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INTERVIEW

二日よいこ(神使轟く、激情の如く。)

2022.10.12UPDATE

2022年10月号掲載

二日よいこ(神使轟く、激情の如く。)

Member:二日よいこ GODちゃん

Interviewer:宮﨑 大樹 Photo by 清水舞

まだまだ自分が知らない世界があるんだろうなって、ワクワクですね


-そうして晴れて神激に加入をしたと。よいこさんって愛されキャラだなと思うんですよ。バンドと座談会をしたときも、よいこさんの話になると軽くいじりながら打ち解けていくみたいな流れがよくあって。愛されキャラって、よく言われますか?

よいこ:いじりやすいのかなとは思うんですけど、自分では全然意識したことがないです。関西出身で、周りの人とお互いにいじり合っていたし、ガヤガヤ言われることに対しては"美味しいな"としか自分は思わないから、そのウェルカム感もあるのかなって。どうなんでしょうね? わかんない(笑)。

-ステージ上ではカッコ良くて、ステージを降りると年相応の女の子らしい性格じゃないですか。それがなんか面白いなと思います。

よいこ:今まで何もやってこなかったからこそ"二日よいこ"が自分の中にできたわけで。その像と普段の自分が違うというか。自分に求められているものがあるし、ステージではそうありたいので、そこは無理矢理にでも持っていったんです。神激は趣味でやっているとかじゃない。でも仕事でやっている感じもない。人生でやっているので、オフもそのモードで行くとしんどいんですよ。人生だからこそ、いい意味で自分は残しつつ、でも本当の"二日よいこ"でいたいというので、ステージと普段とのギャップがあるのかもしれないです。

-ちなみに、このソロ・インタビュー企画で、いもこさんがよいこさんのことを"根がすごくロックだ"と言っていたんですよね(※2022年4月号掲載)。個人的にはそれがすごく新鮮な意見だったんですけど、どういう部分でロックだと思われているんだと感じますか?

よいこ:難しいなぁ~。わかんないですけど、中高とかから周りの友達や身近な人のライヴを観ているからこそ、そこへの理想がすごく高いというか。"ハリボテ感"というか、取り繕っているのがすごく嫌なんです。ステージ上でカッコ良くても、"実際はどうなん?"、"それ本当に思ってる?"って思っちゃうんですよ。自分が観てきたライヴって、想いをぶつけすぎてマイクで流血するみたいなものだったから、"あぁ、これがライヴなんだ。これがロックなんだ"と感じて生きてきたんです。そこを目指しているわけではないんですけど、それが根本にあるからこだわりが強いんだと思います。でも、いもこさんがそう言ったのは、よいこが酔っ払ったときに、いもこさんとことのさんに対して"オメェらロックじゃねぇよ"って言ったからだと思うんですよ......(笑)。酔ってたからわかんないですけど、自分の中で何かロックじゃないと思うところがあったんですかね。すみません、ここカットしてください(笑)。

-熱いエピソードですね。

よいこ:今でこそ"神激はあっちいな"って思っているんですけど、そのときはa crowd of rebellionとのツーマン・ライヴだったのですが、ライヴの内容がボロ負けしてしまい自分自身すごく悔しかったんですよ。神激はすごくカッコいいことをしているのに、認めてもらえない。だから、ここをこうしたらいいんじゃないかなっていうのがあって、それを伝えようとしたら伝え方を間違ったんですけど......そういうぶつかり合いは「オキシバギー」(2021年10月リリースの20thシングル)の最後の歌詞になっています。

-さて、よいこさんといえば、やはりラップですよね。すでに話に出たように、神激に入って初めてラップを始めたわけじゃないですか?

よいこ:そうですね。ラップはやったことなかったんですけど、何か行動を起こさないといけないなと思っていたし、"とりあえずやろう"という、前向きな感じが自分の中にありました。自分は当時アイドルになりたくなかったんですよ。だから、歌うよりラップのほうがカッケェじゃんって。なので、自分もこっちで行きたいと思っていました。で、ラップをやってみたときに、いろんなパズルのピースがハマったんですよ。ドラムをやってきてのリズム感とか、海外留学しての英語の経験とか。あと、もともと声が高かったんですけど、酒焼けで声が低くなってガスガスになった声。その3つのピースがハマって、"このために私は酒を飲んでたのかな"って(笑)、自分の中でしっくり来ました。しかも楽しいし。それからどんどんのめり込んでいった感じですね。

-ラップを覚えていくにあたって、参考にしている人はいるんですか?

よいこ:最初のころは、神激チームのラップの師匠に深夜練とかをつけてもらったりしましたし、デモで送られてきたものをコピーして、それを自分のものにするというのが最初の段階ですね。ラップをやるようになってからは、いろんな楽曲を聴くようになりました。最近では、デモが送られてきたら、このフロウはここから取ってるのかな? とかわかるようになったので、"そういうふうに歌うのを求められてるんだろうな"というのもわかったりします。なんとなく掴めるようになってきましたね。

-GODちゃんから見る、今のよいこさんのラップのスキルってどうなんですか?

よいこ:ひゃ~! こわい(笑)。

GODちゃん:高いと思いますよ。言っていた通り、最初はコピーするだけだから、よいこに限らず全編成においてデモのほうが良かったんです。どっちが上とかではないですけど。今は別モノとして、こっちもいいし、こっちもいいみたいな感じになっていて。点数はわからないですけど、デモと違う良さ、個性が出てきたので、今を100点だとしたら200点になるように頑張ってほしいです。いや、今100点って言っちゃうとあれなので(笑)、100点満点なら、50点にしておきます。

よいこ:ありがとうございます! もっと行けよって50点を貰ったら、100点を目指すしかないですね。

-自分でもまだまだ伸びしろを感じますか?

よいこ:感じます! これを言うともぐりっぽくなっちゃうんですけど、ガチのラッパーのライヴをまだ観たことがなくて。というのも、いろいろ気にしいなんですよね。ラッパーのライヴって、深夜のクラブとかで行われるじゃないですか? そういうところに行くことに対して、ファンの人は嫌なんかなって考えちゃうと、今までは行けなかったんですよ。バンドのラップは聴いたことがあるけど、ガチのヒップホップのラップを目の当たりにしていないので、それは絶対観なきゃと思っています。観ることで変わることはいっぱいあると思うので、タイミングを見て行きたい。まだまだ自分が知らない世界があるんだろうなって、ワクワクですね。

-最近の神激楽曲だと、「ワールドブレイカー」(2022年8月リリースの22ndシングル)はよいこさんのラップ始まりじゃないですか。あそこ、カッコいいですよね。

よいこ:ありがとうございます。むっちゃ難しくて、自分の中での100点満点にはまだ達していないんです。でも初期のころから比べたら、どんどん良くなってきているとは思います。もうちょっとカッコ良くします、絶対に。

-具体的に改善したいところがあるんですか?

よいこ:そうですね。まず、(「ワールドブレイカー」は)最初に"HAHA!"って笑うんですけど、あそこで自分が出している声が低いんです。もっと、狂気的な笑いにしたいんですよ。"ジョーカー"みたいな。あとは自分の肺活量が足りていなくて。最初のラップの長いとこって、挑発的なところで、余裕持ってやらなきゃいけないんですけど、まだそこに達する余裕は持てていないんです。そこをもっと滑らかに決められたら、カッコいいなと思います。「ワールドブレイカー」は、"ワールドブレイカー大先輩"と呼んでいて(笑)。神激の曲の構成って、最初に6人の技をダダダダって出すんですよ。で、例えば自分が観ている側だとしたら、ズズズズってやられるんですね。今回は特にTiNAのパートとか、クリティカル・ヒットさせる部分があって。で、絶対そのあとにエモい黄昏ゾーンに行くんですよ。作曲者さんがどういう意図で作っているかは置いておいて、自分的にはその黄昏ゾーンで"はぁ、神激のスキルにやられちまったぜ"って浸るんです。そのあとに"ワールドブレイカー大先輩"が来て、"一緒に行こうぜ"って引っ張っていってくれるというのが、「ワールドブレイカー」のよいこの最初の感想でした。