LIVE REPORT
BLARE DOWN BARRIERS 2015
2015.04.24 @新木場STUDIO COAST
Writer 荒金 良介
coldrain主催イベント"BLARE DOWN BARRIERS 2015"が開催され、その東京公演をレポートしたい。今日は平日にもかかわらず、17時開演ということで客足は大丈夫かと危惧したが、場内に入ると、すでに新木場STUDIO COASTは隅々までビッシリ観客で埋まっているではないか。
そして17時ジャスト、この日のトップバッターを務めたのは札幌発の4人組、ラウド・シーン若手有望株のNOISEMAKERだ。勇壮なSEに導かれ、"始めるぞー!"とAG(Vo)が大声を発すると、「THE NEW ERA」で勢いよく幕を開けた。観客もまだ身体があたたまってない時間帯だろうと思いきや、1曲目の中盤にはフロアはジャンプ大会の様相を呈す。しかも"ウォーウォー!"というリスナー参加型のコーラス・ワークも追い風を吹かせ、早くも会場に一体感が生まれていた。たしかに彼らの楽曲は聴き手を突き放すのではなく、一緒に高みを目指す仕掛けがちゃんと施されている。続く「Oblivion」では"頭を振れ!"と焚きつけ、自然とハンド・クラップも起き、会場の温度を右肩上がりにさせる手腕には若手とは思えない説得力さえ感じた。さらに"新木場STUDIO COAST、そんなものじゃないでしょ? 愛情を込めて、ぶっ壊しに行くから!"とAGは熱く宣言し、DEFTONES並みの重量グルーヴで観客ひとりひとりの心と身体を揺さぶる。「SOMEBODY WANTS DAYS YOU CLOSE」の後半には抜群にキャッチーなメロディ・ラインで多くの人たちを絶頂に導く。
2番手はBLUE ENCOUNTの登場だ。いきなり"Just Awake"とシャウト気味に曲名を田邊駿一(Vo/Gt)が叫び、本編に突入するスリリングな展開で始まる。演奏が始まるや、観客もドドーッと前に押し寄せて大フィーバー。キメ細かなギター・フレーズ、ブンブンうねるベース・ライン、激しいドラミングが折り重なり、鍛え上げたバンド感を上段から叩きつけるド迫力ぶり。お祭り感のある「ロストジンクス」に移行すると、演奏の切れ味と爆発力はさらに高まり、今の彼らは誰にも止められないと思わせる勢いを猛アピール! 田邊は"やばいやばい、マジ無理"と興奮気味のMCのあとに、"coldrainが大好きです! ライヴ・バンドとして憧れであり、雲の上の存在で、今日は呼ばれて嬉しい! 10年前の高校時代から音楽を信じてきたから。俺らの10年分をかけて歌う、最後までついてきて!"と熱く訴え、TVアニメ"銀魂゜"のオープニング曲に抜擢された新曲「DAY×DAY」をここで解き放つ。抜けのいいサビの威力も手伝い、シンガロングする観客の姿も多く見られた。ラスト曲「もっと光を」まであなたを全身全霊で照らし続けるパワー漲るパフォーマンスを見せつける。
3番手はFACTがステージに現れ、"新木場、Are You Ready?"とHiro(Vo)が呼びかけ、"サークル・モッシュ!"とAdam(Gt/Vo)が追い打ちをかけ、「loop」で怒濤のスタート・ダッシュを決める。続く「worm」に入ると、フロアに大きなサークル・モッシュが3つほど確認できた。切れ味鋭いリフと重厚なグルーヴで前へ前へ攻め立てる破壊力も半端じゃない。それからここで「disclosure」が炸裂し、Hiroは観客最前列まで降りて歌う熱の入れようだ。まだまだこんなものではない。"ステージ・ダイヴ、まだ見てねえなあ"とKazuki(Gt)も煽り、ここで最新作『KTHEAT』からオリエンタルなメロディが新鮮な「the way down」を解き放つ。ミドル・テンポの曲調ではあるが、中盤に過ぎにファスト・パートに切り替わる場面では堰を切るように観客も大暴れ。壮観な眺めだった。後半も積極的に観客とコール&レスポンスを交わし、熱い空間を作り上げていた。
さあ、遂にトリのcoldrainの出番がやって来た。メンバー5人が定位置につくと、「The Revelation」から図太いリズムで畳み掛け、新木場STUDIO COASTの四隅までキレイにヘドバンの嵐を瞬時に作り上げる。"全員、飛べー!"とMasato(Vo)が叫ぶと、「No Escape」では2階席まで振動が伝わるほど観客が飛び跳ね、会場をひとつに束ねていた。恐るべし、coldrain。高ぶる熱気にMasatoは、助け合ってケガをしないようにと気遣う場面もあり、ここで生まれた曲と前置きしたあとに「Evolve」をプレイ。曲名通りにすべてを巻き込んでいく意志に漲る曲調だけに、イントロから天上知らずに盛り上がりを見せた。ヘドバンにシンガロングと楽曲の中で送り手と受け手が密に溶け合っている。その光景に美しさすら感じた。穏やかなMasatoのヴォーカルと手数の多いKatsumaのドラムが心地いいグルーヴを生み「You Lie」にも聴き入ってしまった。
後半には名古屋でいろんな壁を壊そうと思って始めたイベントと説明を加え、"一緒に闘おうぜ!"と熱く呼びかけるシーンもあり、聴き手と同じ目線であろうとするバンド側の熱い魂も伝わってきた。それからメロウでドラマティックな「The War Is On」に入ると、観客も拳を突き上げて大合唱! アンコールのラスト曲「Final Destination」まで圧巻のステージングですべての人の魂を根こそぎ奪い、ステージを去った。
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