INTERVIEW
神使轟く、激情の如く。
2020.03.17UPDATE
2020年03月号掲載
Member:実久里ことの 生牡蠣いもこ 涙染あまね 二日よいこ 妖精かなめ 三笠エヴァ TiNA
Interviewer:宮﨑 大樹
-かなり多いですね。着実にファンが増えている感じがします。さて、冬から春にかけて5ツアーを回っている途中ですけど、神激のライヴの魅力について改めて感じたことや、ライヴで起きた変化などはありましたか?
エヴァ:神激のライヴの魅力はやっぱり"生"、"ライヴ感"だと思います。同じライヴをしたことは一度もなくて。ファンの気持ちも私たちの気持ちも毎回違うし、マニピュレーターさんがセットリストとかを自在に変えてくださるので、毎回のライヴが違うものになっているんです。そこがバンドっぽくて好きなところなんですよ。そういう意味では目の肥えた人にも楽しんでいただけるライヴをできているのかなと。
TiNA:熱いライヴに加えて、毎回違うコンテンツを用意しているのも魅力ですね。例えば、現在(※取材は2月下旬)回っている"神巡り2020冬-東京23区-"では、女装限定ライヴみたいに、毎回テーマを打ち出しています。そういうグループっていうのはなかなかいないと思うので、いつもの熱いライヴをするのは大前提として、プラスアルファでファンの人を飽きさせないライヴをすることは大事にしていて。なので、ワンマン・ライヴを重ねるたびに、ライヴの精度を上げつつも、常に新しい神激、新鮮な神激をファンの人に届けられているっていう感覚はありますね。
よいこ:"神激のライヴに来て初めてここに行った"とか、"初めてこれをやった"っていう人がすごく多いんです。
あまね:MC中に"初めて来た人?"って聞いて、手を挙げてくれた人に拍手して歓迎して、フロアがホームみたいな感じなんです。初めて来た人を前のほうで観させてあげたりする、優しい雰囲気も見どころですね。ツアーの話で言うと、大阪に月1くらいで行っているんですけど、過去に土曜日でやったときより、前回の金曜日でやったときのほうがお客さんが増えていて。初めて来てくれた神者(※神激ファンの総称)が次のライヴで"友達をを2、3人連れてきたよ"って言ってくれて、行くたびにだんだん広がっています。月1でしか行かないからこそ"神激が足りなくなった"って言って、わざわざ東京まで来てくれる人も増えている感じもしますね。
いもこ:最初からそういうライヴだったわけではなくて、ツアーを重ねるごとに神激と神者の絆が深まってきたということだと思うんです。
-アイドル・シーン以外からのファンが増えて、起きた変化とかってありました?
かなめ:前は年齢層が高めだったんですけど、入場無料でワンマン・ツアーをしたことで年齢層に偏りがなくなってきています。いろんな入り口から来た、いろんな人がいるなかで、ライヴの楽しみ方も若い人の楽しみ方だったり、大人の楽しみ方だったり、お互いが変に干渉しない、自由でいいフロアができているような気がします。
エヴァ:この間、"ノーリミットライブ"っていうライヴを初めてやらせていただいたんです。基本的なアイドル現場ってサーフやモッシュって禁止で、うちもそうしていたんですよ。だけど、いわゆる"ライブキッズ"がよく来てくれるようになって、特に神激の曲って、"ここでモッシュしたい"みたいなところがめちゃくちゃあるんですよね。"じゃあそれをできる機会を作ろう"ということで、吉祥寺SEATAっていう箱で一度やらせてもらったんですよ。"何してもいいよ、その代わり怪我だけはするなよ"みたいなライヴをしたらウォール・オブ・デスとか起きて(笑)。本当にバンドみたいなライヴになっている光景を見て、"これはもう夏フェス行けるな"って思いました。アイドルがフェスに出ると、正直微妙な空気になるときってあるじゃないですか? 神激ならフェスに出ても絶対いけるなっていう確信を持てたのも、大きな変化かなって思っています。
-モッシュならまだわかりますけど、アイドルでウォール・オブ・デスが起きるなんてそうないですね。
エヴァ:SiMさんとか、ホルモン(マキシマム ザ ホルモン)さんとかのTシャツを着ているようなキッズたちが集まっていて、めちゃ熱かったです。そういう層に受け入れられたことが実感できて、自信がつきました。
-これだけツアーを回っていると、個人のパフォーマンスについての成長や手応えも感じていたんじゃないですか?
エヴァ:成長っていう意味だとかなめが一番だと思います。
かなめ:新しい曲でシャウトをやるようになったことで、既存の曲にも新たにシャウトを入れる挑戦をしています。今までMCをしていたところにもシャウトを入れてみようっていうのも増えていて。最初は本当に聴くに堪えないひどいものだったんですけど、今は少し成長できたのかなって思いますね。でも、まだまだ基礎的なものを練習してっていう状態なので、聴いて"あ、良くなったな"って毎回思ってもらえるように頑張っていきます。
エヴァ:私はベガス(Fear, and Loathing in Las Vegas)さんとかPassCodeさんとかがすごく好きだったので、最初にかなめのシャウトを聴いたときに"めっちゃ下手やん"って思ったんですよ(笑)。でもやり始めてから毎週ボイトレに通っていたりとか、裏でもずっと練習していたりして、本当にどんどん上手くなっていって。それでも、"まだまだ上がいるし、自分なんてまだ下手だからもっともっと頑張りたい"って、ずっと練習しているんです。今は上手くなっていて、"すでにアイドルのレベルではないな"って思うんですけど、そういうシャウトを売りにしている人たちよりも上手くなるために、毎日練習しているところがすごくカッコいいなって思います。
-逆にライヴで課題に感じている部分もありますか?
ことの:どれを言ったらいいかわからないくらい課題だらけですね(笑)。例えば私は、煽りとかも練習しているんですけど、歌にも力を入れていて。ファルセットと地声の切り替えの部分の練習をすごくしています。
いもこ:最近、既存曲の再レコーディングをしているんですけど、私はもともと声が幼かったんです。そういう感じの歌い方で過去の曲を何年か前に録ったんですけど、がなり声を出し続けていたら、喉に結節みたいなものができちゃったんですよ。声変わりみたいになってしまったので、"どういう声で歌ったらいいのか"っていうのが今の課題かなって思っています。
TiNA:私は、ライヴの中でのMCだったり煽りだったりで出す"自分の色"っていうのが一番の課題ですね。いろんなことを試しながら、自分らしい言葉の選び方を探しています。
-神激のライヴではMCや煽りが非常に重要な要素ですもんね。
ことの:あとは、全員の課題として身振り手振りっていうのがすごくあります。曲や歌、シャウトやラップとかがどんどんカッコ良くなるにつれて、自分の身振りのダサさが目立つんですよ。こんなにカッコいい曲と歌詞なのに、下手くそな手の動きしかできない......って。
エヴァ:自分もそこに課題を感じています。メンバー全員でバンドさんのライヴを勉強しにいくこともあるんですね。UVERworldさんとか、coldrainさんとかを観に行ったときに、"曲は負けてない"と自分は思っているし、ラップやシャウトもカッコいいメンバーが揃っているし、"勝てる部分も絶対あるな"と思っているというか、そのくらい強気な気持ちでやっているんです。"じゃあ、この人たちにあって、自分たちにないものってなんだろう"って考えたときに"カリスマ性"なんじゃないかなと考えて。空気感だったり身振り手振りだったり、そういうところでカリスマ性を出していくっていうのは、自分たちの努力でどうにかできるものだと思うんですよ。内に秘めているものは全員にあるんですけど、それをまだ表に出せていないので。それをいかに出すのかという表現方法が課題だと感じています。私たちは雑草なので、雑草根性で本物らしさを身につけていきたいです。
-見方を変えれば、細かいところを詰めていく段階とも言えますね。
エヴァ:そうですね。その段階までは来ているんじゃないかなと思っています。