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激ロック | ラウドロック ポータルサイト

DISC REVIEW

洗 脳

狂っているのは誰なのか。正しい(とされるのは)誰なのか。AIが人間の仕事を奪い、人間には生み出し難い絵画を描くまでになった現世において、人間の脳だけが持つ力について改めて考えるべきことはたくさんある。本来的にはゴリゴリのラウドロックを得意とするACMEが、今ここで体現してみせるのは、レトロフューチャーというキーワードに沿いながら作り出していった、実に鮮烈で革新的な音像だ。少佐こと草薙素子("攻殻機動隊"シリーズ登場人物)が活躍するような電脳社会にはまだほど遠いとはいえ、スマホという名の四角い小さな板っきれに執心し、SNS内で簡単に承認欲求オバケ化する人間たちの脳は何かに侵食されているとも言えるが、この「洗 脳」が我々に伝えてくれるのは人間の本質とそれを脅かす脅威についてなのかもしれない。 杉江 由紀