感情もあったから。
猪狩:そう。俺らが映像として手にできたハイスタの最後の姿が、2000年の千葉マリンスタジアムでの"AIR JAM"のVHSのビデオで。それを何度も観て覚えてたのが、建物が白くて、スタンドの椅子が青い感じで、それが"AIR JAM"ってなってるから。最初に2018年にBRAHMANが突っ込んでいったときに"あ! 知ってるこれ!"っていう。白い建物で、青い椅子があって、"AIR JAM"やんこれっていう。"今、伝説の中にいるぞ"みたいな感じやったね。
金子:すごくいいお話ですね。では、次の質問です。これから対バンしてみたいバンドはいますか。
満:どうですか、猪狩さん。
猪狩:そこは完璧に俺がやっているので。対バンしたいバンドは、対バンしてるかな。今やっているツアー"Life In The Sun TOUR"で初めて対バンする人もいるけど、その人らも、どこかのライヴで観たり、イベントで一緒やったりしていて、何も知らずに誘うということは絶対なくて。音源がかっこいいからライヴを観てみようとか、あとは人として最高やなとか、どれでもいいんです。それに当てはまってる人に声を掛けていくから、対バンしたいと思っている人とは対バンしてる。今回のツアーでも、初めての人たちは、そういうことで声を掛けていて。
金子:僕は今回のツアーで高崎と熊谷でのライヴに行ったんですけど、そこではSIX LOUNGEが対バンでした。系統が違うなと思ったんですけど、ライヴがすごく熱くて、そこで音源を買って聴いていて。新しい出会いだったなと思ってます。
猪狩:そうなってほしいなという気持ちが強くて。俺たちも高校生のときとかは、週5くらいでライヴに行ってたんですけど、当時はチケットのメール予約とかはなくて、ライヴに行って、その日に次の面白そうなライヴのチケットを買うんです。で、またライヴに行って、という感じで。対バンでいいバンドがいたら、そのライヴに行ってとか、そうやって育ってきたから、それをみんなにも味わってほしいというか。もちろん、誰が目当てでライヴに来てくれてもいいし。その日の対バンを観て好きになるとか、それが異ジャンルであればあるほど、いいかなとも思ってるしね。俺たちのいるパンク・シーンとか、バンドのシーンっていうのは、誰かが勝手に騒いでるだけのものじゃなくて、バンドが意図を持ってシーンを作っていくものやと思ってるので。バンドが意図したシーンを作って広げていく。しかも、その密度や濃度はすごく大切にしているから、対バン相手は、すごく真剣に選ぶ。対バンとか今渦巻いてるシーンは、自分たちが意図を持ってやっているものやから、一番こだわるかもしれない。
金子:9月の柏PALOOZAではSEVEN STEPが対バンで、これはヤバいと思ったので、最近SEVEN STEPのライヴにも行って、またそこで対バンをしていたバンドも聴いたりしていて。そういうとこでは、めちゃくちゃ影響を受けてます。
満:そうやって、広がっていくからね。
金子:僕は、去年まで大学で部活をやっていたんです。サークルではなくて、ガチガチの部活でサッカー部だったんですけど、毎週末試合があって。でも平日も練習と学校があって、なかなかライヴに行けなかったんです。それで3年生の途中で、俺これはもうダメだと思って──
猪狩:はははは(笑)。
金子:ライヴ行きたいって思って、コーチに休部しますって言って、そのまま退部しました。
満:ヤバいな(笑)。
猪狩:なるほどね。でもそういうもんやと思うな。じゃあ、小学校くらいから続けてたサッカーをいきなりボーンとやめたの?
金子:はい、やめました。
満:それくらい音楽が変えたんやな。
猪狩:俺もすごく似てて、小学生から高校までサッカーをしていて。でも高校生で、自分でライヴとかをやり出すようになったんです。それで、そこそこサッカーが強い学校やったけど、めっちゃ公式戦やのに、"俺ライヴあるから行かん"って言って、だんだんとそうなってったな。
満:好きなものに傾いていくんやな。
金子:なので、部活をやめてからはライヴで遠征をするようになりました。東京とか大きなところではない、地方でこそ聴ける曲があるんじゃないかなと思って、いろんなところに行ってます。地方に行ってライヴを観ると、自分の思い出にもなって楽しいです。
猪狩:俺も好きなバンドがいたら、全箇所のライヴ行ったりしたこともあったな。だから、気持ちは来てくれるお客さんと同じやと思う。ただステージでギター弾いてるだけで、弾いてるか、聴いてるかの違いくらいで。一緒なんですよ。