－現在制作中の新曲「EGO PARADISE」について、よいこさんとしてはどんな印象がありますか？

よいこ：まだデモのデモの段階なんですけど、とりあえず"今回はラップがすげぇムズいから"と言われていて。「ワールドブレイカー」もムズかったけどな～って思いながら（笑）、ちょっとワクワクしています。「EGO PARADISE」のデモができる前、それこそ5周年という節目を迎えたあとぐらいに、神激メンバーで語り合ったときがあって。メンバーとしてやっていて、マニピュレーターさんが作ってくれているけど、もっと携わりたいという気持ちが5周年で出てきたんです。今までいもこさんが書いていた歌詞って、MCとかでうちらが発した言葉を摘んで摘んで、ひとつにしてくださっていたんですけど、「EGO PARADISE」では初めての会議を開きました。"自分たちでこういうのを発信したい"という意志が出てきたので、ノートとかを開いて"こういうのを入れたい"とかを話したんです。そうしたら、今までよりいっそう、神激ひとりひとりの個性が滲み出るというか、内から出るものになるんだろうなって、すごく楽しみになりました。どういう想いを乗せたいかって、タイトルから決めたりするんですけど、"EGO PARADISE"は"神激"だよね、というところがあって。だからこそ、今の神激を100パーセント絞り出したいなと思っています。

－前回TiNAさんの取材（※2022年9月号掲載）のときに、GODちゃんは「EGO PARADISE」を"変化球"と表現してたんですよね。よいこさん的にもそう感じる部分はありました？

よいこ：ムズいな。違ってたら違うって言ってくださいね？ ちょっとわかりやすくなったと思うんですけど、どうでしょうか？ 編成というか。どうでしょうか？

GODちゃん：わかりやすかったと思うんですよ。だから今めちゃくちゃイジっていて、1サビ終わってからの構成がまるっと変わります。なので、わかりづらく戻ります（笑）。

よいこ：デモのデモでは、そうやって作っていくんです。

GODちゃん：難航していますが、固まったので、あとは形にするだけですね。神激のストレートな曲が「ワールドブレイカー」とか「合法トリップ：ボイルハザード」（2020年9月リリースの14thシングル）とか、"神奏曲"シリーズみたいな感じだとしたら、そことはちょっと変化球。過去では「BAD CAKE」（2021年4月リリースの18thシングル）みたいな、そういうニュアンスです。神激の曲はそもそも全部が変化球みたいなところがあると思うんですけど（笑）、神激のストレートな感じとはちょっと違う作り方というか。"PARADISE"と言っているので、ハウス×EDM×ラウドみたいなものに仕上げようと思っています。

－おぁ、また今までにないアプローチですね。楽しみです。

GODちゃん：今回もこだわりすぎちゃって、ズルズルと行っていますね。納期とかがないぶん、とことん納得いくまでやろうと、伸び伸びやっています（笑）。

－では、恒例の各メンバーへのコメントをよろしくお願いします。まずは同期のTiNAさんへ。

よいこ：TiNAはマイメンですね（笑）。マイメンでありライバルです。自分って実は甘えがちなところがあったりするんですね。もしひとりで神激に入っていたら、後輩な自分に甘えていたと思うんですけど、TiNAがいるからこそお互いに刺激し合って、上がっていけたと思います。自分は基礎知識をちゃんと学んだというよりは、見て覚えた側なんですね。でも、TiNAはちゃんとボイトレに行って基礎を積んで、そのうえで路上ライヴをやって、その積み重ねの部分が自分より密度が濃くて。そういう人が近くにいてくれたからこそ、百聞は一見に如かずというか、TiNAから学んだことがすごく多いです。

－三笠（エヴァ）さんはどうですか？

よいこ：自分も三笠さんも、もともとバンドが好きという点で、ライヴ作りの点で思考が似ているというか。ここのMCはそんなに長くなくていいよね、とか、ここはパッと上げたいね、みたいな感覚が似ています。なので、セットリストが送られてきて、どういう編成にしようかとメンバーと話し合うんですけど、そういうとき一番に相談するのは三笠さんで。思考が似ているからこそ、三笠さんのMCが自分にも刺さるし、そこでギアが上がるし、今のひとりひとりのパートが分かれてからの、三笠さんのポジショニング――青春パンクっぽいところもすごく好きです。シャウトの粒が粒々でうわぁって思うし、ライヴを観ていてアガります。内面的なところで言うと、最初にステージで観たときとは印象が違っていて。ただカッコいいだけじゃなくて、いろんな想いや繊細な考えがあったうえでのカッコ良さだし、優しさだなと思うんです。でも、そういうところってあんまり見せてくれないですね。だから一番語り合いたいです。よいこはお酒を飲まないと本音があまり言えないんですけど、三笠さんはお酒が弱いので（笑）。語り合いたいし、知りたいなと思います。

－お酒を飲まないと本音が言えないんだったら、今日のインタビューも飲んでからやれば良かったですね（笑）。

よいこ：（笑）本音が言えないというか、自分は上下関係が厳しいところで育ってきたので、"これは先輩に言っちゃいけんだろう"みたいなセーブがあって。で、お酒を飲むと遠慮なく言っちゃうんです（笑）。

－（笑）続いて、あまね（涙染あまね）さんは？

よいこ：ラップとスクリームというところで、わかりやすく対比があるじゃないですか？その技術的な面では一番意識しちゃうというか。掛け合いが多いので、ライヴで急にロング・トーンを入れてきたってなると、自分もアレンジ入れるぞ！ ってなります。ライヴを観た人の感想でシャウトを褒めていたら悔しいなと思うときもありますね。あと、あまちは普通に尊いです（笑）。今の自分の目標はもっと等身大でいることなんですけど、あまねさんっていつでもあまち（涙染あまね）なんですよ。こんなに顔が良くて、性格が不思議ちゃんで、スクリームが上手い人って、3次元におるんや！ みたいな。奇跡だと思いますね。

－では、ことのさんはどうですか？

よいこ：ことのさんに関しては、自分と一番考え方が似ているというか。例えば武道館の前に上手くいかなくて悔しくて泣いているときに、ふとことのさんを見ると、ことのさんも泣いているんです。自分が悔しいと思ったタイミングでことのさんも悔しいと思っていて。ここを改善しなきゃいけないと思ったことを相談すると、ことのさんも"そうだと思っていた"と返してくれたりして、感じ取ることが一緒です。居酒屋で"ロックじゃねぇ"って言えたのも、ことのさんならわかってくれるって、どこかで思っていたところもありました。ことのさんが同じことを思っていなかったとしても、自分が言ったことを飲み込んで考えてくれる人なので、そういう人がリーダーでいてくれて頼もしいし、このチームにいてくれて嬉しいなと思います。

－最後に、いもこさんについて。

よいこ：いもこさんって本当にきっかけの人なんですよ。最初の最初はサムネのいもこさんがかわいかったから押したというところで、そういうきっかけでもあるんですけど。自分の心を動かしてくれたのは神激の歌詞だし、それを書いているのはいもこさんだし、初めて観たライヴで自分の背中を押してくれたのがいもこさんのMCだったので、一生感謝って感じです。一緒にいすぎて麻痺するんですけど、ふと我に返ると、なんで今横で喋れているんだろうって思っちゃうくらい、恩のある人。"生まれ変わっても自分になりたい"（2020年11月リリースの16thシングル）って歌っていますけど、ぜひ生まれ変わってもいもこさんとして生まれてきてほしいし、そうしたら私もよいことして生まれてきます。

－インタビューの締めとして、よいこさんの個人的な目標を聞かせてください。

よいこ："京都大作戦"の"源氏ノ舞台"です！ フェスといえばそこ。あと、新しくできた夢として、それくらい有名なフェスを自分たちの名義で作っていけたらすげぇカッコいいなと今回の"GOD FEST.2022"で思ったので、それが新しい夢です。