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LIVE REPORT

ACME

2022.08.21 @SHIBUYA CYCLONE

Writer 山口 哲生 Photo by RINA ASUKAI

ACME主催のツーマン・イベント"ザ・ラストワンショー 2022"。その第3弾となる今回、彼らが招いたゲストは、SILHOUETTE FROM THE SKYLIT(以下:SFTS)。"ザ・ラストワンショー 2022・シーズン3 再びACME汁祭り supported by 激ロック"と題し、8月21日、SHIBUYA CYCLONEにて、再び相見えることになった。

"再び"と書いたのは、タイトルにもある通り、昨年もこの組み合わせのツーマンが行われていたからだ。先行のSFTSは、"またこの組み合わせがあると思っていなかったから、「今年も」と言えるのが嬉しい"と、SeshiroX(Vo)がコメント。"1年経って、ライヴの現場も楽しみ方の幅が広がってきてると思います。去年は我慢して、我慢して、我慢汁しか出なかったかもしれないけど、今年はACME汁を出していただけるようにやっていきますので、ひとつよろしくお願いします!"とフロアの興奮を煽っていた。

この日のステージは、ヘヴィでダンサブルな「Unsheathed」を皮切りに、骨太なリフを走らせる「Visions」に繋げると、アンセム・コーラスが響き渡る「ラグナロク」を轟かせるなど、壮大な景色を描くラウド・サウンドで客席のテンションをあげていく。今年4月に発表したEP『To Be Continued』の楽曲も、ツアーを経て血肉になっているようで、中でも"季節が変わったときに、新しい風を感じたときに聴けるような曲を"と、ライヴ中盤に披露された「Purge」が秀逸。しなやかなでありながらも、芯の強さを感じさせる3人の演奏とSeshiroXの歌声が、とにかくドラマチックだった。

他にもアッパーな「Closer」や、"喉が渇いたな......"という話からの「Emperor Time」などしっかりとフロアの熱を上げながらも、"いろんな逆境があって、うるせぇこととか言ってくるやつもいるかもしれないけど、そんなもん関係ないって、自分に言い聞かせて続けてほしいし俺らも言い続けていきたい。これからも変わらずに、音楽を、ライヴハウスを愛してくれたら嬉しいです"と、「Answer is Mine」で強いメッセージをしっかりと残し、ステージを終えた。

後攻はACME。どこか和な趣きも感じさせるダウナーなトラップ・サウンドが鳴り響くなか、1曲目の「RISING SUN」から「Cry Wolf」、「ROTTEN ORANGE」とヘヴィで凶暴なサウンドを叩きつけていく。約1ヶ月にわたる北米ツアーからの帰国後1本目のライヴであること、そして、"メンバー全員が普通にシルエット(SFTS)のことが好き"とCHISA(Vo)が話していただけあって、対バン相手の強烈なステージに刺激を受けたようで、かなり気合が入っている。

"拍手は倍で、手は高く、吸いの声はOKです!"とフロアを焚きつけると、軽快なビートに自然と身体が揺れる「GIFT」や、激情的で儚さに満ちた「Paradox」、2ビートとブレイクダウンを擁した「WALK」など、ラウド・サウンドを基盤にしつつも、バリエーション豊富な楽曲群を畳み掛けていく4人。その勢いは、途中でドラムのタムのヘッドが"ありえない外れ方"をするというトラブルが発生するほど、とにかく凄まじかった。

最後に、2年連続でSFTSと対バンできたことに感謝を告げ、"こういう大変な状況の中で生まれたバンドの絆だったり、去年の「ACME汁祭り」から、いろんなバンドとライヴをしてみたり、新しい扉を開けた感じがあって。この灯を絶やさずに来て良かったと思います"とCHISAが話し、ラスト・ナンバーの「Kagaribi」へ。豪快なエレクトリーモ・サウンドを轟かせ、2度目の共演を締めくくった。普段活動しているフィールドは違えども、刺激を受けている両者。"二度あることは三度ある"という言葉もあるように、3度彼らの共演を、次こそは様々な制限が解除された状況で楽しめたら......と願わずにいわれない夜だった。


[Setlist]
■SILHOUETTE FROM THE SKYLIT
1. Unsheathed
2. Visions
3. ラグナロク
4. Closer
5. Total Mistake
6. Hundred Lies
7. Purge
8. Complete Me
9. Beyond Six Degrees
10. Emperor Time
11. Answer is Mine

■ACME
1. RISING SUN
2. Cry Wolf
3. ROTTEN ORANGE
4. GIFT
5. Paradox
6. WALK
7. Heaven's door
8. Come Back To You
9. 絶唱謳歌
10. Kagaribi

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