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INTERVIEW

G-FREAK FACTORY × ROTTENGRAFFTY "山人音楽祭 2023" 対談

2023.07.14UPDATE

2023年07月号掲載

G-FREAK FACTORY × ROTTENGRAFFTY "山人音楽祭 2023" 対談

G-FREAK FACTORY:茂木 洋晃(Vo)
ROTTENGRAFFTY:N∀OKI(Vo)
Interviewer:フジジュン Photographer:HayachiN、KAZUYA KOSAKA(G-FREAK FACTORY)、石井麻木(ROTTENGRAFFTY)

"ありがとう"と、カルチャーを底上げして守り続ける気持ちだけで胸を張ってやってる(N∀OKI)


-ロットンも"ポルノ超特急"が開催見送りになったり、悔しい想いをしました。

N∀OKI:コロナの流行で、バンドマンは全員一度は自問自答したと思うし、"もう、無理なんだ"と思ってたから、みんなでミーティングを重ねて、アコースティックで動いたり、YouTubeで"居酒屋610"って配信をやったり、"ロットンはここにいますよ"って生存確認はやってて。究極ビビってはいなかったんですけど、"こんな状況になったら、衣食住の外にある音楽ってあんまり必要じゃないんかも?"と思わされたりもしたし、"音楽が絶対必要な人には必要や"と思いつつも不安にはなったし。

茂木:あの頃は毎日テンションが変わったもんな?

N∀OKI:そうやな。バンドマンって"ずっとここにいなさい"みたいなことができない、多動症みたいな人ばっかりやから(笑)。頭がおかしくなりそうになることもあったんですけど、そんななかで俺はもう1回答えが出たのは"ローカルってめっちゃ大事やな"ってことで。自分が外に出すぎて、ローカルの大事な仲間のクラブ・イベントとかもあんまり行けへんようになってて。クラブ・イベントはコロナ禍でも結構やってたから、そういうところに顔を出したりして、10年前に遊んでたツレが食いしばってやってるのとかを見ながら、もう1回ローカルの絆の大事さを感じて、靴紐を締め直したというか。"めっちゃ大事なこと忘れてた、俺!"みたいなことをすごく感じれて、自分にとっては力になりましたね。

茂木:それは俺もまったく一緒。クラブだとか、シンガー・ソングライターの弾き語りのやつらとか、ライヴがない期間をそういう人たちと会う時間にも充てられて。今までもないがしろにしてたわけじゃないけど、後回しにしてたことが全部、手前に来たというか。失ったものはデカいですけど、それはそれでいい時間でした。

-この2年で培ったものは、今年の"山人音楽祭"にも生かせそうですか?

茂木:今年は2年で培ったものというより、2年溜め込んでたものを吐き出すというか。出演者の数にも制限があって呼べなかった仲間もいたし、グリーンドーム(前橋)にも"すみません、今年はできません"ってことを続けてきたので。今年は"「山人音楽祭」帰ってきました!"ってことをやりたいなと思っています。

N∀OKI:じゃあやろか、フリースタイル・バトル!

茂木:ごめん、フリースタイル・バトルはまだ準備できてない(笑)。

N∀OKI:ロック・バンド主催のフェスで、フリースタイル・バトルがあるって珍しいやろ? NAIKA MCがおったり、地元のラッパーが繋がってたりして、あれは群馬のカルチャーやから。ロック・バンドのやつなんて誰も出ぇへんけど、俺は"UMB(ULTIMATE MC BATTLE)"とか出てたし。15歳のやつに負けて、"もう俺、バトルなんて絶対やらねぇ!"と思ってたけど(笑)。茂木が"ロック・バンドからひとり出てくれたら面白いから、やってくれよ"って言うから、"山人音楽祭"ではバトルを解禁して。準々決勝、準決勝くらいまでいったもんな?

茂木:ロック・バンドであれだけフリースタイルできるって、N∀OKIが群を抜いてるよ。

N∀OKI:でも、バトルやと相手をぶっ倒さないとアカンから、俺はフリースタイル・セッションのほうが大好物で。バトルはバトルで経験値にもなるけど、セッション・ステージを用意してくれや(笑)。バンド主催のフェスでフリースタイルのステージがあるなんて、唯一無二やから。ほんで主催者なんやから、茂木も出ろや!

茂木:わかったわかった(笑)。

-あはは。"山人音楽祭"って茂木さんの地元愛だけでなく、音楽であったりすべてに"好き"が詰まったフェスで。それを地元の人たちと分かち合えるのも素敵ですよね?

N∀OKI:ホンマにそうですね。前乗りとかして、茂木と飲みに行ったりすると"茂木さん! 茂木さん!"って、ローカル・ヒーローみたいな感じなんですよ。そこも自分と被るなぁみたいなところがあったりして。まぁ、こんな人、他にいないですけどね。

茂木:あんたみたいな人もいないけどね。ベロンベロンに酔ってホテルの部屋まで送っていったら、"送ったるわ"ってホテルのスリッパのまま送ってくれたり(笑)。だいたい、どこ行ってもN∀OKIとふたりで記憶なくなるまで飲んじゃうよね?

N∀OKI:そうやな、だいたい潰れるまでふたりで攻防してるからな(笑)。

-仲いいなぁ(笑)。おふたりはフェス主催者というところでも共通点がありますが、フェスを主催するうえでの喜びや大変さってところはいかがですか?

N∀OKI:"ポルノ超特急"って毎年、その年の最後のバンドマン主催フェスなんですよね。だからその1年、いろんなところを旅して出会ったバンドやったり、"カッコいいらしいで"と噂に聞いたバンドを呼んで。ROTTENGRAFFTYの1年の総括であり、ある種の禊ぎなんですよ。だから"楽しい"はいったん置いといて、俺らみたいなバンド(のフェス)に出てくれる人たちをもてなす気持ちと"ありがとう"の気持ちだけでやってるんです。で、全員のけしかけてくるライヴを観て、それを越えていって"来年に繋ぐぞ!"という気持ちになるというか。コロナ禍のときは"来年はすべてが晴れてますように"っていう気持ちでやってましたしね。そこで、シーンって言ったら月並みな言葉になっちゃうんで、もっとでっかいカルチャーですね。カルチャーを守りたいって気持ちだけで、俺らはずっとやってました。だから、俺らが普段生息しているライヴハウスだけでなく、ラッパーやクラブ・ミュージックのやつを呼んだりもしたし、それを続けることに意味があったし。なので楽しむ余裕なんてホンマにないです。でも、フェスをやってる全バンドがそうやと思うし、"ありがとう"の気持ちと、そのカルチャーを底上げして守り続けるって気持ちだけで胸を張ってると思うんですよね。いちいち言葉にしないですけど、そんな気持ちを自分らの奥底に保ちながら、みんなやってると思います。"ロックってカッコいいやろ、音楽最高やろ!?"ってエンターテイメントもあったり、自分たちの伝えたい思いもあったり。"これは絶対になくしたらアカン、衣食住の向こう側にある、最も大事なエネルギーや"と信じてやってます。

茂木:それはもうまったく同感で、楽しんでる余裕はたしかにないですね。終わって何日かしてから、"あぁ、楽しかったな"ってしみじみ思うくらいで。やってるときはおもてなしもそうだし、出演してくれた仲間もお客さんもスタッフも含め、"俺たち、最高じゃね?"と思えることを心掛けていて。終わったあと、尋常じゃない疲れ方をするよね?

N∀OKI:エグい疲れ方する。2日目の打ち上げとか、ものすごく放たれた気持ちになってとんでもないよな? でも、1日目もしっかりもてなすから、2日目の昼過ぎまでは二日酔いなんです(笑)。

-わはは。でもそれだけの想いで臨む、自身主催のフェスですから。自身のステージにかける想いも半端ないと思うのですが、茂木さんは今年の"山人音楽祭"のステージに、どんな気持ちで臨みたいと思っていますか?

茂木:とにかく、バトンを落とさないように。とんでもないツワモノしかいないので......。

N∀OKI:今年は俺も一緒にやるで! 最近、ジーフリのステージに上げてるのTOSHI-LOW(BRAHMAN/OAU/the LOW-ATUS)ばっかりやん。何してんの? 出せや、俺も! 前から一緒にやってたの俺やん(笑)?

茂木:わかった、今年はN∀OKIのヴァースを用意しとくよ、絶対。

N∀OKI:おう、ええよ。でもこの人、たまに"今アカンで!"ってときがあって。ジーフリのステージにその場でフィーチャリングさせられることがあって、だいたいはOKなんやけど、ジーフリが神々しすぎてヤバいライヴしてて"今、他のやつらが入ったらアカン!"みたいなときがあるんですよ。でも本人は天然やから、わかってなくて(笑)。"おい、N∀OKI来い!"って合図を送ってくるんですけど、"いや、これはジーフリだけで上り詰めなアカン"みたいな感じで、俺は空気読めるんですけど、茂木が"来い、来い"ってめっちゃしつこいんですよ。それで出てったらやっぱりコケて、"だから言うたやろ?"みたいな。

茂木:バトルもあるかもしれないし、ロットンとジーフリのステージもあって。今年の"山人音楽祭"のN∀OKIは忙しいよ(笑)!

N∀OKI:ええよ、ええよ。"ポルノ超特急"にもジーフリは何度も出てもらって、支えてもらってというのがあるんで、俺らも生半可な気持ちで行く気もないし。コロナのネクスト世紀末を越えて、スティル・スタンディングしてる俺らやから。"あ~、「山人音楽祭」観たけど、ロットンが一番ヤバかったな"って言うぐらい、抉り込むように響かせます。茂木に引導を渡してやろうと思ってるんでね(笑)、それくらいの気持ちでいかんとダメやと思ってます。

-そんな"山人音楽祭"。4年前からの進化や変化も考えているんですか?

茂木:とにかく無事に終われるようにっていうのが、何よりですけど。以前はあれもこれもでいろいろ肉づけしすぎていたので、逆にもっとシンプル且つ強く鋭利なものになったらいいなと思っています。グリーンドームでやってたときは、あれもこれもで肉づけしていくのが止まらなかったから。コロナで(高崎)芸術劇場を2回やって、"これでこういうふうに成立するんだ"ってことも学んだので、レイアウトも含め、逆にシンプルにしていきたいなと考えています。

-今年はなんの規制もないですから、ぜひ全国から遊びに来てほしいですね!

N∀OKI:俺は今年、茂木の家まで行くわ。お前の部屋行って、隙間という隙間にマヨネーズとケチャップをベタベタ詰めに行くわ。

茂木:おう、待ってるよ(笑)。

EVENT INFORMATION
"山人音楽祭 2023"

9月23日(土・祝)、24(日)群馬 日本トーター グリーンドーム前橋
OPEN 9:30 / START 11:00

出演:亜無亜危異 / OVER ARM THROW / KUZIRA / Creepy Nuts / G-FREAK FACTORY / SHERBETS / SHANK / 四星球 / TETORA / 10-FEET / NakamuraEmi / バックドロップシンデレラ / ハルカミライ / HAWAIIAN6 / FOMARE / フラワーカンパニーズ / HEY-SMITH / マキシマム ザ ホルモン / Rickie-G / RED ORCA / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS / locofrank / ROTTENGRAFFTY and more

[チケット]
1日券 ¥8,000(税込)
駐車場付 1日券 ¥9,000(税込)

2日券 ¥15,000(税込)
駐車場付 2日券 ¥17,000(税込)
■一般発売中
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