DISC REVIEW
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密なライヴもサークル・モッシュもシンガロングもすべてOK! という"ある種の異世界"を、昨年秋と今夏に米国で実体験してきたACMEが、今ここに放つ音の説得力はとてつもなく強い。そして、グローバルな視点で見れば今や日本のほうが異世界になっているという事実も、この躍動する音からは同時に浮かび上がってくるが......。「Enchanted」のようなセンスフルなポップ・チューンもさらりと交えつつ、表題曲を筆頭としたラウド且つ希望溢れる熱い音をもって、ACMEが今まさに撃破しようとしているのは、明確なエビデンスには基づかない"なんとなくまだ怖いから"という、日本に蔓延る停滞した空気感そのものなのかもしれない。特に表題曲の"End painful reality and go to paradise"という詞には、確かなる救いの光明あり。 杉江 由紀