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INTERVIEW

ACME × MAKE MY DAY

2023.01.12UPDATE

2023年01月号掲載

ACME × MAKE MY DAY

ACME:CHISA(Vo) 将吾(Gt) RIKITO(Ba)
MAKE MY DAY:Isam(Vo) Julian(Gt/Vo) U-ske(Ba) Tkken(Dr)
Interviewer:村岡 俊介(DJムラオカ) Photographer:生田 大起


2023年の"向かっていく先"を、このライヴへ来た人に感じてほしいなって(CHISA)


-だからこそ記念すべき第1回ACME企画にMMDを呼んだんですもんね。MMDはゲストの立場ですが、ホストであるACMEはまた気持ちが異なると思うんですよね。MMDと対バンできる喜びもありつつ、自分たちのイベントであってさらに初開催ですし。そういった重みやプレッシャーは感じていましたか?

CHISA:そこはジャンルを超えてやれたのかなっていうのはあります。

-MMDはHAL君から紹介されてACMEに出会ったんでしたっけ?

Julian:いや、普通にマネージャーさんからも連絡いただいてて。この座談会第1弾のときも話したかもしんないですけど、ACME企画vol.1のとき以前にもMMDって誘ってもらってるんですよ。HAL(ACME/Dr)君の誕生日企画だったと思うんですけどタイミングが合わず......出たいな~って思って出れなかったんで、やってみたいなって気持ちは残したまこの日を迎えましたね。

-なるほど。ちなみにMMDのプレイとかパフォーマンスではなくてイベント全体としてはどうですか? 例えばACMEのお客さんの満足度とか。

RIKITO:ACMEのお客さんもMMDのライヴを観て、盛り上がったままの勢いでACMEのライヴも盛り上がってくれた感じでした。すごく温まってた感じ。

-ACMEファンってラウドな音楽性だけど、MMDのお客さんに比べたら暴れるような人も少ないと思います。コロナ禍で制限のあるなかだったのでいい意味で落ち着いて観ることができたのかなと想像したんですが。

Julian:そうですね。コロナ禍も3年ぐらいやってるじゃないですか、そこで入ってきたファンの人とかは、めちゃくちゃモッシュしてるみたいな風潮を知らない人が結構いて。最近ちょっと緩くなってきて、モッシュが起きたりするとびっくりしちゃうみたいです。

-MMDのライヴも最近観に行ったのですが、そのとき感じたのが、コロナ以前とライヴの流れを変えてるなと。Isam君のMCもコロナ以前はとにかく煽る感じでしたが、今は邦ロック系にも通じるようなお客さんの心を揺さぶるようなMCも挟んでくる、客層も変化して昔は最前が男だけみたいな感じでしたが、今は女性も多いですよね。コロナ前と意識の差はありますか?

Isam:この2年で煽りの仕方はガラッと変わりました。コロナ前のことができないから、じゃあ何する? みたいな。僕らはライヴの歩みを一切止めずやれる限りのことをやっていて、そのなかで必然的に変えざるを得なかったので、じゃあどうしようかっていうので、もともとMMDはモッシュだけを推してるバンドでもなくて、クラップやジャンプ、手を上げさせるとかをやってて、そこだけを残したような形かもしれないですね。MCとかでも"オラー!"って言えないぶん、心にすっと入っていくような話をしようかとか。

Julian:話脱線しちゃうんですけど、Kj(Dragon Ash/Vo/Gt)さんがもうひとつやってるバンド(The Ravens)のライヴを最近観たんですけど、別にモッシュさせるわけでも、ジャンプさせるわけでもないっていう。感動させるMCがめちゃくちゃうまくて。コロナ禍でそういうのを余計にみんな求めてるんだなって感じましたね。ヴィジュアル系は僕全然詳しいわけじゃないですけど、煽る人が多いんですかね? "頭もげるまで首振れ!"みたいなのをよく聞くけど。

CHISA:普通の音楽よりはそっちに位置してるんだと思いますけどね。

Isam:NOCTURNAL BLOODLUSTの尋(Vo)とかすごいじゃん。"オラー!"みたいな。

Julian:すごいね。

Isam:girugameshの左迅(Vo)みたいなのは何も言わない。逆に "左迅ー!"って煽られてる(笑)。

Julian:ケース・バイ・ケースなのか(笑)。

RIKITO:V系だと、普通のことを大きい声で言ってるというか......。

一同:(笑)

Julian:元気な人たち(笑)

RIKITO:でそのあとHALさんがそれをいじって笑ってるっていう(笑)。

Julian:ACMEの毒が(笑)。

-ACMEはデビュー以降かなり早い段階でコロナ禍にガッツリぶつかってしまいましたよね。全活動の中でコロナ禍のほうが以前より長いんじゃないですか?

CHISA:活動中2年強、コロナ禍って感じですね。

-コロナ禍になってしまって本来ACMEがライヴで表現しようと思っていたものが出し切れていないんじゃないでしょうか。ライヴの理想系ってどういったものですか? 例えばコロナ禍じゃなかったら、モッシュしてほしいとか。

CHISA:海外ツアーはコロナ期間中も続けてたんで、アメリカでそういうの見ると、やっぱりこれが見たかった景色だなって思います。

RIKITO:でも、モッシュができるような曲はずっと作ってますね。

CHISA:そうですね。ひとまず、遊べる道具はこっちで揃えたけどそれは周りの状況をちょっと見つつなのかなっていう。この間もワンマン・ツアー("ACME Live Tour 2022 IN JAPAN")で千葉公演があったんですけど、僕はちょっとコロナ禍から戻りつつあるのかなって思ったんです。結構ぐちゃぐちゃな感じが戻ってきて、逆にそれを怖いっていう声も一部あって、難しいなって。メンバー的にはすごく燃えて、ライヴっぽいなと思ったんですけど、コロナが怖くてお客さんが乱れるとちょっと......って人もまだいるんだというのもすごく感じました。

-おそらく来年にはモッシュができるような環境になるんじゃないかと予想しますが、モッシュ解禁になるとコロナ禍で支援してきてくれたじっくり観たいファンと、そもそもモッシュができるような曲を作ってるACME双方にジレンマが起きるかもしれませんね。モッシュが起きること事態は嬉しいけど、コロナの時期に支えてくれたお客さんも多いので、そういうお客さんからするとACMEのライヴ変わっちゃったな? みたいな。

CHISA:そうですね。今残ってくれてるお客さんがコロナ期間中支えてくれたっていう気持ちももちろんあるし、でも、やっぱコロナ前みたいなライヴしたいし......みたいなのはありますね。

-難しいですよね。ACME、MMD双方同じ悩みじゃないですか?

Isam:どっちも幸せにはできないからね......。100人全員に好かれるなんてできないから自分がやりたいと思うほうで俺はいいんじゃないかなと。"モッシュが嫌でライヴ行きたくない"って言われたら"そっか"って。もうそう思う他ないんじゃないですか。だって俺らがやりたいことなんだからさ。

Julian:そもそも音楽がめちゃくちゃうるさいからね。ゆずのライヴとは違うから。それはわかるでしょっていう感じがあるよね。

CHISA:そこが特にV系だとちょっと難しいですね。お客さんが、そういうところはちゃんとしてるけど曲は激しいみたいな。特にラウド要素の強いヴィジュアル系バンドのライヴだと起きがちなんですよね。それが悩みでもある。

-今年の3月のACME企画ではガチガチの規制の中で声出しもNGでしたよね? でも最近はライヴハウスも声出しOKになってきました。ACME企画の開催環境からしても、主催として考え方が変わってきたんじゃないですか? お客さんのライヴの捉え方もまた変わっていっていると思うんですけど、そこらへんについてもみなさんのお話をうかがえると。

Julian:ちなみに次回はどうする予定ですか?

CHISA:一応1月のワンマン("ACME Live Tour 2022 IN JAPAN")では主催的には声出しOKって感じで。

Julian:じゃあだいぶ様子が変わってそうですね。話変わっちゃうんですけど、お客さんが声出さないのに慣れてきてる節がないですか? 最初の頃はみんな我慢して出さない風潮あったんですけど、もう出さないほうがなんなら楽だし、最近は"声出せー!"とか言っても小さく"わ~"みたいな(笑)。

一同:(笑)

RIKITO:遠慮してんのかな(笑)。

Julian:別に声出さなくてももう楽しめる身体になってるっていうような、それはちょっと寂しい部分だよね。だから3月は強制声出し! 出さないといけない。もう集音器置いてデシベルを計るみたいな(笑)。

Isam:勝負する(笑)?

Julian:どっちの曲が声出てるか! それで負けたほうが全部負担。

一同:(笑)

Julian:お互いが盛り上がって声量がアップするといいんですけどね(笑)。

CHISA:でもさっき言ったみたいに、コロナ期間中にいろんなことを配慮してやってきて、極論じゃないと思うんですけど、支えてくれたお客さんをとるのか、モッシュしたいお客さんをとるのかみたいなのって、ACMEが主催やってMMDさんが出てくれるってことは、そういうことなのかなと。

Julian:なるほど!

CHISA:2023年の"向かっていく先"を、このライヴへ来た人に感じてほしいなって気はします。