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LIVE REPORT

MAKE MY DAY / Sable Hills / Earthists. / CROWSALIVE

2021.08.28 @下北沢LIVEHOLIC

Writer 菅谷 透 Photo by うつみさな

ライヴハウス 下北沢LIVEHOLICの6周年を記念した"LIVEHOLIC 6th Anniversary series"。8月28日には、"Dear Insanity"と題した公演が開催された。出演予定だったmiscastはキャンセルとなってしまったものの、当日はCROWSALIVE、Earthists.、Sable Hills、MAKE MY DAYという、それぞれ異なるタイプのヘヴィ・ミュージックを鳴らす猛者たちが集結。LIVEHOLICの極限とでも言うべき1日となった。

"さあ始めようか下北!"というKenta(Vo)のひと声で、1番手のCROWSALIVEがスタート。アトモスフェリックな空気感を湛えたバンド・サウンドに繊細なエレクトロの同期音源を組み合わせた「AGAIN」、「Face Me」と、独自の美意識を持った世界観を展開していく。かと思えば、「(Don't let me) Drown」では曲間に攻撃的なベース・サウンドがうなるリミックス・パートを盛り込み、強靭な生バンドのビートとの相乗効果でフロアを揺るがす爆発的なグルーヴを創りあげ、引き出しの多さも見せつけた。MCでは2021年を"挑戦し続ける年"と定め、EPやアルバムなどの作品リリース、そして"TRUE NORTH FESTIVAL 2021"のライヴ選考と、果敢に進み続ける意思を表明。アッパーなダンス・ビートが映える「Smoke Signal」で、次へとバトンを繋いだ。

続くEarthists.は、重低音のトラップ・ビートとともに登場。「LEAVES」、「SUNBLOOD」とグルーヴィなナンバーを展開していく。YUYAのドラムとSHUGOの6弦ベースから放たれるテクニカルで重厚なリズム、YUTO(Gt)の浮遊感あるフレージング、そしてYUIの焦燥的なスクリームが渾然一体となったマッシヴなサウンドに、観客は圧倒されながらも徐々に身体を揺らす。「DAWNSHADOW」のアグレッシヴなビートで攻め立てたあとは、柔らかいギター・サウンドと、YUTOのエヴァーグリーンなメロディのクリーン・ヴォーカルが琴線に触れる「Home」で、多彩な表情も見せていく。最後は"このライヴハウスという尊い場所を、LIVEHOLICをこの先10年も20年も存続させるために、一緒に盛り上げていこうか!"という熱いエールとともに「memento mori」をドロップ。怒濤のブレイクダウンでステージを締めくくった。

フィードバック・ノイズのなか、ヒロイックなリードと野太いコーラスの「The Chosen One」で口火を切ったのはSable Hills。"(演者が)男だけのむさ苦しい空間になってっから、お前らも最後までむさ苦しく暑苦しく楽しんでこうぜ!"とTakuya(Vo)がアジテートすると、キャッチーな最新曲「Messiah」を叩きつける。バンド・アンサンブルを前面に押し出したフィジカルなサウンドや、狭いステージでも所狭しと暴れまわり、観る者全員を焚きつけていくようなパフォーマンスはまさにメタル・ヒーローといった振る舞いで、観ているこちらもじんわりと熱くなってくる。Rick(Gt)の流麗なソロのイントロから着火した「Embers」では、"首が取れるまでヘドバンしろ!"、"ともに燃え尽きようぜ!"とさらにフロアの温度を高めていく。ラストに放たれたのは「Recapture」。勇壮なツイン・リードに無数のメロイック・サインが掲げられたあとには、滾るような熱気が残っていた。

トリを務めたのはMAKE MY DAY。この日は新型コロナウイルスに感染していたJulian(Gt/Vo)の復帰後初ステージでもあったようで、オープナーの「Mind Haven」からエネルギッシュなパフォーマンスを繰り広げていく。"まだまだこんなもんじゃねぇだろ!"とIsam(Vo)が呼び掛けると、ライザー・サウンドが高揚感を煽る「Crowned Victim」へと繋げ、フロアの一体感をさらに高める。6周年を祝う花じゃないけど、と「Babylon」をライヴ初披露したあとは、「Life」、「Once」のアッパー・チューンを連発。オーディエンスには両手を掲げるよう促し、キャパシティが制限されたなかでもどこか親密な光景が広がっていた。そしてIsamはMCで、ライヴハウスや地域の人々に感謝を述べると、コロナ禍での経験談を交えながら"ポジティヴなことをお互いにシェアできたら、もっともっとお互いに幸せでより良い世界が作れるって本気で信じてる"と語り、「What Are You Fighting For」を投下。最後にバンドだけじゃなく、フロアも指で差しながら放たれた"俺たちが「MAKE MY DAY」"という言葉には、胸に迫るものがあった。

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